近頃、天窓(トップライト)が自然光を取り込んだり、通風の手段として一般的に採用されています。 ただし、天窓の構造や屋根材との相互関係を知らないまま、雨漏りが発生した場合、どのように対処すればよいかが分からず、手詰まりに感じることもあるでしょう。 本記事では、天窓の特徴や利点・欠点と共に、雨漏りの引き金となる要因や天窓の取り替え、屋根との組み合わせたメンテナンス方法をご紹介します。
20年以上前に天窓を設置された方で、これまで一度も点検や補修を行ったことがないという方は、この機会に屋根修理と共に天窓のメンテナンスもご検討ください。
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
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天窓を設置することによるメリットとデメリット
皆さまは、天窓は何のために設置されているのかご存じでしょうか?実際天窓が設置されているお住まいを見てみますと、勾配屋根だったり、屋根高が高かったりして意匠性を意識されているような造りとなっていることが多いように感じます。しかし、天窓の設置目的は意匠的な狙いよりも機能性向上の意味が大きいのです。
●都心部のように住宅密集地では隣地との距離が短いため充分な採光が確保しづらいのですが、天窓を採用することで充分な採光を確保することができます。天窓と壁面の窓を比較すると前者の方が約3倍の採光効果が見込めます。また、隣家や周囲の視線を気にすることなく開放感を得ることが出来ます。
●固定式の天窓ではなく開放式の天窓であれば換気効果で上方に流れやすい熱気を排出し、その結果光熱費の節約に役立ちます。
●天窓により採光の量や時間が長くなることは体調にも良い効果が見込めます。自律神経に作用し、うつ病の抑止効果もあります。
●天窓を採用することで、日当たりが良くなりすぎて、眩しかったり夏場にエアコンの効きが悪くなったりします。
●天窓を設置することで雨漏りのリスクが高まるという不安を持ってしまいがちですが、これは天窓に限らずお住まいのどの部位にも雨漏りの可能性はあります。
そしてこれは、定期的なメンテナンス次第で雨漏りリスクの軽減は可能です。
屋根修理や屋根点検でお住まいをお伺いすると、「ついでに天窓も点検してほしい」、とのご要望をいただくことがあります。
おそらく壁面の窓と同じく天窓も、メンテナンスの必要性をあまり感じていない方が多いのではないかと思います。しかし、天窓は屋根同様常に、紫外線や風雨にさらされているため、壁面の窓よりも経年劣化が激しくなりがちです。
そこで天窓メーカーでは以下のようなタイミングで天窓の点検や修理を行うことをおすすめしています。
天窓を屋根に設置する際、屋根に穴を開けます。雨水の浸入を防ぐため、屋根と天窓は防水紙や水切り板金で隙間のないよう施工していきます。またパッキンや天窓の下地枠も経年劣化するものなので、10年に一度定期点検をすることをおすすめします。天窓から雨漏りが起きていないか確認し、必要に応じて補修を行っていくことで雨漏りを未然に防ぐことができるのです。
また、開閉式の天窓の方が、採光専用の固定式天窓よりも故障を起こしやすいという特徴があります。化粧スレートの塗装や、瓦の漆喰補修などをご検討の際に併せて点検を行うのがオススメです。
屋根塗装に比べ、天窓を取り替えたことのある方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか?一度天窓から雨漏りが起きてしまうと、天窓を取りはずして欲しいとの依頼を受けることは少なくありません。しかし、せっかく設置され明るい空間をもたらしてくれる天窓を取り外してしまうのは勿体ないですよね。そのため、雨漏りを回避するために天窓の寿命(25~30年)が過ぎる前に新しい天窓に交換することをおすすめします。
20年といえばちょうど屋根のメンテナンスが2回目の頃合いで、屋根塗装や屋根カバー、葺き替えが視野に入る時期と思われますので、屋根塗装や屋根工事をご依頼される際は、天窓に対する知識・経験も豊富な業者に相談してはいかがでしょうか?
築年数が経てば経つほど、お住まいの各部は劣化が生じ、雨漏りが起こりやすくなります。そして、原因が天窓であると思っていたものの、実は屋根に原因があったというケースは少なくありません。
屋根の雨漏りが生じてしまった時に確認しておくポイントが3つあります。それをご紹介いたしますので、お住まいの状況と確認しながらご参照ください。
スレート屋根は一番ポピュラーな屋根材ですが、表面塗装の劣化により、水分を吸収して浮きや反り、割れが発生しやすくなり雨漏りを誘発してしまいます。これを回避するためには定期的に屋根塗装を行うことが大切です。このようなメンテンナスを怠ってしまうと屋根はもちろん、天窓からも雨漏りが発生してしまいますので要注意です。
スレート屋根の場合、塗り替えの目安は10年ほどになり、耐用年数は25~30年ほどと言われています。瓦屋根は耐久性に富み、塗り替えは不要で50年以上の使用が可能ですが、防水紙はスレート屋根の場合と同様、葺き直しの目安は25~30年ほどになります。
チェックすべきは、10~15年程度で屋根の塗り替えや漆喰補修等を行っているか、そして、20~30年程度で屋根材の劣化に応じたメンテナンスを施し、雨漏りを回避できているのかです。
これに併せて、台風で棟板金の飛散や、アンテナの倒壊、地震で生じた瓦のズレ等により雨漏りが生じる可能性があるので、突発的な自然災害後の点検も必須です。
雨漏りを発見するきっかけは様々です。壁紙が剥がれたり、天井に雨染みができたり、雨音がよく聞こえるようになったりしますが、発見される場所によって雨漏りの原因が分かる場合があります。天窓が設置されている場合は、小屋裏が無いので、いっそう天井や壁紙の雨染みを発見しやすいですよ。
天窓付近で雨漏りが生じているように見えても、天窓に原因が無い場合もありますので、必ず屋根専門業者に相談し原因を追究しましょう。天窓を交換したり、取り外したりする際には、天窓周辺の屋根材を剥がすことになるため、そこで雨漏りが起きている場合は併せて雨漏り補修を行うことも可能です。
スレート屋根に数年前塗り替えを施したばかりなのに、雨漏りが生じてしまったと、ご相談をいただくことがあります。天窓に要因がある場合もありますが、その屋根の塗り替えが適切に行われていたのか確認する必要があります。
スレート屋根の塗り替えの場合、スレートの厚みが5mmほどと薄いため、塗料が屋根材の隙間で固まって密着してしまうことがあります。天窓周辺の屋根材を剥がすことになるため、そこで雨漏りが起きている場合は併せて雨漏り補修を行うことも可能です。それが次第に毛細管現象を起こし、ひいては雨漏りを引き起こしてしまいます。実際雨漏りが起こってしまうまでは表面化しないので分かりにくいのです
毛細管現象が雨漏りに発展するまでの期間はお住まいの状況によって異なります。施工後数か月で気づく場合や、1~2年経っても見つからない場合など様々です。
スレート屋根を塗装する場合は、必ず縁切り施工やタスペーサーを設置して隙間を作る必要がありますし、施工業者からこれらの説明があってしかるべきなのです。
また、スレート屋根自体に問題がなくても、防水紙(ルーフィングシート)が経年劣化で傷んでいる場合もあります。
大切なお住まいを守るために、施工業者をお探しになる際は、屋根材の特徴を理解した施工をしてくれているのか、塗り替えの手法や使用材料は適切なのかなど、お住まいの状況に応じた適切な工事をしてくれる業者であるのかどうかを見極めることが大切です。
天窓が設置された屋根は実際どのような点を注意してメンテナンスを行えばよいか、施工内容別に見て行きましょう!
1.コーキング補修
コーキング補修は屋根の欠けや割れを手早く補修する方法の一つです。手早い反面コーキング材は紫外線により劣化しやすいため、天窓の補修に用いる際は注意が必要です。築年数が経過している場合は、下地枠も併せてメンテナンスするようにしましょう。 屋根内部が劣化している場合はコーキング材を充填しても雨漏りが起きてしまう場合があります。現在の屋根を設置してから長い年数が経っている場合は、屋根葺き替え工事をご検討ください。
2. 屋根塗装
屋根の塗り替えは屋根全体を比較的安価にメンテナンスする方法です。その際は、天窓に塗料が付かないように養生を行います。最近の天窓のガラスは汚れにくい加工が施されていますので、高圧洗浄をすると水道水のカルキによりかえってガラスを曇らせる恐れがあるため、高圧洗浄を行う必要はありません。
3. 屋根カバー工法
天窓が設置されている屋根でもカバー工法を施すことは可能です。しかし、カバー工法にはガルバリウム鋼板のような耐久性のある金属屋根材を使用するので、 天窓交換は周辺の屋根材を剝がす必要性があるという都合上、せっかく葺いた金属屋根材を剥がすことになり大変勿体ないので、おすすめはしておりません。
4. 屋根葺き替え工事
屋根材、天窓のどちらも交換をすることが可能であり、大変おすすめです。新しい高性能な天窓に交換することも、天窓を撤去してしまうことも可能です。天窓を新たに設置することも可能で、そうすることにより今まで日中でも暗く照明を点けて過ごしていた部屋にも、明かりが差し込み照明を点ける頻度が減ることが期待できます。長所、短所を把握したうえで是非検討してみて下さい。
天窓を撤去したいけれどなかなか決断しきれないという方は、撤去作業に伴うリフォームに頭を悩まされているのではないでしょうか?実際、天窓を撤去した場合、屋内外でどのような補修工事が必要になるのかご紹介いたしましょう。
屋外(屋根)のリフォーム
天窓は屋根に埋め込まれるように設置されていますので、撤去工事をしてしまうと屋根に穴が開くことになります。そのため、穴を塞ぐために一度天窓周辺の屋根材を剥がしてから野地板という下地木材を設置していきます。その後は防水紙という雨水の侵入を防止するシートを上から張り、屋根材を葺いていきます。
室内でのリフォーム
天窓が設置されている場所は吹き抜けになっているケースが多いので、工事の際は足場を設置する場合があります。補修を行う前に施工業者によく相談しましょう。
天窓を撤去すると、室内側にも穴が開きますのでまず合板で下地を形成します。それから壁紙の張替えや塗り替え等の補修が必要になる分、天窓の交換や補修の場合よりも費用がかさむ場合がありますので、数社に見積もりを依頼して適正価格を知っておくと良いでしょう。
天窓点検・補修は足場仮設のタイミングがおすすめ!
屋根に天窓があると、補修や点検時に多少注意が必要になりますが、定期的なメンテナンスに大きな違いが生じるわけではありません。屋根材と同様に10年に一度、点検や簡易補修を行い、20年経過後に天窓の交換を行うことで雨漏りの可能性を軽減することができます。
これらのメンテナンスを行う際には、足場仮設が必要になります。足場が必要な場合はその都度仮設する必要があり、1軒あたりおよそ20万円程度かかってしまうため、なるべく頻度を減らしたいものです。そのため屋根塗装など、足場仮設が必要になるタイミングで天窓の点検、補修も行うことをおすすめします。
築10年を経過すると、屋根は紫外線で色褪せ、汚れも目立ってきます。また、台風や地震の被害に見舞われてしまった場合などにも屋根の点検が必要になります。このようなときに屋根の点検に併せて天窓メンテナンスをご検討されてみてはいかがでしょうか。
天窓の経年劣化により汚れが付着し、室内が暗く感じられるようなったり、天窓周辺の壁紙が浮いていたり、カビが見られるようになったら天窓のメンテナンスのタイミングです。
また、遮熱ガラスの天窓に交換したり、ブラインドを設置することによる暑さ対策も可能ですので、併せて屋根材も遮熱、断熱塗装を検討しても良いと思います。
街の外壁塗装やさんでは屋根や外壁の塗装工事はもちろん、天窓に対する知識も豊富にございます。メリットやデメリットをお伝えさせていただいた上で、最適な施工方法をご提案させていただきます。また天窓や屋根材の経年劣化を考慮しながら葺き替え工事やカバー工法などを承ることも可能ですので、屋根はもちろん、お住まい全体のメンテンナスを希望される方は是非、街の外壁塗装やさんの無料点検をご活用ください。
天窓は意匠的な役割だけではなく、採光、通風、プライバシーを確保した快適な居住空間を叶えるための重要な役割を果たしています。
110年を目安に点検や簡易補修を行い、20年に一度、交換を行うことで天窓からの雨漏りのリスクを軽減することができます。
天窓は雨漏りの要因と考えられがちですが、そうではないことも少なくありません。信頼できる屋根材、天窓のメンテンナスを行う業者に工事を依頼することが最も重要なのです。築30年を経過すると防水紙が寿命になり雨漏りの可能性がぐっと高くなるので、葺き替えや葺き直しを検討する必要が生じます。
天窓が設置されている場合、屋根のカバー工法では余計に費用がかかってしまう可能性があるので、あまりおすすめできません。定期的な屋根塗装と屋根葺き替えを行う際に、天窓交換を検討してはいかがでしょう。天窓を撤去する際には室内にも足場仮設が必要になる場合がありますので、事前に費用や補修内容をよく確認しましょう。
天窓を点検、交換する際には、必ず足場が必要になります。足場仮設の頻度を減らすため屋根塗装や定期点検時に同時に天窓の点検や補修を行うと良いでしょう。メンテナンス費用の削減につながります。
天窓を交換する際には、遮光ガラスの天窓やブラインドの設置、また屋根の遮熱、断熱塗装を併せて行うことでいっそう快適な居住空間を実現することができます。