調査を行った建物は築35年程経過した建物になります。使用されている外壁材はALCパネルになります。
ALCパネルとは珪石、セメント、生石灰、発泡剤のアルミ粉末を主原料とし、高温高圧蒸気養生という独自の製法により作られた軽量気泡コンクリート建材です。軽さと強度、断熱製を持ち合わせた近代建築で多く使用されている建材となります。
外壁に格子状の継ぎ目が全体的に生じているのがALCパネルが使用されている建物の特徴になります。
外壁の目地や、その周辺には無数のひび割れが生じておりました。
規格寸法に製造されたパネルを組み合わせて使用しているためこのように継ぎ目が多く発生します。建築時にこちらの継ぎ目にはシーリングといった防水材が充填されますが、経年劣化や建物の振動により剥離や割れが生じてしまうと雨が吹き付けた際に雨水の浸入口となり雨漏りを引き起こしてしまいます。
2階のベランダを確認しました。ベランダは防水層の上に保護モルタルを形成し仕上げが行われておりました。雨漏りの位置関係を確認するとベランダ床面からの雨漏りではなく、排水ドレンの近くで不具合が発生していると思われました。
築年数が経過し、建物の揺れや接着剤の劣化により排水口のジョイントがズレてしまい漏水に繋がる場合があります。
記事内に記載されている金額は2023年11月17日時点での費用となります。
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