現在、日本で流通している塗料の中で最も有名な塗料は「ガイナ」でしょう。ガイナは2006年に登場し、その特殊さから何度もテレビや新聞などのメディアで取り上げられました。誕生の経緯や性能などこれまでの塗料とは一線を画するガイナは何度も何度も紹介され、私たち塗装業界の人間も凄い塗料が開発されたものだと感心していました。本ページではそんなガイナについてご紹介していきます。
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
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宇宙開発自体は今から100年以上前に始まり今も続けられる最先端の科学技術が結晶した人類共通の事業です。そして人類は今から50年以上前に月へと到達し、そこで得られたデータを基に今も宇宙について様々な国が様々な角度から研究を続けています。
しかし未だに自国の技術で宇宙にロケットを飛ばすことができるのは日本を含めて10ヶ国程度しかありません。ただ、これまで国家が主導してきた宇宙開発は近年では民間でも行われるようになり、民間企業による有人宇宙飛行もごく普通に行われるようになりました。
このままいけば私たち一般人が宇宙旅行を楽しめるようになる日も近いと言われています。
ガイナを開発したのは日進産業という断熱材を研究開発する会社です。日進産業はJAXA(宇宙航空研究開発機構)から断熱技術の特許を供与され、ガイナを開発しました。JAXAと言えば日本が誇る宇宙開発を担う研究機関で、今もJAXAが開発した宇宙ロケットは人工衛星という超精密機器を宇宙に運搬するために打ち上げられています。
そんなJAXAはH-2ロケットを開発するにあたり打ち上げ時に発生する熱からロケット本体とその中に格納された人工衛星を守るためにロケットの先端に塗布する断熱技術を開発しました。
この断熱技術は極めて軽く熱の制御性能に優れたものでした。
脅威の断熱性と遮熱性
宇宙ロケットの他にもマッハ3(時速3704km)で飛行する航空機の表面温度は約600℃に達すると言われています。
宇宙空間というのは温度の定義ができないようなので、月の日陰部分の温度が-170℃としてご紹介させていただきます。
宇宙空間では雲や空気層など太陽の光を遮るものが無いため太陽光が直接降り注ぎます。そのため温度変化はすさまじく、月の赤道に当たる部分では110度に達することもあるそうです。
600度の表面温度と-170度の温度差からロケット本体と人工衛星を守るためには断熱技術が必要になり、そのために開発された技術を日進産業は譲り受けました。
また断熱の他に遮熱機能もなければロケット本体と人工衛星という超精密機器は守ることができません。
セラミックで構成された塗膜の表面で音と光のエネルギーを拡散します
一般的な塗料を塗装面に塗布すると表面はほぼ平坦な平らに仕上がりますがガイナはかなり凹凸が出る仕上がりになります。この凹凸の分表面積が大きくなるのですがこれが音と光のエネルギーの反射に大きく関わっています。
音を反射する場合、表面積が大きい方が反射する力が小さくなるため反射しにくく、光も表面積が大きい方が分散しやすいのです。
音の反射に関するモデル図
上の図は音の反射をイメージした図です。A図の場合、面に当たった音が同じ方向に跳ね返るので音量はほとんど変わりませんが、B図の場合だと反射する音のエネルギーは一緒ですが受け止める面積が広く、表面が凸凹しているため様々な方向に反射します。そのため聞こえる音量は平らな場合よりもおよそ半分ほどの大きさになるのです。
光エネルギーの受け取りに関するモデル図
遠赤外線の効果が嫌な臭いも防ぎます
ガイナの塗膜を構成する材質の中でも主成分であるセラミックは他の成分よりも効率良く遠赤外線を放出しています。
遠赤外線というのは空気中の水分を細かく砕くことで空気にマイナスイオンを発生させます。お部屋の生活臭などの嫌な臭いはプラスに帯電していますがこれにマイナスイオンが結びつくと嫌なにおいの元は空気中を漂わなくなるため嫌な臭いも消えてしまうのです。
ガイナの断熱効果で結露の発生を抑えます
湿度というのは空気の温度と空気に含まれる水蒸気量で決まります。
つまり湿度が高いということはそれだけ空気中に含まれる水蒸気の量は多いということになります。
熱というのは高いところから低いところへと伝わってその過程で結露を生じさせるのですがガイナは熱の伝達を抑える断熱塗料なので結露の発生を抑制するのです。
ガイナは不燃材料としての認定を受けています
ガイナは国土交通大臣からその性能を認められ、不燃性能について最上位の不燃材料として認定を受けています。
設定温度と体感温度の違い
夏場にクーラーをかけて設定温度が25℃なのに暑く感じたことがあるという経験は皆さん一度以上あるでしょう。
これは体感温度と設定温度の間に差があるからで、体感温度は設定温度とその部屋の中で最も暑い温度の中間くらいという説もあります。
真夏の日中、窓周辺の温度が40℃くらいとしてクーラーの設定温度が25℃くらいであれば体感温度はその中間の32.5℃くらいになります。32.5℃では暑く感じてもしかたないです。
そんな中で断熱塗料のガイナはこの温度差を極力解消する助けになります。室温、設定温度、体感温度の中で丁度いい温度に調整する機能があるため温度差による悩みから解消されることにつながるでしょう。