はじめに
横浜市港北区にて、モルタル外壁住宅の現地調査を行いました。
戸建て住宅の多くは築15年〜25年を迎えており、外壁や屋根の劣化が進んでいるケースが増えています。
今回調査したお宅もモルタル仕上げの外壁で、各所に気になる症状が確認されました。
モルタル外壁は定期的なメンテナンスを怠ると、ひび割れから雨水が侵入し、建物内部の腐食につながる危険性があります。
この記事では、実際の調査写真をもとに、発見された劣化症状とその原因・対処法をわかりやすくご説明します。
モルタル外壁とは?特徴とメンテナンスの必要性
モルタルとは、セメントと砂を水で練り合わせた材料で、日本の住宅外壁に長年使われてきた仕上げ材です。
職人が手作業で塗り上げるため、継ぎ目(目地)がなくシームレスな外観が特徴です。
一方で、乾燥・収縮・地震などの振動によってひび割れ(クラック)が発生しやすい素材でもあります。
塗膜が劣化すると防水性が失われ、雨水を吸い込みやすくなります。
一般的に、モルタル外壁の塗り替えサイクルは10年前後が目安とされています。
横浜市港北区のように梅雨・台風シーズンの雨量が多いエリアでは、劣化の進行が早まることもあるため、定期的な点検が欠かせません。
今回の現地調査で確認された劣化症状
① 外壁入隅部のひび割れ

建物の角が内側に入り込んだ部分を「入隅(いりすみ)」と呼びます。
入隅は2面の外壁が交差する部分のため、温度変化や地震による動きの影響を受けやすく、ひび割れが集中しやすい箇所の一つです。
今回の調査でも、入隅に沿って縦方向のクラックが確認されました。
表面だけの浅いひび割れ(ヘアークラック)であれば塗装で対応できますが、深さや幅によっては先にシーリング補修やモルタル充填が必要になります。
放置すると雨水が入り込み、内部の防水シートや下地材の傷みにつながります。
② サッシ周りのひび割れ

窓枠(サッシ)周辺は、外壁材とアルミ枠の素材が異なるため、温度変化による膨張・収縮の差が生じやすい箇所です。
サッシ下部から斜めに走るひび割れは、雨漏りリスクが高い要注意サインです。
今回の調査では、サッシ下部から斜め方向に伸びる大きなクラックが確認されました。
このような亀裂が生じている場合、コーキング工事によるシール処理を先行して行い、亀裂への水の浸入を防ぐことが重要です。
塗装だけでは根本的な解決にならないため、下地補修を丁寧に行ってから塗料を重ねる工程が必要になります。
もし亀裂から雨水が浸入して室内まで影響が出ている場合は、雨漏り補修も合わせてご検討ください。
③ 外壁と屋根の取り合い部の状態

外壁と屋根が接する「取り合い部」は、雨水が集中しやすく、建物の中でも特に防水上の弱点になりやすい箇所です。
今回確認したお宅では、スレート屋根と外壁モルタルの取り合い部分のシーリングが劣化しており、隙間が生じていました。
取り合い部のシーリング劣化は、そのまま放置すると屋根裏・壁内への雨漏りに直結する危険があります。
また、屋根のスレート材自体にも色あせや苔の付着が見られ、防水性の低下が進んでいる状態です。
外壁塗装と合わせて屋根塗装も実施することで、建物全体を効率的にメンテナンスすることができます。
足場を一度組めば外壁と屋根を同時に施工できるため、費用と工期の節約にもなります。
④ 外壁全体の汚れ・カビ・藻の付着
外壁全体に黒ずみや灰色の汚れが広がっていました。
モルタル外壁は表面に凹凸がある仕上げが多く、ほこりや排気ガス、カビ・藻が溝に入り込んで蓄積しやすい性質があります。
汚れが定着すると塗膜の劣化を早め、防水機能を損なう原因になります。
外壁塗装の前には高圧洗浄を行い、外壁表面の汚れ・旧塗膜をしっかり落とすことが塗装品質を左右します。
横浜市港北区は交通量の多い道路に近い住宅も多く、排気ガスによる汚染も外壁汚れの要因の一つです。
⑤ 外壁面の縦方向クラック

外壁の平面部分にも、縦方向に走るひび割れが複数確認されました。
このような直線的なクラックは、モルタルの乾燥収縮や建物の微妙なゆがみによって発生することが多いです。
幅が0.3mm以下のヘアークラックであれば微細なひび割れとして塗装で対応できますが、0.3mmを超えるクラックは「構造クラック」の可能性もあり、専門家による判定が必要です。
今回の調査では、目視でも確認できる幅のひび割れが見られたため、塗装前にシーリング材によるクラック補修を行うことを提案しました。
塗料選びのポイント|モルタル外壁に適した塗料とは
モルタル外壁の塗装には、ひび割れへの追従性が高い塗料を選ぶことが重要です。
特に弾性塗料(微弾性フィラーなど)は、塗膜が伸び縮みする性質を持ち、新たなひび割れの発生を抑える効果が期待できます。
耐久性を重視する場合は、フッ素系・無機系塗料の中から選ぶと、塗り替えのサイクルを長くすることができます。
また、遮熱・断熱機能を持つ塗料を使用することで、夏場の室内温度の上昇を抑える効果も見込めます。
まとめ
横浜市港北区でのモルタル外壁の現地調査では、入隅のひび割れ、サッシ周りのクラック、外壁と屋根の取り合い部の劣化、外壁面の汚れと亀裂など、複数の気になる症状が確認されました。
これらの劣化サインを放置すると、雨漏りや建物内部の傷みにつながり、修繕費用が大きく膨らむ可能性があります。
早めのメンテナンスが、結果的に費用を抑えることにつながります。
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記事内に記載されている金額は2026年06月09日時点での費用となります。
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