使用する塗料について「ラジカル」という単語を見かけたことはありませんか？
「ラジカル塗料」とか「ラジカル制御型塗料」といったものがあるということは、どうやら「ラジカル」は良くないものらしい・・・という想像はつきますよね！
では、そもそもラジカルとは何なのか、ここで詳しく説明したいと思います！
塗装の分野での「ラジカル」をひと言でいうと「塗料を劣化させるエネルギー」です。
特に塗料の色を出すために使われている白色顔料（酸化チタン）に紫外線が当たることで発生します。
原子レベルでのお話をすると・・・
通常、原子は２個でペアになっている（共有電子対）のですが、何らかの原因で１個しかない状態（不対電子）になっている原子や分子が「ラジカル」です。
1個しか電子がない原子はとても不安定な状態になっているので、周りの原子や分子から欠けた電子を奪おうと反応性が強くなります。
そして１個奪われてしまった原子がまた他から電子を奪い・・・というように、どんどんラジカルが形成されていくのです！
非常に不安定な状態の物質がどんどん増えて、塗料に含まれている樹脂や顔料などの有機物を分解していくので、塗膜が劣化していきます。
目で見て分かりやすい劣化症状が、色褪せや、触ると粉のようなものが手に付くチョーキング現象です。
この粉は顔料が劣化して粉状になり、表面に浮き出てきたものです。
目で見て分かりやすい劣化症状が、色褪せや、触ると粉のようなものが手に付くチョーキング現象です。
この粉は顔料が劣化して粉状になり、表面に浮き出てきたものです。
「ラジカル」を抑えるという発想の塗料は2010年代になってから販売され始めた比較的新しい塗料で、各塗料メーカーから「ラジカル塗料」「ラジカル抑制塗料」「ラジカル制御型塗料」など、様々な種類のものが出ています。
弊社で扱っているのはアステックペイント社の塗料なのですが、その中で「シリコンREVO」というシリコン系の塗料があります。
この塗料で採用されている白色顔料が「ラジカル制御型白色顔料」というものです。
先ほども述べたように「シリコンREVO1000」はシリコン系の塗料なのですが、一般的なシリコン塗料に比べて、劣化に強いシリコン成分「シロキサン結合」が約3倍（アステックペイント社調べ）も含まれています。
シロキサン結合とは、ガラスや鉱石などの無機物と同じ構造で結合エネルギーが非常に高いので、紫外線等の劣化要因によって破壊されにくく、高い耐候性を発揮することができます。
また三重構造のアクリルシリコン樹脂を採用しているので、汚れの付着を防ぐこともでき、遮熱効果もあるという優れた塗料となります。
もちろん、値段も様々です。
塗料も日々進化しておりますので、こうした知識と技術を持った業者さんを是非見極めてくださいね！
最後までご覧いただきありがとうございました！
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