種類豊富なお住まいの外壁材をご紹介
皆さんのお住まいは和風でしょうか、洋風でしょうか。和風住宅にしても洋風住宅にしてもそのデザインは千差万別で街中を見ても全く同じ外観のお住まいは1つとしてありません。そんなお住まいの外観の印象を決めるのは外壁材です。昔の日本では漆喰などが中心でしたが今はサイディングやモルタル、タイルなど様々な外壁材を使用したお住まいが街中に溢れています。そこで今回はそんな外壁材についてご紹介していきたいと思います。わかりやすくご覧いただけるよう3種の外壁材について比較表をご用意してみましたので、外壁材選びにお悩みの際はぜひご参考ください!
先ほどもご紹介しましたが現代のお住まいには昔と比べて様々な建材が使われています。外壁材も同様ですが、代表的なものとなると種類が限られています。
1990年頃までに建てられたお住まいではモルタルの外壁が主流でした。しかし現代のお住まいで最も使われている外壁材は窯業系サイディングです。また近年では金属系サイディングも増えてきました。
本ページでは一般的なお住まいで使用されることが多い窯業系サイディング、モルタル、金属系サイディングの特徴をメインにご紹介しつつ、さらにはそれ以外の外壁材についてもご紹介していきます。
種類別外壁材比較表
それぞれの外壁材について詳しく見ていく前にそれぞれの外壁材の防水性や耐震性などの特徴を以下の表にまとめましたので見ていきましょう。
※耐用年数はそれぞれ適切なメンテナンスを行った上での年数
ここからはそれぞれの外壁材の詳細をメリット、デメリットを含めてご紹介していきます!
窯業系サイディング外壁材の特徴
窯業系サイディング外壁材はセメントに繊維質と混和剤を混ぜて成型し、化学反応を利用して固めたものです。繊維質には木を原料とした木質系繊維やガラスや金属などを原料とした無機質遷移、アラミドやポリエステルなどの有機質繊維があります。
製法は成型なので形状や模様、テクスチャーなどは比較的自由が利くため選択肢の幅が広く、色や柄が豊富です。シンプルなものからレンガ風にタイル風、木目調などをお選びいただくことが可能で、窯業系サイディングであればきっとお好みのデザインが見つかるのではないでしょうか。
窯業系サイディング外壁材を採用する際のメリット
耐火性が高く、ほとんどの窯業系サイディングは耐火等級が2等級以上で最高性能では4等級のものもあります。
耐火2等級 | 火熱を遮る時間が20分以上(防火構造・準防火構造) |
耐火3等級 | 火熱を遮る時間が45分以上(45分準耐火構造) |
耐火4等級 | 火熱を遮る時間が60分以上(耐火構造・1時間準耐火構造) |
1.仮に窯業系サイディング材を使う外壁の面積が200平方メートルとした場合、使用する窯業系サイディング材の重さは4トン未満とモルタルの半分未満になります。モルタルに比べて圧倒的に軽いことからお住まいの耐震性が高く、地震大国である日本では重要な決め手となりやすいです。
2.シーリング材が充填された目地や取付金具が揺れを緩和してくれるため、ひび割れや脱落と言った損傷が発生しづらいのもメリットと言えます。
モルタルなどと比べて施工しやすいため工期も短く済みます。そのため人件費などのコストを抑えることができるので施工費用を軽減することもできるのです。
窯業系サイディング外壁材を採用する際のデメリット
モルタル外壁材の特徴
モルタルはセメントに細骨材である砂を混ぜて作るものです。しかしセメントに砂を混ぜるだけでは防水性は皆無に近いほどです。そのためモルタル表面に塗装を施すことで防水性能を持たせます。
モルタル外壁は窯業系サイディングと同様に防水性に関しては塗膜頼りです。塗膜を形成するための塗装にはリシン、スキン(セラミック)、スタッコ、タイル吹き仕上げ(ボンタイル)、タイル吹き押さえ仕上げ、マスチックローラーと仕上げに様々な方があります。
その仕上げの際にわざとコテで跡を残すことで様々な模様をつけて世界で1つだけの外壁を作り上げることができます。
モルタル外壁材を採用する際のメリット
1.外壁にモルタルを使う大きなメリットの1つはコテなどでいろいろな模様、テクスチャーをかけるのでデザイン性の高い外壁をつくることができるという点です。
2.コテを使わずに塗布しても模様や骨材の位置はバラバラなのでどんな職人が作業をしても世界に1つしかない模様の外壁になります。
窯業系サイディングの継ぎ目、目地が好きではない方にも適しています。
モルタル外壁は直射日光を受けても表面の温度は上がりません。窯業、金属系サイディングは日光を受けると表面温度が上昇します。
モルタル外壁材を採用する際のデメリット
金属系サイディング
先ほども少しご紹介しましたが、近年外壁材の主流は窯業系サイディングです。しかし新築やリフォームの現場で最近増えているのが金属系サイディングという新しい外壁材になります。外壁に金属素材を使用するというのはトタンのイメージが強く、これまでは「安っぽい」「雨音がうるさそう」と敬遠されていました。しかし現在、普及している金属系サイディングはデザインも豊富で金属の板の下に断熱材が張られるため防音効果を生み出すので他の外壁材と変わらなくなりました。
金属系サイディングはアルミ製や鉄製、ステンレス製のものがあります。その中でも金属系サイディングの主流はガルバリウム鋼板製のものです。そんなガルバリウム鋼板製のサイディングがシェアを伸ばした理由として以下に紹介するメリットがあります。
金属系サイディング外壁材を採用する際のメリット
1.金属系サイディングはガルバリウム製だけでなくアルミやステンレスを使っているものもあります。どの素材を採用した場合であっても非常に薄いため重量も軽く、金属系サイディングは外壁材の中でも最も軽い外壁材の1つです。
2.金属系サイディング材を使う外壁の面積が200平方メートルとした場合、使用する金属系サイディング材の重さは0.73トンから1.4トン未満でモルタル外壁の3分の1になります。そのため窯業系サイディングよりも軽くなり、耐震性が向上し地震に対して強いお住まいになるのです。
3.軽いため新築だけではなくリフォーム工事で使われることも多く、特にその軽さから外壁カバー工法に向いています。
窯業系サイディングと同様にその軽さから施工がしやすいため、施工費を抑えることができます。
金属系サイディングの大きなメリットとして金属の板であるため吸水することがありません。そのため冬場の寒さが厳しい地方でも凍害の心配がないのです。
インクジェット塗装であればレンガ調や石材調に仕上げることが可能です。
金属サイディング外壁材を採用する際のデメリット
その他の外壁材
タイル
外壁にタイルを使うと割れや欠けなどの破損やタイルの剥落、目地の補修が必要などメンテンナンスに手間がかかりますが外壁塗装の必要がありません。
またタイル外壁は初期費用が高額ではありますがランニングコストが低いためトータルで計算した場合の費用は低く抑えられます。
天然木のサイディング
ハードウッド・・・ハードウッドは高温多湿の熱帯雨林などで育った天然木を加工したものです。これは非常に硬質で耐火性を備えています。しかし外壁材として使用する場合、非常に高額なため金額面がネックになります。
焼き杉・・・焼き杉は杉を原材料とした外壁材で、古民家などで使われています。その名の通り、杉を焼いて加工した外壁材ですが現在はその製造コストの高さから非常に高額な外壁材です。しかし表面をしっかり炭化させた焼き杉は寿命が長く、30から60年使用できると言われています。
樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは原油から作られたポリマー樹脂のサイディングです。軽くて防火性も高い外壁材ですがあまり普及はしていません。樹脂素材のため耐久性は高く、耐用年数は30年以上と言われています。
漆喰・土壁
漆喰や土壁は昔から日本のお住まいで使われている建材でお城や蔵などで今も見ることができます。漆喰や土壁は湿度の調整機能に優れているため湿気が多い日本では重宝されてきましたが防水性が低い点がネックです。今は施工できる職人が減ってきたこともあり外壁材としては高価なものになりました。
屋根材を外壁材として使用する
屋根材を外壁に使用しているお住まいもあります。滅多に見かけるようなことはありませんが瓦やカラーベストやコロニアルなどのスレート、ストーンチップ鋼板など通常は屋根に使われる建材ですが外壁として使用することもできるのです。
屋根材という建材は外壁材よりも高い耐候性が求められるので屋根材を外壁に使用した場合、屋根に使用されるより長い耐久性を発揮します。
そんな屋根材を使用した外壁の中でも瓦を外壁に使用したものをなまこ壁と言います。