お住まいの外壁塗装や屋根塗装に使う塗料は液体です。それが缶などの容器に詰められて、流通しています。JISが定めた規格は厳しいもので、この液体の性質に関しても試験項目が存在します。
●保存性に関する試験~保管した際の性能の維持~
塗料は使用されるまで容器に密閉されています。その状態で保存性や性能を長期に渡って保てるかの試験です。
○容器の中での状態
使用する際、容器を開けた時、塗料がどんな状態なのかを見るテストです。表面に膜が張っていないか、塊がないか、分離していた場合、攪拌して均一の状態になるかを調べます。ほぼ全ての塗料には注意書きに「使用する前に充分に攪拌してください」と記載されています。
○貯蔵時の保存性
常温や高温(35℃)で保管した時、どのような変化が起こるかを調べます。高温での試験は35℃で3ヶ月間保存した後、常温に戻してから検査します。
○低温の保存性
水で希釈する水性塗料は低温の影響を受けやすいと言われています。寒冷地で冬、保管をした場合、凍結したり、固まったり、変質しないかを調べます。-5℃(誤差プラスマイナス2℃)で18時間保管した後、室温で6時間保管。これを1セットとして3回繰り返した後、状態を調べます。
●作業性と仕上がりに影響する試験~塗料の粘度~
塗料液の粘り気(粘稠度)を調べます。液体の粘り気には面白い性質があり、力を加えると粘度が急に低くなり、力を取り除くと粘度が回復し高くなるチキソトロピーといわれる現象や、力を加えると粘度が高くなり、力を除くと粘度が低くなるダイラタンシーといわれる現象が知られています。チキソトロピーの応用例としてはゲルインクボールペンがあげられます。字を書く時は粘度が低くなり、インクが出てきますが、それ以外の場合は粘度が高く、こぼれてくることはありません。ダイラタンシー現象は砂浜の波打ち際に見ることができます。フツーの車では砂浜を走ることはできませんが、海水で湿っている波打ち際なら走ることができます。
塗料のチキソトロピーやダイラタンシーなどの性質は作業性や仕上がりにも影響します。力を加えると粘度が急に低くなるチキソトロピーでは刷毛やローラーが軽く感じられますが、力を取り除くと粘度が回復し高くなるので、塗り跡が残りやすくなります。力を加えると粘度が高くなるダイラタンシーでは刷毛やローラーが重く感じられますが、力を除くと粘度が低くなるので塗り跡は残りにくくなります。
液体のほとんどは温度が低いほうが粘土が高く、温度が高いと粘土が低くなります。外壁塗装・屋根塗装用の塗料も同じ性質を持っているので、規定では液温25℃、誤差プラスマイナス0.5℃の範囲で測定されます。
記事内に記載されている金額は2021年06月08日時点での費用となります。
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