築42年で一度も塗り替えをしていないカラーベスト、
クラックが大量にありコーキングで補修された跡が目立ちます。
昨年台風や地震に見舞われたときに安全性に危機感を感じ工事をご決断されました。
ビフォーアフター
工事基本情報
大阪市平野区で築42年の大屋根と下屋の葺き替え工事を行いました。
大屋根、下屋共にかなり劣化が酷く塗り替えなどのメンテナンスは一度もされていません。
まず大屋根は塗替えがされていない為スレートの表面の防水性がなくなっていることから
雨水を吸収し、内部にまで雨水が多く侵入していることが予想されました。
板金類もかなり劣化しています。クラックも発生していますので下地の状態も心配です。
下屋は施主様がご自身で降りれるため全体的にコーキングの跡が目立ちます。
クラックが発生するたびにご自身で補修していたそうです。かなり見栄えが悪いです。
大屋根の状態
大屋根の形は寄棟屋根と呼ばれる形をしています。
よく見られる一般的な形の屋根です。使用している屋根材はスレートです。
★化粧スレート屋根にみられる劣化現象とそれぞれの対処法について
42年前に家を建てた時から変わっておらず塗り替えなどもされていません。
防水性の低下が原因
クラックも多数ありました
写真を見てお判りいただけると思いますが、施工前の状態は非常に悪く
色褪せ、クラックと劣化のフルコース、錆汚れも酷いですね。
塗替えていないので防水性もなくなっており、かなり吸込みが激しい様です。
板金も状態はよろしくありません。
板金を固定している釘は緩んで飛び出しており、
板金と板金の繋ぎ目部分のコーキングの劣化も酷い状態です。
下屋の状態
お次は下屋の状態を見ていきましょう。
下屋は大屋根よりもさらに見栄えが悪いです・・・
下屋も同様に塗り替えは42年間されていません。
写真上白く見えているのはコーキングの跡です。
下屋は大屋根と違い施主様がご自身で上がれることから
クラックなどをご自身で補修されていたそうです。
板金が一部ありません
コーキングが汚すぎます
下屋軒先側の棟板金が一部なくなってしまっています。
台風の際に飛ばされたのでしょうか?貫板が丸見えです。
ご自身で板金と板金の繋ぎ目をコーキングで塞いだと思われますが
かなり見栄えが悪くなってしまっていますね(^-^;
大屋根と下屋は同じ年月を過ごしてきていますが、
下屋には自力で上がれるためセルフ補修を繰り返したことで
結果的に見栄えは下屋の方がかなり悪く見えてしまっています。
軒天もかなり状態が悪いです
こちら軒天の施工前の状態です。
全体的に状態はかなり悪いですが部分的には壊滅的です。
更に不思議なのが写真上で黒く見えている部分は屋根のルーフィングですが
本来軒天をめくると屋根の野地板が見えるはずなのですが見当たりません。
元々この部分だけ野地板が無かったのか?だとしたら大問題ですが・・・
垂木も腐って無くなっていますしとにかく安全性諸々問題だらけです。
その為今回は屋根だけでなく軒天も全て張り替えていきます。
~ 工事開始 ~
いよいよ着工です!
足場架設~大屋根葺き替え~下屋葺き替えまでの様子をご紹介していきます。
足場架設
足場を組むのに干渉してしまうため
カーポートの波板を取り外します。
取り外した波板です。
工事が終了したら元に戻します
足場用資材を運搬し朝一から組んでいきます
あっという間に足場の枠組みが
組みあがっていきます。さすがです。
今回他の現場と少し異なるのが軒天の下の踏板です。通常踏板は一枚しか入れない事の方が多いのですが、今回は軒天を貼り替えますので一枚だけでは作業しにくく、安全性・効率性を考え軒天の下だけ踏板を2枚入れてもらいました。
朝一から組み初めて夕方前には無事足場架設も終了です。今回は大屋根だけでなく下屋も葺き替えますが今のままでは下屋に足場がかかっているため下屋の葺き替えを行えません。その為大屋根の葺き替えが終わった時点で一旦上層部の足場を解体してもらい、下屋の葺き替えを行って全体の足場解体という流れになります。
大屋根の既存撤去
足場が組みあがった翌日から本格的に作業開始です。
今回は塗装するわけではないので高圧洗浄などの下地調整は行いません。
まずは大屋根の板金・屋根材を撤去していきます。
まず資材・廃材運搬用のスライダーを設置します。
長いはしごに移動式荷台が付いたようなものです。
既存屋根の撤去は板金から外していきます
板金の下にある貫板も全て撤去します
次にカラーベストの撤去です。スレーターと呼ばれる釘を抜く手工具とトンカチを使いながら撤去していきます。
どんどんめくっていきます。撤去したカラーベストは勿論処分です。42年間お疲れさまでした
撤去した廃材はこうして下にどんどんおろしていきます。
カラーベストをめくって出てきた下地(野地板)です。黒いのはルーフィングですが、もうボロボロです。
劣化した屋根の工事は危険がいっぱい
こちら屋根の下地軒先の部分ですが、
もう既に腐っているため足を置いただけで簡単に抜けてしまいます。
どこがこのように簡単に抜けるのか分かりませんので
劣化した屋根の工事は非常に危険が伴います。慎重に作業していく必要があります
その為作業中は新しいコンパネを置いてその上を歩くようにします。
写真上では色が白い部分が足場置きとしてコンパネを置いている部分です。
屋根の葺き替えは廃材が沢山出ます
カバー工法ではないので廃材が沢山でます。
自分は現場での作業があり廃材を持っていけませんので
数日間は後輩に手伝ってもらい廃材を持って行ってもらいます。
それでもあっという間に溜まり置き場を確保するのが大変です。
新しい下地~カラーベスト葺き
板金・屋根材・ルーフィングの撤去が終了したら
下地の補強・コンパネ、ルーフィング張り・カラーベストを葺いていきます。
葺き替えの場合基本的に撤去するのはルーフィングまでです。
野地板は腐食している部分や劣化が酷い部分は交換しますが、
基本的には現状の野地板の上から新しいコンパネを張っていきます。
・下地補強
この写真状で軒先部分の垂木が腐ってなくなっています。
赤丸の部分です。こうした箇所は新しい垂木を使い補強します。
白っぽく見えている木材が新しい垂木です。このように根元から腐食して無くなっている部分までをカバーし補強します。
腐食していた部分にコンパネを張り高さを既存の野地板と合わせます。
・下地造り
補強が終わったら全体にコンパネを張っていきます。腐食している部分以外は既存の野地板の上から新しいコンパネを張るのが基本です。
コンパネの後はルーフィング(防水シート)を貼っていきます。
今回使用しているルーフィングは一般的なアスファルトルーフィングで
非透湿系の為性能はあまり高くはありませんがお値段も安く止水性は優れています。
注文住宅の新築時なども施主様が直接使うものを指定しない限りはこちらの
アスファルトルーフィング940が使われること場合が大半です。
・カラーベスト葺き
新しい屋根に使用する板金です。
新しい屋根材です。ケイミュ―の「コロニアルクァッド」という商品を使用しています。
少し現場を離れたらもう完成間近・・・写真をあまり撮れませんでした。すみません(^-^;
サイズ調整は屋根の上で行います。1枚1枚サイズを測って調整し釘で固定していきます。
板金の下地貫板を取り付けます。勿論隅棟にも貫板は必要です。
貫板もしっかり釘で固定したら板金を被せていきます。板金もビスで固定します。
大屋根の葺き替え完了!
大屋根の葺き替えが終了です!
季節柄天気も変わりやすくハラハラしながらの作業でしたが
なんとか無事に終了。まだ下屋が残ってはいますがなんだかいい気分です(^^♪
~ 下屋の葺き替え ~
大屋根の葺き替えが終了し上層部の足場をばらしたら下屋の葺き替えに入ります。
工程自体は大屋根と変わりませんので簡単に説明させていただきます。
下屋の野地板です。大屋根とさほどかわりません。
下屋も部分的に腐食が激しい箇所があります。
この辺りは足を置かないように注意が必要です
補強ご新しいコンパネを張ります
ルーフィングも大屋根と同じ物を使用しています。
軒先、ケラバの板金を取り付けます
作業しやすいように新しい屋根材を配置しておきます
軒先から張っていきます。一枚の屋根材に対し4本の釘で固定してあります。
棟板金、雨押え板金の貫板を取り付けます。
壁との取り合いに雨押え板金を取り付けて隙間から雨水が内部に侵入するのを防ぎます。
下屋の棟板金です。
大屋根同様、釘で固定していきます
下屋の葺き替えも無事終了!
天気に恵まれない日も多く予定より工期が少し伸びてしまいましたが
施主様も毎日天気を気にされていましたので無事に終わり一安心です!
こちらの現場は日野が責任を持ち担当させていただきました!
大屋根、下屋共に総葺き替えという大掛かりな工事になりましたが
美観も取り戻し安全性も大幅に向上しましたので
これから先は長く安心して過ごしていただけるとおもいます!
施主様の嬉しそうな顔を拝見できると大変だったことも忘れてしまいますね(^^)/
記事内に記載されている金額は2021年02月18日時点での費用となります。
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