
「近所で工事をしている業者から、屋根が傷んでいるので塗装したほうがいいと言われました。本当にメンテナンスが必要なのでしょうか?」
今回、藤枝市のお客様からいただいたお問い合わせは、このような内容でした。
近年、このようなご相談は決して珍しくありません。実は今回のお問い合わせをいただく前後にも、当社で塗装工事をさせていただいたOB様から、
「近くで工事をしているという業者が突然来て、屋根が傷んでいるから補修させてほしいと言われた」
というご相談が立て続けに数件寄せられていました。
悪質な訪問販売業者は、不安をあおって契約を急がせるケースも少なくありません。そのため、「まずは安心していただくことが大切」と考え、できるだけ早く現地へお伺いしました。
使用材料
外壁:リファイン1000SiーIR(レモン) 屋根:シルキーG2 (カバー工法)

現地に到着すると、お客様には
「最近このような営業をする業者が増えていますので、おそらく大丈夫だと思いますが、一応しっかり確認してみますね。」
とお伝えし、建物調査を開始しました。
まずは高所点検用カメラで屋根を確認します。
すると、予想とは違い、屋根の表面が層状にはがれている「層間剥離(そうかんはくり)」が確認できました。
これは塗膜が剥がれているのではなく、屋根材そのものが内部からはがれてしまう症状です。
経験上、この症状を見ると、ある屋根材が頭に浮かびます。
それが「パミール」です。
後日、安全を確保したうえで実際に屋根へ上がって確認したところ、パミールのデザインの特徴である屋根材に薄く入っている縦のラインが確認できたため、層間剝離をおこしている事、先端の凹凸が等間隔であることと合わせて、パミールであることが確定しました。
余談ですが、屋根がパミールであることが疑われる場合は、屋根へ上ることはあまりお勧めできません。
製造時期によっては、パミールを止めている釘に腐食しやすいものが使われている可能性があり、屋根を歩くと屋根材が抜けてしまい転んだり、最悪の場合転落するリスクがあるからです。

パミールは、2000年前後にアスベストの使用が禁止された初期に販売された「ノンアスベスト屋根材」の一種です。
ノンアスベスト自体が悪いわけではありません。
しかし当時は各メーカーが試行錯誤していた時代でもあり、一部の屋根材では耐久性に課題が残る製品が存在しました。
パミールはその代表例で、屋根材が内側から層状にはがれてしまうため、いくら表面を塗装しても屋根材自体の劣化は止められません。
つまり、塗装をしても根本的な解決にならず、費用だけが無駄になってしまう可能性が高い屋根材なのです。
14年前の塗装がここまで持ったのは本当に驚きでした

お客様のお話では、約14年前に屋根と外壁の塗装をされていました。
正直なところ、パミールの屋根の塗装が14年間ここまで状態を維持できていたことは、私たちの経験から見ても非常に珍しいケースでした。
層間剝離が発生していたり、下地の野地板にも痛みが確認できたため限界は迎えていましたが、前回施工された業者さんの施工品質が良かったことも影響していたのかもしれません。
今回は塗装ではなく、屋根全体を新しい屋根材で覆う「カバー工法」をご提案させていただきました。
カバー工法とは、既存の屋根を撤去せず、その上から新しい屋根を施工する工法です。
廃材が少なく、工期や費用を抑えながら耐久性を大きく向上できる方法として、多く採用されています。
外壁はまだ数年使える状態。でも同時施工をご提案した理由
続いて外壁を調査すると、屋根ほど傷みは進んでいませんでした。

塗膜の劣化が始まり、コーキング(外壁の継ぎ目を埋めるゴム状の防水材)にもひび割れが見られる状態です。
外壁だけを考えれば、あと数年後の塗装でも問題ないレベルでした。
しかし、屋根のカバー工法には必ず足場が必要です。
数年後に再び外壁塗装のためだけに足場を設置すると、その分の費用が重複してしまいます。
そのため、お客様には長期的なコストを考え、今回一緒に外壁塗装も行うことをご提案しました。
結果的にトータルコストを抑えながら、建物全体を長期間安心してお使いいただける計画となりました。
工事は足場を設置し、高圧洗浄から始まります。
屋根は塗装をしませんが、カバー工法では既存屋根の上に粘着性の高い防水シート(ルーフィング)を施工するため、汚れを落としておくことが重要です。
ただし、パミールの場合は洗いすぎてしまうと屋根材自体が脆くなっており吹き飛んでしまうため、加減の調整に気を使います。
外壁も長年蓄積した汚れやチョーキング(塗膜が粉状になる劣化)を丁寧に洗浄し、塗料がしっかり密着する下地を作りました。

コーキング工事では、既存のコーキングを撤去したところ、本来必要な「ボンドブレーカー」が施工されていませんでした。
ボンドブレーカーとは、コーキング材が適切に伸縮できるようにするためのテープです。
写真の緑色のテープがボンドブレーカーになります。
これが無いと「3面接着」という状態になり、建物の動きに追従できず、早期にひび割れる原因になります。
そこで急遽ボンドブレーカーを施工し直したうえで、新しいコーキングを充填しました。
また、外壁には欠けている部分もありましたので、パテで形を整えてから塗装を行いました。
こうした下地処理は完成後には見えなくなりますが、塗装の耐久性を左右する非常に重要な工程です。

外壁にはアステックペイントの「リファインSi」を採用しました。
このリファインシリーズは塗装表面の温度が上がりにくくする「遮熱機能」と無機顔料を使用することによる「色あせにくさ」を兼ね備えています。
また、何と言っても最大の特徴は汚れの付きにくい「低汚染機能」。
多くの外壁用塗料にはこの「低汚染機能」がついていますが、それら塗料の中でも汚れにくさはトップクラスを誇ります。

今回のお宅では、シーラーという下塗り材を塗布し、その後上塗りを2回行う3工程で施工しました。

樋は2回塗り。
鼻隠しは窯業系素材だったため、外壁同様に下塗りを含めた3回塗りで耐久性を高めました。

屋根工事では、まず唐草の設置から始めます。
唐草とは屋根の端部の見切り板金のことです。

その後、ルーフィング(防水シート)を全面に施工し、防水性能を高めます。

続いて新しい貫板を取り付け、新しい屋根材を施工し、最後に棟板金を取り付けて完成です。
今回、屋根調査時に気が付いたのは、屋根の下地である野地板が湿気の影響で若干傷み、歩くと少したわむ状態だったことです。
通常であれば野地板へビスを固定しますが、この状態では固定力が十分得られない可能性があります。
そこで当社では、野地板のさらに下にある構造材「垂木(たるき)」を狙ってビスを固定しました。
これにより十分な固定強度を確保し、野地板を張り替える大規模工事を行うことなく、安全性と耐久性を両立する施工を実現しました。
現場ごとに状態を見極め、マニュアル通りではなく最適な施工方法を選択することも、職人の大切な役割だと考えています。
「訪問販売で屋根が傷んでいると言われた」そんな時こそ慌てないでください
今回のお客様は、訪問販売業者の一言がきっかけでお問い合わせくださいました。
結果としてメンテナンスは必要な状態でしたが、すべての訪問販売業者が正しいとは限りませんし、逆にすべてが嘘というわけでもありません。
だからこそ大切なのは、その場で契約することではなく、信頼できる地元業者に診断を依頼することです。
街の外壁塗装やさん静岡焼津店では、本当に必要な工事だけをご提案することを大切にしています。
訪問販売業者から屋根や外壁の劣化を指摘され、不安を感じている方は、お気軽にご相談ください!
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記事内に記載されている金額は2026年07月09日時点での費用となります。
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