

目次 【表示】 【非表示】
- まずは塗膜になる樹脂と付加される機能に分けて考えましょう
- 塗膜となる主成分の基本はアクリル、ウレタン、シリコン、フッ素
- フッ素塗料以外は全てアクリルが入っている!?
- 長寿命を実現するために付加される機能
- -ナノテクノロジー
- -ラジカルフリー(HALSハイブリッド)
- 低汚染を実現するために付加される機能
- -塗膜への親水性の付加
- -劣化の原因でもあり、光触媒技術の核でもある顔料酸化チタン
- 遮熱・断熱といった快適を実現するために付加される機能
- -遮熱機能の付加
- -断熱機能の付加
- 外壁塗装・屋根塗装に使われるそれぞれの塗料の特徴
- -アクリル塗料
- -ウレタン塗料
- -シリコン塗料
- -ラジカル制御型ハイブリッド塗料
- -ナノテクノロジー塗料
- -光触媒塗料
- -アクリル100%(ピュアアクリル)塗料
- -フッ素塗料
- -無機系ハイブリッド
次に続くのが『最近ではシリコン塗料とフッ素塗料の間にハイブリッド塗料が登場しました。耐用年数はシリコン塗料以上、フッ素未満で価格的にもお奨めです』との文言です。


そもそも塗料におけるハイブリッドって何なのでしょうか。ハイブリッド車はエンジンとモーターという異なる2つの原動機を組み合わせたものです。塗料に何か2つのものでも入っているのでしょうか。
街の外壁塗装やさんでは理解しやすいよう、分類してみたいと思います。
まずは塗膜になる樹脂と付加される機能に分けて考えましょう
塗膜となる主成分の基本はアクリル、ウレタン、シリコン、フッ素
記載順は値段が安いほうから並んでおり、耐用年数もそれに比例します。外壁の汚れにくさについてもやはり値段と比例しており、高い方が汚れにくくなります。
塗膜の主成分は基本的に4つですが、最近の塗料はこれらに下のものも加わります。

100%アクリル(ピュアアクリル)
前述のアクリルは可塑剤(塗料を柔らかくする成分)などが含まれた不純物の多さを指しています。不純物をほぼ完全に除いた100%アクリル(ピュアアクリル)ではフッ素と同等の耐用年数と汚れにくさを実現します。ただし、お値段はやはり高くなります。
●使用されている外壁塗装用塗料 エラストコート
特殊アクリル
アクリルに特殊処理を加えたもので、シリコン以上の耐用年数と汚れにくさを実現したものです。
●使用されている外壁塗装用塗料 パーフェクトトップシリーズ
●使用されている屋根塗装用塗料 パーフェクトクーラーベスト
無機成分(ハイブリッド)
基本的に塗料は全て有機成分を主体に作られているが、化学変化を起こしづらい無機成分塗膜の成分として配合することによって、フッ素と同等以上の耐用年数と汚れにくさを実現することも可能です。無機と有機のハイブリッド塗料という呼ばれ方をします。
●使用されている外壁塗装用塗料 ダイヤスーパーセランシリーズ
●使用されている屋根塗装用塗料 ダイヤスーパーセランIR

フッ素塗料以外は全てアクリルが入っている!?
樹脂の結合の仕方で全てが決まる
では、なぜウレタン塗料やシリコン塗料と呼ばれるかというと、乾燥時に塗膜がウレタン結合を持つ樹脂、シリコン結合を持つ樹脂になるからです。
誤解を避けつつ、分かりやすくするために「アクリル」の部分は省略されています。

長寿命を実現するために付加される機能
ナノコンポジット技術
ナノテクノロジーによって塗膜の成分となる樹脂を1メートルの10億分の1のサイズまで微小化すること。
塗膜が緻密となり、均一化することよって長い耐用年数と汚れにくさを獲得できます。
●使用されている外壁塗装用塗料
ナノコンポジットシリーズ

ラジカルフリー(HALSハイブリッド)

各メーカーによってラジカルフリーやラジカル制御、HALSハイブリッドと呼称が違います。紫外線吸収とラジカル制御の2つで劣化を抑えているのでハイブリッドです。塗膜に無機成分を配合するハイブリッドとは別物です。
●使用されている外壁塗装用塗料
ナノコンポジットF パーフェクトトップ アレスダイナミックTOP
ハイウエザーDC エスケープレミアムシリコンなど
低汚染を実現するために付加される機能
塗膜への親水性の付加
汚れよりも水分の方が付着しやすいのだから、汚れの下に潜り込みますよね。
こうなると汚れは外壁から浮いた状態となり、雨で洗い流されやすくなるのです。ナノテクノロジーや光触媒などの技術によって親水性を付加することができます。

●使用されている外壁塗装用塗料
ナノコンポジットシリーズ、ダイヤスーパーセランシリーズ
パーフェクトトップ アレスダイナミックTOP ハイウエザーDC
エスケープレミアムシリコン ハイドロテクト カラーコートなど
●使用されている屋根塗装用塗料
ダイヤスーパーセランIR ファインパーフェクトベスト
パーフェクトクーラーベストなど
劣化の原因でもあり、光触媒技術の核でもある顔料酸化チタン

日光によって酸化チタンが塗膜を分解してしまうから、劣化してしまうのです。この酸化チタンの特徴を応用し、汚れを分解させてしまう機能を持たせたのが光触媒塗料です。デメリットをメリットに変えてしまうなんて本当にすごいことです。
遮熱・断熱といった快適を実現するために付加される機能
遮熱機能の付加
光熱費の節約は二酸化炭素の排出を減らすことができますので、環境にもやさしいのが特徴です。

●使用されている外壁塗装用塗料
サーモアイウォールシリーズ ダイヤスーパーセランIR クールテクトなど
●使用されている屋根塗装用塗料
サーモアイシリーズ ダイヤスーパーセランIR クールタイト ミラクールなど
断熱機能の付加

例えば、真夏の暑さが室内へ伝わるのに16時間以上かかるとしたら、いかがでしょうか。
日が出た時の暑さが室内へ伝わったと思ったら、既に日は暮れていますので、熱源はなくなってしまっているので温度が上昇することはほとんどありません。

アクリル塗料
現在では新築時にも、塗り替え時にもそれなりの耐用年数を求められる塗り替えにはほとんど使われなくなりました。
ただし、発色が良いというメリットがあるので、「数年持てばいい」といった期間限定の建物などには使われることもあるようです。そういった建物の運用をしたい方、低価格を活かして、塗り替えを何度も行いたい方にはお勧めです。




ウレタン塗料
木から金属まで塗る場所を選ばない万能選手で、環境と立地によってはそれなりの耐用年数も期待できるという特徴があります。




シリコン塗料







ラジカル制御型ハイブリッド塗料
「ラジカル」、「ハルス」、「ハイブリッド」といった単語を組み合わせて商品名にしているメーカーが多く、ややこしい上に扱う業者によっても「ラジカル塗料」、「ラジカルフリー塗料」、「ラジカル制御型塗料」と呼称がさまざま。




ナノテクノロジー塗料
艶なしでマットな仕上がりが特徴で、艶ありのものは存在しません。




光触媒塗料







アクリル100%(ピュアアクリル)塗料







フッ素塗料
その実績からスカイツリーの塗装にも使われました。







無機系ハイブリッド



