到着してパッと見て感じたのは両隣様と施主様のお家の距離が非常に近いことです。後から施主様に聞くと、隣のお家の方の窓を開けれるくらいだそうです。(笑)
現地調査時はお家の周りを歩いてお家の状態を目視で確認するのですが、歩くだけでもスムーズには通れず、いろんなものを避けながら見させていただきました。
外壁の塗装工事は足場を組んでの作業になりますので、人がなにもなく通れても、足場を組んでから人が作業できるのかが大切になります。
今回の場合は、両隣様の間が出窓や障害物を除いて、だいたい30cmくらいの距離でした。これより近いと作業自体ができなくなるので、足場を組めても作業ができないと判断した場合は2面だけの塗装や3面だけの塗装になる場合もあります。
今回はなんとか作業できる距離だったので、いつも通り4面塗装でのご提案になりました。
写真では少しわかりにくいですが、所々サイディングが浮き上がっているか箇所が確認できました。
新築時は当然ですが、まっすぐなサイディングボードを現場に持ってきて家を建てます。ですので新築時に壁を下から見上げても施工不良が無い限り浮き上がっている箇所は確認できません。
ではなぜ浮き上がっている箇所が発生するかと言いますと、現在の新築時のサイディングボードはほとんど窯業系（ようぎょうけい）です。簡単に言うと紙とセメントを混ぜて固めているので、なにも塗装しなければ素地の状態では水分を吸収します。
そうならない為に、工場で一斉に塗装された物を新築時は使用していますが、経年により表面の塗装の防水性が無くなると、最初は水を弾いていた壁が逆に水分を含み易くなります。このように水分を含んで乾いてを繰り返すと、一見すごく硬く見えるサイディングボードですが時間をかけて徐々に変形していきます。ただ目に見えて急に変形する訳ではないので、築10年前後を目安に建てた工務店を介してなどしてお家の状態を把握することが大切になります。
放置し続けると、さらに変形が激しくなり、変形に耐えきれずサイディングボードが割れてしまったり、割れがさらに進行すると塗装工事では施工が不可能になり、今度はサイディングボードごと貼替しか方法が無くなってきます。貼替になると材料によりますが、塗装工事費用のだいたい大まかで3～4倍くらいの費用がかかるので、長い目で見ると塗装工事でお手入れすることが貼替と比べると割安にはなってきます。
この継ぎ目の役割としては、大きく2つで
1.水分や湿気をお家の中にいれない
2.板同士が当たって劣化しない為の緩衝材
です。
1.目地部のシーリング材は、外からの湿気や水分がお家の中に侵入してくるのを防いでくれます。
サイディングボードの中側のお家の構造は断熱材や木材や防水シートなどがありますが、いずれも水分や湿気によって劣化します。
ただこちらも目に見えて確認できるものでは無いので、水分や湿気の侵入口となりうる隙間は、お家の寿命を延ばす意味合いで早い目にお手入れをしてあげる必要性があります。
2.緩衝材としての役割ですが、地震やお家の前を大きなトラックが通った場合などは、お家が揺れます。サイディングボード同士がピタッとくっついていると、互いに擦り合って互いを傷つけてしまいます。そうなると経年劣化よりもお家が目に見えて劣化してしまうので、目地を触って固くなってきてたり、ひび割れて隙間が空いてしまっていると、目地本来の役割を果たせなくなってしまうので、お手入れのご検討が必要になります。
記事内に記載されている金額は2023年06月28日時点での費用となります。
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