屋根塗装やウッドデッキ、鉄骨階段など、さまざまな場面でケレン作業が重要な役割を果たしています。この記事では、ケレン作業の意義や効果、そしてそれがどのように美しい仕上がりと長持ちさせるために役立っているのかを具体的な事例を通してご紹介します。木部、金属部への塗装を業者へ依頼する際はケレン作業の知識・必要性を十分に理解している業者へ依頼をすることが大切です。ケレン作業の重要性やどんな場面で使われているのかを知って、失敗のない木部・金属塗装をしましょう!
ケレンとは
ケレンとは、主に木材や金属部分(例えばトタン屋根や棟板金など)の塗装前に、汚れやさびを取り除く作業のことです。塗料が密着しやすいように、表面に故意に凹凸を作る「目粗し」という技術もケレンに含まれます。さらに、表面を整えることで、塗りムラが解消され、仕上がりが美しいものになります。ケレンが適切に行われない場合、見栄えが悪くなるだけでなく、塗装後わずか数ヶ月でさびが出たり、塗料が剥がれたりすることがあります。これは、塗料の密着力が低下することが原因です。
したがって、ケレンは絶対にスキップできない重要な工程であり、塗装作業全体の品質に大きな影響を与えます。適切なケレン作業を行うことで、塗料の耐久性が増し、結果的に塗装された木部・金属部の寿命が延びることにも繋がります。
木部のケレン作業
屋根や外壁塗装で多く使用される塗料は一般的に10年程度がメンテナンスの目安となりますが、木部への塗装では3~5年ほどで耐用年数の限界を迎える場合があります。古い塗膜が残っている状態で塗装をしても新しい塗料が弾かれてしまい、ムラができますし耐久性にも期待ができません。汚れや古い塗膜、荒れた部分を除去し、素地を整えつつ表面に目粗しを施すことで塗料が密着しやすくなり、美しい仕上がりが得られます。
金属部のケレン作業
金属部への塗装において弊害となるのはなんといっても錆です。劣化した塗膜や錆びの上から新しい塗料を施工しても長持ちさせられません。古い塗膜や錆びごと新しい塗膜が剥離する可能性があるからです。また金属部は表面がツルツルとしているため塗料の密着性に問題があるためやはり目粗しが有効となります。
施工事例ご紹介
ここからは、実際に街の外壁塗装やさんへご依頼をいただいたお客様の施工事例をご紹介させていただきます。
破風板
こちらの破風板では塗装が大部分剥がれ落ちていました。塗装が剥がれることで木材が腐敗し、交換等の工事が必要になることがありますが、お客様の家の破風板はそれほど劣化していない状態です。
最初にケレン作業を行い、古い塗膜を取り除きます。破風板の古い塗膜は状態が悪かったため、ケレン作業を進めると大部分の旧塗膜が剥がれました。下地となる木材も丁寧に整えます。
ウッドデッキ
木材が使用されている箇所と言えば”ウッド”デッキです。こちらのウッドデッキには古い塗膜や汚れが付着していたため、サンドペーパーを使用してケレン作業を実施しました。サンドペーパーの目が粗すぎるものや、過剰にケレンすると、ウッドデッキの表面を損傷させ、仕上がりに悪影響を与えるため注意が必要です。
シャッターボックス
こちらはシャッターボックス塗装の様子です。錆止め塗料を塗ってから仕上げ塗料を塗るのですが、錆び止め塗料を塗る前には必ずケレン作業を行います。
ケレンを行うことで、表面に目粗しを施し、塗料の密着性を向上させます。ケレン作業が完了した後、錆止め塗料としてハイポンファインプライマーⅡを塗布します。その後、仕上げ塗料であるファインSiを二度塗りし、シャッターボックスの塗装は完了です。適切なケレン作業と塗料の選択、塗り方によって、シャッターボックスの耐久性と美観が向上し、長期間にわたり劣化から守られます。
鉄骨階段
こちらはアパートの鉄骨階段の様子です。錆は踏板の両端の斜め部分に広がっており、強度面での問題はまだ発生していません。しかし、固定部分に錆が進行していることは、少々不安を覚える状況です。
錆を取り除くために、スクイーパー(皮すき)で錆を剥がすのではなく、削り取る方法を取りました。凹凸のある部分には、マジックロンを使用しました。これはナイロン不織布に研磨砥粒が付着しており、柔軟性があるため、狭い箇所や複雑な形状の部分の錆や古い塗膜を効果的に除去できます。
トタン屋根
屋根塗装の際もケレン作業は行われます。今回のトタン屋根は、経年による風化で塗膜が薄くなり、錆が発生し、塗膜が剥がれる部分も見られました。赤錆が出ている箇所も見られます。
このような状態を改善するために、浮いている塗膜や表面の錆を取り除くためのケレン作業が行われます。スクイーパーを使った手作業だけでなく、吊子部分にはサンダーが使用されました。瓦棒屋根の吊子の中は空洞であるため、スクイーパーで強くケレンすると変形の恐れがあるからです。
記事内に記載されている金額は2023年05月04日時点での費用となります。
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