船橋市にて築28年のお住まいで屋根塗装工事依頼を頂きました。なるべく安価に済ませたいとのご希望ですが、適切な補修を怠ると工事後に不具合を生じる可能性があります。確実に問題のある場所の補修をしっかり行い、塗装メンテナンスを施工させて頂きました。また雨樋にも雑草が繁殖していたため、破損を起こす可能性のある部分の交換工事も実施致しました。
屋根材はスレート屋根で適切なメンテナンスを行っていれば25~30年程度は使用することが可能と言われています。今まで大きな破損も少ない状態を維持出来たのは、おそらくアスベスト(石綿)が含まれている屋根材だったからでしょう。2004年以前のお住まいでは多くの部材に強固なアスベストが使用されています。健康被害が問題となり既にアスベストが含まれた製品は販売されていませんが、改修工事を行っていない2004年以前のお住まいではまだ使用されていますね。健康に害があるとしても、屋根として機能しているようであれば何の問題もないからです。
アスベストの繊維は非常に細かく、その1本はわずか0.02~035㎚で髪の毛の約1/5000程度だそうです。この細かさから吸い込んでも気付かず、数十年後に肺がんや中皮腫を患ってしまうという非常に危険な素材です。その為現在はパルプやビニロン等を混合しています。ノンアスベストの先駆け製品(アーバニー・レサス・パミール・シルバス等)はアスベストに代わる素材を見つけられず、様々なトラブルが発生しましたね。アスベスト屋根とノンアスベスト屋根、どちらの方が耐久性に優れているかというと圧倒的にアスベスト屋根材です。その為、近年の屋根材よりも昔の屋根材の方が長寿命ですが、メンテナンス方法は変わりません。
こちらの屋根の頂部に取り付けられた棟板金は【差し棟】と呼ばれる、屋根材の1段ごとに取り付けられている形状です。包み棟と呼ばれる大きな棟を使用するよりも、施工も手間がかかりますが、非常にスタイリッシュな仕上がりが特徴的です。また1箇所ずつが独立している為、強風により煽られるリスクが低く頑丈な棟になります。棟板金には錆びにくいステンレス製やガルバリウム製が使用されることが多いのですが、どれほど高耐久な素材を使用していても表面に傷が入ると錆が発生してしまいます。すると徐々に錆が拡大し、耐久性を低下させるだけでなく穴あき等の腐食を起こしてしまいます。錆は一度発生すると防錆塗料で拡大を食い止めることは出来ますが、完全に回復させることは出来ません。
屋根頂点の継ぎ目はコーキング材で埋められていますが、経年劣化によって肉痩せし剥がれや隙間を作ってしまっています。この状態では雨水が入り込み棟の下地木材を劣化させてしまいます。所々にも錆が発生していましたので、必要な面を絞って棟板金交換工事を行い飛散等のトラブルを防いでいきたいと思います。
また、土や草が入り込み雑草を繁殖させている雨樋が見られました。雨水を流す為の雨樋ですので、土草がある状態では雨水の流れを滞らせてしまいます。雑草等と雨水による重みが雨樋にかかり続けると、いずれ破損してしまいます。敷地内や近所に木々が多いお住まいでは特に草木が溜まりやすくなってしまいますので、頻繁な清掃が必要になってしまいます。
草除けネットという便利グッズもありますが、草木の量によってはネットに絡まり見栄えが悪くなってしまう事もあります。今回は既に荷重により歪みも見られますので雑草が酷く目立つ部分だけ交換工事のご提案を致しました。雨樋は形状やメーカーによって廃盤製品もございますが、ほとんどの場合は後継製品での対応で部分補修が可能です。特殊な形状の雨樋を使用している場合は、お気軽にご相談ください。
街の外壁塗装やさんの無料点検は相談箇所だけではありません。住宅全体を確認させて頂きお住まいの耐久性を維持するための補修工事をご提案させて頂いております。補修をご検討されなくても構いません。今現在お住まいがどのような状態で、いずれどのような問題が発生する可能性があるかという事だけでもイメージ出来ていれば、そのいつかに即座に対応することが出来ます。
こちらのお住まいはサイディング外壁のモルタル仕上げです。外壁材が破損した時にはパネルの張替えをすればよいのですが、モルタルの柔らかい印象・手触りを手に入れられる非常に便利な仕上がりです。表面塗膜が劣化するとチョーキングと呼ばれる白い粉が手に付くようになります。これはそもそも液体だった塗料が塗膜として外壁材を保護しています。その塗膜がさらに太陽光や雨水に晒され続けることで、塗料中の合成樹脂が分解され顔料が粉状になってしまう現象です。良く【チョーキングは塗装のサイン】として表現されていますよね?簡単に塗膜の劣化を判断出来る為お客様自身で状態確認ができますが、いわば塗膜の限界を指しています。手に粉が付く前に塗り替えを行うのが理想です。モルタルは特にチョーキング現象が確認しやすいのですが、中には確認が難しいサイディングも存在しますので、築年数と全体的な色褪せで確認しましょう。
またサイディングですので継ぎ目に『目地』が存在します。目地のコーキング材は塗膜よりも早めに経年劣化しやすい為、塗り替えの度に補修が必要となります。コーキング材は施工中はペースト状ですが、徐々に弾性が増し硬くなっていきます。完全に硬くなるとひび割れや隙間を生じやすくなり、雨水を浸入させる可能性が高くなります。現在は高耐久・高耐候性のシーリング材(オートンイクシード等)もございますので、塗装のタイミングで打替えると良いでしょう。既存コーキング材への増し打ち補修も可能ですが、既存シーリング材と同時に剥がれを起こす可能性もありますので、打替えをお奨めしております。
今回は棟板金交換・屋根塗装・雨樋交換を行っていきますが、まずは足場を組み近隣の方へのご迷惑とならないよう飛散防止用メッシュシートで対策をしていきます。単管を積んだ作業車は、1軒につきおよそ半日ほどお住まい近くに駐車することになります。前面道路の幅が狭い場合は予め近隣の方へご了承を頂き、駐車させて頂きますのでご協力の程宜しくお願い致します。足場にメッシュシートを取り付ければ塗装完了までお住まいの状態を確認することが出来ませんのでワクワクしますね!
雨樋は雑草が繁殖していた部分のみの交換を行います。既存の雨樋を取り外し、負担が掛かっていた留め金具も取り替えました。交換前と同じ形状の雨樋を取り付け、既存雨樋とズレがないか、雨水がスムーズに流れるか確認をおこない工事は完了です。
塗装前に棟板金の交換を行います。既存の板金と貫板と呼ばれる下地木材を取り外し、防水紙の釘穴を塞ぎます。新たな貫板を取り付けてから板金でカバーしていきます。今回は包み棟と呼ばれる一直線の板金に変更しています。補修を行っていない板金の継目もコーキング材は劣化していますので、コーキング補修で隙間を塞いで雨水の浸入を防いでいきます。
スレート屋根材は下塗りシーラーを2回塗りにし、下地調整を丹念に行いました。シーラーの役割は塗料の吸い込み止めと下地と塗料の接着剤です。しかし、傷みすぎている屋根材は1回塗りではまだ吸い込み止めが充分にできず、仕上げ塗料を塗った際にムラになってしまう事があります。下塗りを充分に行う事で最終的な仕上がりも綺麗になりますし、塗膜保護がしっかりと出来ます。下塗り後はひび割れの入っている屋根材をコーキング材で補修していきます。こう見るとコーキング材は住宅の様々な場所に使用されている事が分かりますね。コーキング材は劣化しやすい為、高耐久のコーキング材を使用すると屋根材の寿命を維持することにも繋がります。
板金部分は塗膜の劣化や傷が付くことで錆が発生し耐久性が低下してしまいますので、防錆塗料で錆の発生・進行を防いでいきます。雪止めや谷板金があるお住まいは、同様に錆止め塗料を塗っておきます。
今回使用する仕上げ塗料は日本ペイントのファインシリコンベストのモスグリーンです。従来よりも耐UV性・耐候性を強化していますので、長期にわたって屋根材を保護してくれるシリコン系塗料です。防藻・防カビ性も備えた艶有塗料ですので、ピカピカな屋根材に蘇ります。全24色ございますので、お住まいの雰囲気や外壁の色を踏まえたうえでお客様のご希望に仕上げましょう。
仕上げ塗料による中塗りです。透明色で分かりにくいのですが下塗りシーラーを充分に行っている為、発色性の高いファインシリコンベストがしっかりと屋根材に密着していきます。通常スレート屋根材を塗装する際には、毛細管現象を防ぐ為に縁切り専用部材「タスペーサー」を差し込んでいきます。しかし今回の様にランダム形状やスリットの入った屋根材は割れやすくなるため、使用しません。ちなみにタスペーサーを取り付けるタイミングは下塗り後になります。
ファインシリコンベストで塗装することによって、色褪せや汚れの付着が目立っていたスレート屋根材は見違えるように綺麗に仕上がりました。艶は撥水性も高めますので雨水の吸水も防ぎ、屋根材自体の耐久性を維持することが出来ます。塗装メンテナンスは雨漏りを起こさない限り行う事が出来ますので、屋根の状態を確認してからメンテナンスを行いましょう。
屋根塗装の点検・お見積り、塗料に関するご質問がございましたら、お気軽に街の外壁塗装やさん千葉本店へご相談ください。塗料の性能や屋根材の特徴も合わせ補修のご提案をさせて頂きますのでよろしくお願いいたします。
記事内に記載されている金額は2021年10月13日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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