江戸川区南小岩にて賃貸用の戸建て住宅の屋根塗装を行いましたのでその様子をご紹介したいと思います。
賃貸用の戸建て屋根の塗装については、いくつかの重要な点を考慮する必要があります。
まず、屋根の種類によって塗装の必要性が異なります。金属屋根、特にトタン屋根の場合は、定期的な塗装が重要です。トタン屋根は10年から15年に一度の塗装が推奨されており、これにより錆の発生を防ぎ、屋根の寿命を延ばすことができます。
一方、スレート屋根の場合は状況が異なります。スレート屋根の塗装は、屋根の機能維持という観点からは必ずしも必要ではありません。実際、塗装をしても屋根の機能は変わらず、雨漏りの解消にもつながりません。むしろ、塗装費用を将来的に必要となる屋根カバー工法や葺き替え工事の資金として残しておく方が賢明かもしれません。
塗装を行う場合、その期間は通常2週間程度です。ただし、外壁の面積や屋根塗装の有無、天候、作業する職人の人数などによって前後します。塗装作業は通常、下塗り、中塗り、上塗りの3段階で行われ、各段階で十分な乾燥時間が必要です。
また、外壁と屋根を同時に塗装することで、足場の設置費用を節約できる可能性があります。一戸建ての場合、足場の設置費用は20〜30万円前後が目安となります。
しかし、注意すべき点もあります。2000年前後に製造されたノンアスベストのスレート屋根には塗装を行うべきではありません。また、屋根の耐久性を高めたい場合は、塗装よりも換気棟の設置を検討する方が効果的かもしれません。換気棟は屋根裏の湿気を外に排出し、屋根の下地や防水シートの劣化を遅らせる効果があります。
最後に、賃貸物件の場合、塗装による美観の向上が入居率や賃料に影響する可能性もあるため、経済的な観点からも検討する必要があります。
スレート屋根の塗装における高圧洗浄
スレート屋根の塗装において、高圧洗浄は非常に重要な工程です。この作業は、塗装の耐久性と効果を最大限に引き出すために欠かせません。高圧洗浄の主な目的は、屋根表面に付着した苔やカビ、汚れ、そして古くなって浮いている塗膜を徹底的に洗い流すことです。これにより、新しい塗料が屋根材にしっかりと密着し、後の剥がれや膨れを防ぐことができます。
しかし、スレート屋根の高圧洗浄には注意点があります。特に、薄型化粧スレート(カラーベスト)の場合、一度の高圧洗浄だけでは不十分です。洗浄中に飛び散った汚れもしっかりと洗い流す必要があります。また、洗浄後は最低1日以上の乾燥時間が必要で、冬場ではさらに長い乾燥期間が必要となる場合もあります。
高圧洗浄機の選択も重要です。業務用のエンジン式で、最大水圧が10MPaから15MPa程度のものが理想的です。また、トルネードノズルを使用することで、節水しながら洗浄力を上げることができます。
ただし、スレート屋根の高圧洗浄には重大な懸念事項があります。特に2000年以前に製造されたスレート屋根には、アスベストが含まれている可能性があります。高圧洗浄によってアスベストが飛散する危険性があるため、十分な注意が必要です。
アスベストの飛散を防ぐためには、専門家による事前の調査や適切な対策が不可欠です。場合によっては、高圧洗浄を避け、別の方法でのメンテナンスを検討する必要があるかもしれません。
最後に、高圧洗浄の後は適切な乾燥期間を設けることが重要です。乾燥が不十分だと、新しい塗膜の剥がれやめくれの原因となる可能性があります。したがって、天候や気温などの条件を考慮しながら、十分な乾燥時間を確保することが大切です。
下塗りでシーラーを使うこと
スレート屋根の塗装において、シーラーを使用した下塗りは非常に重要な工程です。シーラーは特殊アクリル樹脂やエポキシ樹脂を主成分とした1液タイプの下塗り材で、スレート屋根の塗り替えに最適な特性を持っています。シーラーの主な利点は、その優れた浸透性にあります。屋根材に深く浸透することで「くさび効果」が得られ、脆弱なスレート素材の表面を補強し、強度を高めます。これは特に経年劣化したスレート屋根に効果的です。また、シーラーは基材表面配向性があり、上塗りとの付着性が良好で、上塗りの吸い込みを抑え、仕上がりの美観を向上させます。
さらに、シーラーは耐水性・耐アルカリ性に優れているため、屋根の耐久性を高めます。1液タイプのシーラーは取り扱いが容易で、弱溶剤系のため臭気がマイルドなのも特徴です。
シーラーの塗布方法は、はけ、ウールローラー、エアレススプレーなどで行い、通常は希釈せずにそのまま使用します。使用量は0.15〜0.30 kg/㎡/回程度で、14kgの缶で約46〜93㎡の面積を塗ることができます。
乾燥時間は気温によって異なりますが、23℃の場合、指触乾燥は約20分〜50分、塗り重ね可能時間は3〜4時間以上となります。ただし、劣化が激しい場合は1回では効果が不十分なこともあるため、2回塗りを行うことで本来の効果を発揮させることができます。
シーラーを使用することで、スレート屋根の耐久性が向上し、上塗り塗料との密着性が高まり、長期的な塗装の品質を確保することができます。これにより、屋根の寿命を延ばし、メンテナンス頻度を減らすことができるため、経済的にも有利な選択肢となります。
屋根の塗装にタスペーサーを使う
スレート屋根の塗装においてタスペーサーを使用することは、非常に重要な工程となっています。タスペーサーは、屋根材同士の重なり部分に挿入される板状の道具で、塗装後も屋根材間の隙間を確保する役割を果たします。この隙間の確保は、雨水の排出と通気性の維持に不可欠です。スレート屋根には元々数ミリの隙間があり、これが水分の排出と通気を助けています。しかし、塗装を行うとこの隙間が塞がれてしまう可能性があり、それが雨漏りの原因となる恐れがあります。
タスペーサーを使用する利点は多岐にわたります。まず、従来の手作業による縁切り方法と比べて作業時間が大幅に短縮されます。通常、2人で丸1日かかっていた作業が、タスペーサーを使用すれば1人で2時間程度で完了します。これにより、工事期間の短縮と人件費の削減が可能となります。
また、タスペーサーは塗装の仕上がりの品質向上にも貢献します。従来の方法では塗装後に屋根の上を歩いて縁切りを行う必要があり、足跡や屋根の破損のリスクがありました。タスペーサーを使用すれば、塗装後に屋根の上を歩く必要がないため、これらのリスクを回避できます。
タスペーサーの使用方法は比較的簡単です。通常、下塗りが乾燥した後に屋根材の重なり部分に挿入します。標準的なスレート屋根材(約910mm幅)の場合、左右それぞれ15cmのところに挿入します。下塗り後に挿入する理由は、塗料によってタスペーサーが溶けてしまうのを防ぐためです。
費用面では、タスペーサーを使用した縁切りの費用は30坪の住宅で3〜5万円程度、1平方メートルあたり約450円となります。この追加費用は、作業効率の向上と仕上がりの品質を考慮すると、十分に価値があると言えるでしょう。
最後に、タスペーサーの使用は特にスレート屋根を初めて塗装する場合や、仕上がりの美しさを重視する場合に適しています。塗膜の剥がれや足跡による見栄えの悪化を防ぎ、より完成度の高い屋根塗装を実現することができます。
スレートの塗装の上塗り
スレート屋根の塗装における上塗りは、塗装工程の最終段階であり、屋根の美観と耐久性を決定づける重要な工程です。上塗りに使用される塗料は、主にウレタン系、シリコン系、フッ素系、無機系の4種類があり、それぞれ耐久性と価格が異なります。ウレタン系塗料は比較的安価で、5〜7年程度の耐久性があります。シリコン系はウレタンよりも耐久性が高く、7〜10年ほど持ちます。フッ素系はさらに高耐久で10〜15年、無機系は最も耐久性が高く15〜20年以上持つとされています。塗料の選択は、予算と希望する耐用年数を考慮して行うことが重要です。
上塗りの塗装方法には、吹き付け、ローラー、刷毛があり、それぞれの塗料や現場の状況に応じて適切な方法を選択します。一般的に、2回塗りが推奨されており、1回目の塗装後、適切な乾燥時間を置いてから2回目を塗ることで、より均一で耐久性の高い仕上がりが期待できます。
上塗り塗料の中には、防かび・防藻性能を持つものもあります。例えば、エスケー化研のヤネフレッシュは、特殊設計により優れた防かび・防藻性を発揮し、屋根の美観を長期間維持することができます。
また、上塗り塗料の選択時には、下塗り材との相性も考慮する必要があります。適切な下塗り材を使用することで、上塗り塗料の密着性が向上し、より長期間の耐久性が期待できます。
上塗りの際は、天候や気温にも注意が必要です。一般的に、気温が10℃以上で湿度が85%以下の日が塗装に適しています。また、強風や直射日光が強い日は避けるべきです。
最後に、上塗りの色選びも重要です。明るい色を選ぶことで、屋根の温度上昇を抑え、建物全体の省エネ効果につながる可能性があります。ただし、周辺環境との調和も考慮に入れる必要があります。
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記事内に記載されている金額は2024年12月23日時点での費用となります。
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