
雨養生は、台風や暴風により住宅が損傷した場合、二次的な被害を最小限に食い止めるための緊急処置です。
災害後、多くの住宅が同じような損傷を受け、工事業者の対応が1ヶ月以上先になることもよくある光景です。その時、困ったお客様の心理につけこみ、勝手にブルーシートをかけて高額な請求をする悪質業者も稀に存在します。
今回は、突如として発生した被害に対して慌てず、悪質業者に頼ることなく、雨養生を行う際の適切な手順についてご紹介いたします。
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
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起こってしまった雨漏りは放っておくと大きな被害に!
住まいの経年劣化や施工不良はもちろん、急な自然災害など、雨漏りが起こる原因は多岐にわたります。
症状もそれぞれ異なり、「雨のたびに状況が悪化する」というひどい雨漏りもあれば、「ちょっと染みが気になる程度」と軽いケースもあるでしょう。後者のように、雨漏りが軽く感じたとき、それほど緊急性を感じないかもしれません。
しかし、軽い症状に見えても、雨が住まいに浸入していることに変わりはありません。なぜ雨漏りが起こっているかをきちんと見極め、それに合わせた改善をせずにいると、被害が拡大するだけです。放置して、自然に直ることはないのです。

雨漏りが発生すれば、まずは屋根材や外壁材が腐食してしまいます。雨は、さらに内部へと浸入し、建物の構造にも影響を及ぼします。構造・躯体の耐久性が低くなり、さらには内装材の腐食、カビを生じさせることも。室内へと雨水が入れば、家電製品も故障してしまいます。初めは、部分的な雨漏りなのに、放置する時間が長いほど被害が大きくなるでしょう。小さな被害のときなら部分補修で済んだかもしれないのに、長く放っておいたせいで全体的な補修が必要となるケースもよくあります。




カビは見た目が悪いのはもちろんのこと、体にもよくありません。小さなお子様、体調がよくない高齢の方にとっては、喘息や肺炎などの健康リスクも高まるでしょう。家族の健康のためにも、早めに対処していくことが大事です。

ほんの小さな雨漏りだとしても、早めの対策ができるように動きましょう。なぜ雨漏りが起こっているかの原因を知り、補修するために、施工業者に現地調査を依頼しましょう。

雨漏りは放置すると被害が拡大するので、私どもも早めに補修に伺いたいと考えています。基本的には、雨漏りのお問い合わせをいただき、まずは現地調査を行います。調査で原因を知ることで、補修の方向性も変わってきます。それから、お客様とスケジュール調整をしていくのが一般的です。ただ、台風などで被害を受けたお客様が多い場合、雨漏りのご相談が集中します。そのため、実際の補修までに時間がかかることがあります。期間があいた間、雨漏りがひどくならないための応急処置として行うのが雨養生です。

一般的に「養生」とは、外壁塗装や屋根塗装の際に、塗装範囲以外に塗料を飛散させないための作業です。ビニールやテープなどで「塗らない部分」を覆っていきます。足場につけるメッシュシート、窓やドアに取り付けるビニール、綺麗に目地を打ち替えるためのマスキングテープも養生です。



一方、建物に雨を浸入させないための対策は「雨養生」です。応急処置ですが、雨養生を行うことは建物を守ることに繋がります。雨漏りを放置して被害が拡大すると、補修範囲も補修費用もかなり高くなります。しかし、適切な雨養生で建物を守れれば、雨漏り被害を最小限におさえられるでしょう。


屋根の応急処置でブルーシートがかかっている様子を見たことがある方も多いかと思います。でも、「シートが風で飛ばないのだろうか?」「どんな風に応急処置できるのだろう?」「雨漏りが本当におさまるのか?」という疑問もあるでしょう。
施工業者によって雨養生の方法は異なります。しかし、ある程度、どんな方法で雨養生が行われるかを知っておきたいですよね。
そこで、雨漏りが起きる原因や箇所に合わせて、雨養生の方法を紹介いたします。

台風などで屋根材や外壁材が破損しても「雨漏りは起こっていない」というケースもあるでしょう。雨漏りが発生していなくても、屋根や外壁の被害を食い止めるために雨養生は効果があります。

雨漏りの原因として考えられる部分が小さな場合、防水テープやシーリング材を使った雨養生が可能です。


1.雨漏りは起こっていないけれど、瓦やスレート屋根材が風で飛んできたものによって割れた
強い風が吹くと、何かが飛んできて屋根材にぶつかることは珍しくありません。ひび割れが起こっているものの、「雨漏りは起こっていないようだ」というケースもあるでしょう。
ひび割れが起こると、すぐに雨漏りが起こりそうな気がしますが、実はそうとも言えません。というのも、屋根材の下には防水紙やルーフィングシートと呼ばれる下葺き材が敷かれ、雨の浸入を防ぐ役割を果たしているからです。そのため、「ひび割れ=雨漏り」ではありません。ただ、ひび割れることで防水紙は「紫外線があたる」「雨水にさらされる」ことになり、衰えていきます。早めに応急処置をおこなっておきたいところです。
汚れや苔がある状態では、防水テープやシーリング材が密着しにくいでしょう。雨養生を行うときは、綺麗に取り除いてから行います。
■瓦屋根


■スレート屋根


2. 雨漏りは起こっていないけれど、外壁材が割れている

外壁材は「クラック」というひび割れが発生しやすい素材です。モルタル材では経年で見られるようになるクラックですが、実はサイディングボードでも釘の打ち込みが原因でひび割れを起こすケースがあります。隙間が小さいように見えても、雨が内部へと浸入する経路となってしまうかもしれません。透湿防水シートが傷むと雨漏りも進みますから、早めに補修が必要な状態です。

外壁に起こっているひび割れは、外壁塗装の際に塗装業者に頼むことで綺麗な仕上がりとなり、雨漏りも防げます。
注意したいのは、可塑剤が入った安いシーリング材での補修によって起こるブリード現象です。この現象は外壁材を黒く汚してしまうため、ノンブリードタイプや耐久性に優れたシーリング材での補修がおすすめです。

3.部分的に屋根材の錆びによる穴があき、雨漏りが起こった
屋根材が金属の場合、腐食による錆びが「剥がれ」や「穴」を発生させます。防水テープで雨養生するときは、ケレンやペーパーをかけて錆びの表面を綺麗に整えることが大事です。用いるシーリング材は、密着性が高いことはもちろん、屋根材や塗料のどちらとも相性がよいものをおすすめします。


4.シート防水の破れによる雨漏りの発生
シート防水は、ベランダやバルコニー、陸屋根などに施されている防水層です。屋根のように傾斜がない分、防水層がしっかりとしていないと雨漏りのリスクを高めるでしょう。
台風や強風時、シート防水に風が直撃して捲れることがあります。破れた箇所を発見した場合、防水テープによる雨養生で雨水が入り込まないようにしましょう。


また、ウレタン塗膜防水やFRP防水の場合、既存の防水層を撤去するケースがほとんどありません。雨養生をするときは、勾配不良が起こらないように、段差ができない防水テープの施工が重要になるでしょう。
5.棟板金が強風で外れたけれど、板金自体の変形はない
台風や強風が起こると増えるのが棟板金の外れや飛散による相談です。棟板金が変形せず「外れている」場合、合、釘穴を塞いでビスで固定し直せば補修ができます。ただ、貫板を交換せずにビスで固定した場合、再度外れるリスクもあります。なるべく早めに、棟板金交換をおすすめします。


また、棟板金が全部外れて地面に落下した場合、釘穴から雨水が入り込んでしまいます。防水テープはもちろん、外れた範囲全体をブルーシートで覆わなければなりません。



台風や強風では、屋根の破損や剥がれが広範囲に及ぶことがよくあります。さらに、雨漏りが起こっていれば、ブルーシートなどによる雨養生をして、雨漏りをおさえる応急処置が必要です。養生を行った後にも、養生が剥がれ雨漏りが再発してしまう可能性があるため、応急処置が済んでも、実際に補修が行われるまでは、異変がないかのチェックをしなければなりません。


1.屋根材が破損、すでに雨漏りが起こっている状態
台風や強風の後には、「棟瓦の崩れ」「スレート屋根材の飛散」などのトラブルの問い合わせが増えます。
その状態で再び強風や雨が降ると、二次被害を引き起こしかねません。なるべく早急に雨養生のためにブルーシートを設置します。ブルーシートで雨養生をした後には、ロープによる固定、土嚢や瓦で重みをつけるなど、ブルーシートが飛ばないようにすることが大事です。
■瓦屋根


■スレート屋根


2.剥がれた外壁材が落下してしまった

外壁は豪雨や豪風で剥がれ落ちるケースがあります。こちらもそのまま放置はできないので、ブルーシートで雨養生が必要です。
外壁の雨養生の場合、下地に木材を使って仮留めをして固定します。

ただ、外壁の場合、雨養生を行うにあたって足場を組まなければならないケースもあります。業者に点検してもらう際には、雨養生にかかる費用も聞いておくと安心です。
また、軒天も劣化が原因で剥がれることがあります。しかし、軒の下側ですから、直接的に雨水が入りこむ心配もあまりありません。シートで養生をしてしまうと、逆に強風によって剥がれる可能性があるので、軒天の雨養生は必要ないと言えます。
3.陸屋根の経年劣化で雨漏りが発生した
台風で屋根や外壁が飛ぶ、剥がれるなどによる雨漏りのほか、「そもそも老朽化がひどいところに大雨が降り、雨漏りを起こしてしまった」というケースもあります。
陸屋根が全体的に劣化している場合、雨漏りの原因を特定することが難しい可能性もあります。いずれにせよ、そのまま放置しておくわけにはいきません。まずは、陸屋根全体を雨養生してから、全補修をお考え下さい。
しかし、一般的な屋根と違い、陸屋根は傾斜がありません。ブルーシートで覆って平らになれば、雨が降るたびに雨水が溜まったままとなるでしょう。雨が続く場合はブルーシートに雨水が溜まっていないか定期的にチェックし、溜まっていれば雨水を取り除く必要があります。


こんな業者に依頼するのはNG!
自然災害で突然の雨漏りが起こると、とにかく焦りますよね。屋根の飛散や外壁の崩落などが起こっていれば、尚更「とにかく急いで直さなければ」と慌てるはずです。
そんなときに、「屋根に剥がれが起こっているようですが点検しましょう!」「一刻も早く、補修しなければ大変」と訪問業者がやってくると、わらにもすがる思いになるのではないでしょうか。
いつもなら冷静な判断で「訪問業者には飛びつかない」と思っている方も、救いの神のようにさえ思うのかもしれません。
しかし、少し落ち着いてみてください。「今すぐに!」「今日ならこの金額でやります!」など、工事を急かす業者は注意しましょう。


代金を支払った後に連絡が取れなくなった、不要な工事をされて高額請求された…などの事例もよくあるのです。
特に、台風や強風で多くのお住まいが被害にあっていると、このような業者が増えると言われています。
被害にあって焦っている心理を利用している悪徳業者の存在は後を絶ちません。
大切なのは、不安を感じている施主様の気持ちに寄り添ってくれる業者に依頼することです。最近では、台風などの自然災害が増えていることから、補修に火災保険が使えると知っている人も増えているでしょう。加入している火災保険や共済によっては、自己負担がない、もしくは自己負担を少なくした工事もできるのです。しかし、手続き時には見積書や復旧前の写真、復旧後の写真などが必要です。火災保険を使った工事経験が豊富な業者なら、お客様が不安に感じないようにアドバイスをくれるでしょう。
施工業者を選ぶときには、お客様の疑問や不安を取り除き、有益となる情報を教えてくれるかどうかもチェックしておきたいところです。

また、現況の写真を撮影しておけば、火災保険や共済の申請結果が出る前でも工事をすることが可能です。「工事を終えてしまった」という場合でも、現況写真と見積書を提出して手続きができます。
火災保険の申請に必要なのは「保険会社からの書類」「費用が分かる見積書」「現況写真」です。
後から申請するケースも考え、見積書などの書類、補修時の写真などはなくさないようにしましょう。

また、屋根や外壁のメンテナンスとして知られている「塗装」ですが、雨漏りの補修とは異なります。
塗装は、新しい塗料を塗って「屋根材・外壁材」の防水効果を高め、劣化をおさえるための工事です。
「錆びがひどい屋根材」「反った屋根材」など、雨漏りが起こるほど傷んでいれば、塗装をしても根本的な改善にはならないのです。


そのため、雨漏りが起こっている状況なのに「塗装をすれば直ります」と言われるのは、疑問に思うべきです。また、本来、防水業者が行うべきベランダ・バルコニーの防水工事を塗装業者が行おうとしているなども、疑わしい行動です。金額はもちろん、提案内容に関しても「本当に大丈夫?」と少しでも感じたら、相見積もりなどで他の業者と比べてみることをおすすめします。

屋根や外壁は高所での作業になります。たとえ、応急処置だとしても高い場所では難易度の高い作業です。落ちてケガをしては大変ですので、専門業者に必ず依頼しましょう。

屋根や外壁の剥離などが起こった場合、雨養生を適切に行えば、まずは室内に雨水が入りこむ心配がなくなるはずです。ただ、「雨養生をする前に雨が降ってしまう」というケースも少なくありません。3日に1日程度は雨が降るという日本の天候。雨養生を待っているうちに、雨が降り続き、室内側に被害が拡大してしまうと大変です。
「雨が畳に浸透して腐食する」「フローリングにどんどん雨が染み込んでいく」「床がびしょびしょで滑って転んだ」など、安心して暮らせる住まいではなくなります。雨が降るたびに、気持ちが憂鬱となるでしょう。このような、二次被害・トラブルを防ぐ対策を早めに行っておくべきです。
雨漏りの対策として知られているのが「バケツ」。ただ、バケツの表面はツルツルと雨を弾きますから、雨水が跳ねないようタオルなどを入れ、バケツの周囲には新聞紙やビニールシートを広げておきましょう。



バケツの下に敷くものは、撥水効果のあるビニールシートがおすすめです。水分が染み込まないように、こまめに周囲をチェックしてくださいね。バケツの内部に水がいっぱいになったら、取り替えましょう。
また、雨が垂れている箇所が分かると「室内側からシーリング補修してはどうか?」と考えるかもしれません。確かに、シーリングを施せば、そこからの雨が漏らなくなる可能性が高いです。しかし、雨漏りの経路が変わるだけで、本来、そこから漏れるはずだった雨が他の通り道へと流れていくことになるでしょう。

シーリングを施したことで、「原因特定が難しくなった」「余計に被害が広がった」という悪循環になるかもしれません。独自の判断で行ったシーリングが、逆に出費の増大につながった…というケースもあるのです。
室内側の雨養生は、バケツで雨を受け止める程度にとどめておくことをおすすめします。なるべく早めに専門業者に相談して、対策をしてくださいね。
雨漏りが発生したところ以外にも被害が拡大していることがある
今回の記事では、雨漏りがお住まいにどんなにリスクをもたらすかについて詳しくお伝えしました。自然災害による屋根や外壁の破損、そのほか老朽化による雨漏りが起こった後、補修工事をするまえに「雨養生」をして応急処置をすることはとても大切です。
また、築年数が経過した古いお住まいの場合、あちこちに経年劣化が見られるのが一般的です。台風直後に雨漏りを起こしたとしても、実は台風が直接の原因ではなく、「経年劣化によって補修しなければならない箇所」が潜んでいるかもしれません。

住まいの専門業者として、通常は「屋根補修は屋根業者」「バルコニー・ベランダの雨漏りは防水業者」など、専門的な分野に合わせて業者を選ぶことが必要です。ただ、その箇所ごとに「依頼する」「現地調査」「見積もりしてもらう」「応急処置をする」「補修してもらう」という工程をふむとなれば、手間はもちろん、スケジュール調整も難しいでしょう。何度も業者とのやり取りが発生すると、ちょっとストレスですよね。
街の外壁塗装やさんの場合、屋根外壁塗装工事をはじめ、スレートやモルタル外壁の補修・防水工事・雨樋交換・軒天張替工事など、住まいに関するあらゆる工事を取り扱っています。雨漏りだけでなく、不安なことがあれば、ぜひご相談ください。

「電話で問い合わせた屋根業者が混んでいると言われた」「雨養生を早くしなければ家が心配」など、不安な点があれば、まずはご相談ください。屋根や外壁、付帯部の劣化など、街の外壁塗装やさんは、外装に関するメンテナンス全般を承っています。点検ももちろん無料です。雨養生や塗装費用についても、お問い合わせださい。

- 雨漏りが起こると、屋根材・外壁材の劣化はもちろん、下地への影響もあります。内装の腐食、家電製品の故障など、二次被害のリスクも高まります。
- 雨養生は、雨漏り発生から補修を行うまでの期間が長くなった場合、被害を少しでも食い止めることができます。雨漏り発生後、防水テープやブルーシートで覆って雨養生を行います。
- 屋根や外壁に傷みがあるが「まだ雨漏りが起こっていない」という場合にも、養生をすることで雨漏り予防になります。
- 雨漏り直後は本当に焦ります。特に、自然災害で多くの人が被害にあっていると業者が混み合い飛び込み営業の話に乗ってしまうケースも。しかし、この焦りからの判断が後悔のもとになることもあるのです。
- 「今すぐに!」「これをやれば直る」と急かされたとき、少し冷静になってみてください。もし、気になる点が少しでもあれば、他の業者に相見積もりをとってみましょう。
- 施工業者が繁忙期にあると、来てもらう前に雨が降って雨養生が間に合わない可能性があります。被害を拡大させないためにも、室内側で「ブルーシートを敷く」「タオルを入れたバケツを置く」などで雨漏り対策をしましょう。
- 古いお住まいの場合、雨漏りが起こったら、ほかの箇所にも劣化が生じているかもしれません。それを機に、悪いところを調査し、住まい全体のメンテナンスをしておくと安心です。
- 短期のスパンで何度もメンテナンスをしなくてもいいように、住まいのメンテナンス全般をしてくれる業者選びが大事です。
- 街の外壁塗装やさんは、屋根・外壁はもちろん、お住まいのあらゆるメンテナンスのご相談を受けています。雨漏りの雨養生ももちろん行います。点検は無料ですので、お住まい全体で気になる点があれば、お気軽にお問い合わせください。