千葉市緑区のお客様からのご相談です。
近所で工事をしている業者から「屋根が割れている」と指摘を受けた事で、住宅リフォームをご検討されたようです。
今回、屋根はもちろん外壁の状態確認と、以前から考えられていたフェンスの取り付けに関してのご相談を頂きました。
ビフォーアフター
工事基本情報
点検の様子
屋根が割れていると聞くと、「雨漏りを起こしているかも」「すぐにでもどうにかしなくては」と焦って補修を考えてしまいますが、まずは落ち着いて今の状況を確認する必要があります。
というのもスレート屋根の場合、屋根材が割れている住宅は意外にも多く見かけます。しかし、雨漏りを起こしているのかというとそうではありません。
これは屋根材が雨漏りを防いでいるのではなく、屋根材の下葺き「防水紙」が雨の浸入を止めているのです。
また屋根のどこを指しているのかによっても対応は大きく異なりますので、早速点検をしてみましょう。
スレート屋根の破損状況を確認するため上ってみますが大きく割れたような箇所は見当たりません。
今の段階で雨漏りを引き起こすような状態ではありません。が、塗膜の劣化や棟板金の錆を見る限り、塗装メンテナンスは必要だと感じます。
新築時には材料に防水性を持たせる為に屋根・外壁ともに表面塗膜があります。しかし、価格を抑えるためにそれほど高耐久の塗料が使用されていることはほとんどありません。
通常の塗り替えは10年程度で勧められますが、新築から初めての塗装メンテナンスは5~8年程度が望ましいといわれています。
屋根の塗膜が劣化することによって、コケやカビが屋根材に付着し緑や赤へ変色します。この段階では見栄えは悪くなりますが、それほど大きな影響はありません。
しかし、苔は屋根を流れる雨水を吸収し水捌けを悪くし、さらに苔の繁殖を進めます。すると塗膜を破って苔が広がり、屋根材の防水性を低下させます。
スレートの素地が露出し水分を含むと晴れた日に乾燥し、屋根材に浮きや反りがみられるようになっていきます。割れやすく傷みやすくなるため、この状態を放置すると塗装ではなく、屋根葺き替えや屋根カバー工法で補修しなくてはならなくなります。
棟板金は特に色褪せが目立ち、傷がついた箇所は錆まで発生しているため、交換をし錆の拡大を抑えた方が良いでしょう。
近年、建物が密集しているので、窓を開けたらすぐに隣の住宅がある…という住宅も多いですよね。
カーテンを開けるのも…という住宅に天窓(トップライト)を設置して採光を取り入れる方法が人気です。天窓にももちろんメンテナンスは必要です。
およそ20年の寿命とも言われていますので、リフォームの際に交換や補修、もしくは撤去等を検討する必要があります。
天窓のサッシ周りにシーリングを打設することによって雨水の浸入を防いでいます。シーリングはおよそ5年程度で劣化し始めていきますので必ず定期的な点検をしていきましょう。
棟違い屋根は外観を見るだけでは大変お洒落ですが、納まりが複雑で雨漏りを起こす原因にもなりえます。
そのため取り合い部分にある屋根、板金、破風板、軒天は特にメンテナンスをし腐食が起きないようにしていきたい所です。
屋根に落ちている粉のようなものは破風板の塗膜の剥がれです。軒天の表面も剥がれ、傷みやすい状態になってしまっています。
下屋の確認です。白く薄い物がありますが、おそらく先ほど見た軒天の剥がれたベニヤです。そして「屋根が割れている」という指摘は軒天のことを指していたのでしょう。
屋根にこそ破損はありませんが、棟板金補修や塗装は必要ですので施工箇所の採寸をしていきます。
図面がある場合は確認しながら見ていきますが、図面がない場合は実寸を行いますので点検時間を少々長くいただくことがあります。
外壁塗り替えのサイン
屋根補修はもちろんですが、2階軒天の補修工事を行うため足場の仮設が必須です。足場仮設は15~20万円程度と決して安いものではないため、可能な限り、1度の足場でさまざまなメンテナンスを終わらせておきたいですよね。
屋根外壁の塗装を同時に行うことで印象も大きく変わり、次回のメンテナンスも同時に出来るメリットがあります。
外壁も屋根と同じく、汚れや苔の付着・色のくすみが塗装の目安です。住宅を見た時にぼやけた印象をもったり汚れが気になる場合は塗り替えを検討しましょう。
外壁に錆びる素材の物が設置されているときは苔やカビだけでなく、錆も見栄えを悪くさせます。
塗膜が摩耗しチョーキング現象を起こすことによって汚れ等は付着しやすくなってしまいます。外壁の塗膜の劣化を判断するのはとても簡単です。
まず見たままの様子、そして手で触った時に白い粉が付けば塗膜がすでに役割を果たせないというサインです。
外壁材によってチョーキングが起きにくい材料もありますので、築年数やくすみを見て工事を検討していきましょう。
外壁の塗装の際には軒天や雨どいといった付帯部の塗装も行っていきます。あまり意識をしながら生活をする事はありませんが、付帯部は住宅を囲うようにありますので、住宅の印象を大きく変えます。
例えば雨どいが白い場合は柔らかな印象になりますし、黒や茶の場合は引き締まった印象を与えます。
今まで白い雨どいを黒色に塗ることでまた住宅のイメージがガラリと変わりますので、先入観に捉われずに色を決めていくのも楽しいかもしれません。
屋根のすぐ下には鼻隠しや破風板と呼ばれる部分があります。主に雨どいが取り付けられる部分が鼻隠し、妻側が破風板と呼ばれます。近年はガルバリウム鋼板等の頑丈な素材を使っている住宅もありますが、木材が多い印象があります。
木材は水分を含むと腐食するため、常に塗膜に保護されていなければなりません。
雨どいと同じく住宅を囲っているのは基礎上の水切りです。金属素材が使用されている為錆が発生しています。
細かな部分を塗り替えることで住宅は築年数を感じさせない仕上がりになります。
フェンスの設置を検討している植栽部分です。植栽は柔らかな印象だけでなく、目隠しとしても役立ちます。夏の暑い時期には木陰としても利用できるため、フェンスか植栽で悩まれる方もいらっしゃると思います。
今回は思い切ってフェンスへの取り替えを行いますので、植栽の伐採とフェンスの高さ・種類の打ち合わせを行っていきます。
フェンスに取り替えることで敷地内のスペースの拡大と、草木の手入れが必要なくなります。
外壁の近くに植物があることによって苔の発生にも繋がりますので、外壁を綺麗に維持するにも一つの手かもしれませんね。
カラーシミュレーション
補修と塗装工事をするにあたり、気になるのは最終的な仕上がりです。弊社ではカラーシミュレーションを作成し、お客様のご要望に沿ったイメージをご提案致します。
一般的に玄関側や一番多く見られる角度で作成することが望ましいのですが、植栽の影になっており、ほとんど家が見えませんでした。
そこで角度を変えて再作成、シミュレーションのメリットは普段挑戦しない色に簡単に変えることが出来る点です。1色でも数色での作成も可能ですのでぜひ「こんな色が見てみたい!」をお聞かせください。
2色を幕板(1階と2階を区切る部分)を境に分けました。2色での塗装の際には上下で大きなギャップが出ないように、同系統の濃淡にすると綺麗にまとまります。
左画像は付帯部を白に、右画像はこげ茶色でこれだけで雰囲気が変わりますね。
カラーシミュレーションで大まかな色が決まってくると見本板を取り寄せ実際に色を確認していただきます。
施工の様子
施工方法・工期等の打ち合わせを重ねてから工事に取り掛かります。
まずは工事の際に車の出入り、騒音が発生するためご近所の方々へご挨拶に伺います。後々の近隣トラブルを発生させないようしっかりと対応させていただきますのでご安心ください。
足場仮設の前に植栽を伐採していきます。今回はすべて伐採する予定ですが、足場を設置する際にどうしても伐採しなければならない植栽がある場合は、打ち合わせの段階で予めご了承を頂きます。
木は根本で切ってから根株に穴を開け薬剤を注入していきます。植栽の処分、清掃を行い綺麗に整えていきます。
まだ植栽を伐採しただけにも関わらず一気に開けた印象になりましたね、今後の塗り替えにわくわくします。
外装リフォームのために足場の設置です。一般的に足場仮設には半日程度いただいております。規模によって短くも長くもなりますが、その間、ハンマーで叩く音が発生します。
仮設後は塗装の汚れと塗料飛散防止にメッシュシートを取り付けます。
屋根補修工事
屋根の補修工事から行っていきます。まずは天窓(トップライト)の撤去です。撤去といっても取り外して終わり!といった簡単な工事ではありません。天窓は屋根材の前に施工されている為、外すためにも屋根材を剥がしてからでないといけません。
そして屋根材は頂点に向かって重ねていますので、実際には天窓のある面はまとめて剥がさなければならないほど工事範囲は広がります。
屋根材を剥がし天窓を撤去する際には、屋根に穴が開くということですので室内に埃が落ちてしまいます。施工の前には室内に十分な養生は必要になることも覚えておきましょう。
天窓のあった部分は合板でしっかりと穴を塞ぎ、雨水が浸入しないように防水紙の設置、そして屋根材を葺き直していきます。
部分的な葺き直しですので、既存と同じくコロニアルを使用します。剥がした手順と同じように軒先から棟に向かって専用釘で止めていきます。
新規の屋根材を使用していますので本来であれば塗装は必要ありませんが、全体塗装を行う際に色違いになってしまいますので後ほど塗装を行っていきます。
錆びた棟板金は全て交換です。下地となる貫板は雨水の浸入によって、腐食していたり割れていることがありますので、板金交換に合わせて取り替えていきます。
木材の今後の耐久性を考えて樹脂製の貫板を使用することも可能ですのでご相談ください。
棟板金取り替え後です。固定は釘ではなく錆びにくいステンレス製(SUS)のビスを使用しています。シーリングで隙間を防ぐことで雨水の吹き込みを防ぐことが出来ます。
色が違っていてもこの後に屋根材と塗装をしていきますので問題ありません。
破風板は腐食しやすい部分になる為、塗装よりもメンテナンスが必要ない板金でカバーしていきます。板金カバーは既存の木材に重ね貼りをしていくため、取り替えのような大規模な補修を必要としません。
塗装の方が安価に仕上がりはしますが、素材が木材の場合塗装は何回か重ね塗りをしなくてはならない、腐食によっては綺麗に仕上がらない、また数年後に剥がれや色落ちがみられるようになるといったデメリットがあります。
そのような問題を根本的に解決するのが板金カバーです。若干費用は高いのですがランニングコストを抑えるには非常に有効です。
軒天補修
剥がれた軒天の補修です。以前はベニヤの使用が多かったのですが傷みやすい為、ケイカル板や鋼板での施工が増えてきました。
軒天は湿気を溜め込みやすい場所でもあり、補修に足場の設置を必要とすることが多いので、より強い建材での施工をお勧めいたします。
今回はケイカル板で増張り施工を行っていきます。
ケイカル板は腐食しにくい特徴を持っているので軒天の施工にはうってつけですが、吸水性が高いため施工後の塗装は必要です。
足場の上で頭上の施工をする軒天はDIYでの補修では不可能です。軒天に穴が開いてしまうと鳥が小屋裏に巣を作るということもありますので、早めに補修を行っていきましょう。
塗装工事
補修すべき箇所の工事が終わり次第、塗装メンテナンスを行っていきます。まずは屋根から下に向かって高圧洗浄を行います。
家庭用の高圧洗浄機よりも水圧の高い機械で、汚れをそぎ落とすイメージで綺麗にしていきます。洗浄には1日頂いていますが、仮に早く終わったとしてもしっかりと乾燥させてからでないと塗装は行えません。「塗装工事が4.5日で終わると聞いた」とお客様から伺う事がありますが、一般住宅の場合でも約10日~2週間程度かかります。それは屋根外壁共に3回塗りで、すべて乾燥してからでないと次の作業に入れないからです。
4.5日で終わるような場合、作業行程を抜いている・乾燥をさせていない可能性がありますので、どのような作業進捗で行うのか確認もしておきましょう。
屋根は下塗り後にタスペーサーで縁切りすることで、スレート屋根で起きる毛細管現象の発生を防ぐことが出来ます。
使用塗料はファインシリコンベストのダークチョコレートです。艶あり全24色ですので、外壁に合った色をお選びいただけると思います。
塗装をすることによって屋根材の表面に強固な塗膜が形成されます。雨が降っても吸水することなく弾き、屋根材を保護することが出来ます。
外壁塗装工事も日本ペイントのパーフェクトシリーズで3回塗りをしていきます。モルタル外壁の場合は大きなクラック(ひび割れ)は補修し、フィラー等の適切な下塗りを使用することで、ひび割れの再発を防ぐことが出来ます。
中塗り・上塗りにはND-281(2階部分)とND-250(1階部分)の2色で塗り分けを行います。
パーフェクトトップはシリコングレード以上の耐候性を持つ塗料で、色は日本塗料工業会の色見本帳から選ぶことが出来ます。また、仕上がりの艶は艶有・7分艶・5分艶・3分艶・艶なしとお好みで選択することが可能です。
実は、塗料の性質上このように仕上がりの艶を選ぶことが出来る塗料は少なく、塗料によって艶が決まっていることがほとんどです。
艶有は車のワックスをかけた後のような輝き、艶なしは新築のようなマットな質感を与えます。また、艶有は3年程度から艶感が落ち着いてくるため、変化も楽しめそうですね。
付帯部はファインSi、色はトリノブラウンです。屋根のこげ茶に合わせ付帯部も白色から大きく変更です。
2色の間の幕板を濃く仕上げることによって、1.2階にメリハリがありますね。木材は塗料を吸い込む為、基本的には3回塗りですが仕上がるまで塗り重ねていきます。
傷みがひどい場合は仕上がった後に色むらが発生することがありますので、点検の段階で見極めていきます。
雨どいは表面がつるつるしているので、そのまま塗装をしても塗料の密着力が悪く剥がれやすくなってしまいます。塗膜を長期的に維持するために、塗装前にペーパー掛けを行い無数の傷を作っていきます。傷に塗料を塗りこむことによって付着する面積を広げ密着性を高めます。
雨どいは劣化しないと思われがちですが、紫外線により色褪せだけでなく素材自体が硬くなり割れやすくなりますので、塗装をするだけで寿命を延ばすことが出来ます。
軒天は明るい色にすることで、住宅全体の印象が柔らかく見えます。
以上で屋根外壁塗装は完了です。
屋根は雨漏りを防ぐ重要な部分です。補修工事を怠ると雨漏りを起こし室内へ腐食を招く恐れもあります。全体メンテナンスとしては塗装がもっとも安価に出来ますので、葺き替えやカバーが必要になってしまう前に定期的な工事を行っていきましょう。
1階と2階の塗り分けを行った外壁です。今まで1色のみでしたが、2色にすることで同じイエロー系でも新鮮さが増します。
普段見ている分変化には気づきにくい外壁ですが、塗り替えを行うことで新築の様な印象を与え、帰宅が楽しみになりそうです。
フェンス設置工事
足場解体後にフェンスの設置工事を行っていきましょう。擁壁の幅が十分にある場合はコア抜きでフェンスを取り付けることも可能ですが、今回はフェンスブロックを使用し敷地内に納まるように取り付けていきます。
LIXILのセレビューフェンスRP3型は、木調の太い横ラインが入ることによって正面からの目隠し率は91%と、スタイリッシュなデザインながらプライバシーを守ることが出来ます。
高さも60㎝、80㎝、100㎝と選択できますが、既存のフェンスと合わせることで違和感がない設置が出来ました。色はクリエダークを使用しています。
お客様との立ち会い検査と清掃を行い工事は完了です。今まで気になっていたフェンスの設置と住宅の補修をまとめて行うことで、新築の頃のように生まれ変わりました。
塗装をするだけで住宅は保護だけでなく印象も変わり、気分も明るくなりますよね。
街の外壁塗装やさんは塗装はもちろんですが、塗装前の補修や外構工事も承っております。一度の補修でお悩みが解決すると安心ですよね。
点検・お見積りは無料ですので、そろそろ…と考えられている方、費用は?と気になる方も是非ご相談くださいませ。
記事内に記載されている金額は2019年12月05日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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