外壁材として用いられるALCとコンクリート。どちらも耐久性が高い外壁材として有名ですが、見た目も似ていますし、具体的には何が違うのでしょう?本記事ではそんなALC外壁とコンクリート外壁それぞれの特徴を解説していきます。ALC外壁、コンクリート外壁を検討されている方は、ぜひご覧ください。
コンクリート外壁とは?
コンクリートは、セメントに水と砂、砂利を混ぜ合わせた建材です。この建材を型枠に流し込んで固めて成型するのがコンクリート外壁です。一般住宅ではあまり採用されませんが、デザイナーズマンション等の賃貸物件では、「打ちっぱなし」と呼ばれるコンクリートそのままの質感を生かした外壁が採用されることがあります。非常に優れた耐久性を発揮し、その耐用年数は60年以上とも言われます。しかしながら、非常に密度が高いために重量があり、その重さに耐えうるだけの強固な地盤が求められます。
ALC外壁とは?
ALC外壁とは、「軽量気泡コンクリ―ト」とも呼ばれるコンクリートの一種で、正規名称は「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」と言います。無数の気泡を含んだコンクリートをパネル状に成型し、組み合わせることで外壁を形成します。コンクリート外壁と同じく優れた耐久性を発揮しますが、内包される気泡のおかげで密度が減り、コンクリート外壁の弱点であった重量が改善されています。コンクリートと比較すると、重量は約1/4まで軽減されています。また、同じく気泡が作用し、コンクリートの10倍の断熱性を誇るとされています。
ALC外壁とコンクリート外壁の違い
ALC外壁とコンクリート外壁の違いには、以下ような点があります。
・重量
・断熱性
内部に無数の気泡を含んでいるため、ALCの方が高い断熱性を発揮します。性能差は10倍ともいわれ、明確な差があります。
・見た目上の違い
・費用
・重量
前述した通り、ALC外壁とコンクリート外壁の重量には大きな違いがあります。コンクリート外壁は、外壁材の中で最も重量があり、建物を支える地盤にも強固さが求められます。対してALC外壁は、内包される気泡の分、密度が下がり、コンクリートの1/4程度の重量になります。密度が下がった分、成型する際に金網や鉄筋マットを補強材として組み込むことで、耐久性を落さず軽量化しています。・断熱性
内部に無数の気泡を含んでいるため、ALCの方が高い断熱性を発揮します。性能差は10倍ともいわれ、明確な差があります。
・見た目上の違い
ALCとコンクリート外壁の違いは、見た目にも表れます。型に流し込んで固めるコンクリート外壁は、継ぎ目のない外壁を形成することが可能ですが、パネル状の建材を組み合わせるALC外壁は必ず継ぎ目が生まれます。継ぎ目にはシーリング材を充填することで、防水性を保つ必要があります。・費用
一般的には、性能の優れているALC外壁の方が施工費用が高くなります。
ALC、コンクリート外壁共通の特徴
性能面や見た目上の違いをご紹介しましたが、ALCとコンクリート外壁には、共通の特徴も数多くあります。メンテナンスにも関わってくる内容ですので、コンクリート外壁、ALC外壁のお住まいの方はぜひご参考ください。
防水性能が低い
どちらの外壁材も、原料はセメントになるため、水分を吸収してしまいます。吸水することで、クラックは爆裂といった劣化症状が起こってしまいますので、メンテナンスには注意が必要です。そのままでは水を吸って劣化してしまう両者は、塗装によって防水性能を発揮するため、本体の耐用年数とは関係なく、10~15年周期で塗装メンテナンスが必要になります。さらに、目地ができるALC外壁は、加えてシーリングの打ち替えも定期的に行う必要が出てきます。
高い耐久性は、これらのメンテナンスを定期的に行うことで十分に発揮されるため、メンテナンスを疎かにしてしまうと、耐用年数を待たずに外壁が劣化してしまいますので定期的なメンテナンスを心がけましょう。
ALC外壁のメンテナンス事例
こちらは、千葉県市川市にあるALC外壁のお住まいです。築10年程が経過し、外壁の汚れが気になってきたことをきっかけに、街の外壁塗装やさんへ外壁塗装をご依頼いただきました。
経年劣化の様子
外壁の汚れは軽微で、築年数を考えると綺麗な状態を保っていました。日当たりの悪い箇所では、わずかながら苔の発生も確認できたため、メンテナンス時期としてはベストなタイミングでした。多くの方が外壁の傷みを見落とし、メンテナンス時には大がかりな補修が必要になってしまいますが、今回のお客様はきちんとお住まいをチェックされていたため、メンテナンスコストを抑えることができました。
高圧洗浄→シーリング補修、下塗り
まずは高圧洗浄で表面の汚れや苔を落します。その後、ALC外壁のメンテナンスとして欠かせない目地のシーリング打ち替えを行い、下塗りを行っていきます。
中塗り、上塗り
下塗り塗料の乾燥を待ち、中塗り・上塗りを行って塗装を仕上げます。綺麗な艶ができ、良好な仕上がりとなりました。様々な角度から確認して塗りムラや塗漏れがないことを確認して、施工完了です。
まとめ
今回は、ALC外壁とコンクリート外壁の違いをご紹介しました。性能的には違いのある両者ですが、どちらも原材料がセメントということもあり、劣化症状やメンテナンスで気を付けたい点には共通点が多くあります。どちらも優れた外壁材ですので、採用を検討されている方は性能とコストのバランスを考えながら吟味されてください。
記事内に記載されている金額は2023年05月30日時点での費用となります。
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