タスペーサーって何?
タスペーサーとは、一般的には物理的な空間を作り出すために使用される道具や材料を指す言葉です。屋根塗装においては、下の写真のような5cmほどの小さな部材を指します。この小さな道具が、塗装業者を助ける心強い味方になっているのです。
タスペーサーの用途
タスペーサーはスレート屋根の塗装に用いられます。これにはスレート屋根の造りが関わっていて、スレート屋根は屋根材と屋根材が重なる部分に雨水を排出するための隙間が設けられています。排出するための隙間を設けないと屋根材の内側に雨水が留まり続け、腐食や雨漏りといった被害が起こってしまいます。スレート屋根を塗装する際、ただ塗装しただけでは塗料によって屋根材と屋根材の隙間が埋まってしまい、雨漏りの原因になるのですが、ここでタスペーサーの出番が来ます。タスペーサーの形状から想像がついている方もいらっしゃると思いますが、塗装の前に屋根材と屋根材の間にタスペーサーを差し込み、塗料で隙間が埋まらないように対策するのです。この作業を「縁切り」と言います。
タスペーサーが登場する前の縁切り作業
タスペーサーが登場したのは2001年頃で、それまでの縁切り作業はとても手間がかかる作業でした。塗装後に皮すきという金属製のヘラ屋根材の重なり部分の塗膜を切断し、隙間を確保していたのです。余計な箇所まで塗装が剥がれてしまったり、屋根材の小口部分を傷つけてしまうといったトラブルが起こりやすく、慎重に行う必要がある作業でした。それを広い屋根全体で行うわけですから、とても労力と時間のかかる作業でした。そんな環境の中で登場したタスペーサーは実に画期的でした。皮すきの様に鋭利ではないので屋根を傷つけず、塗装(中塗り・上塗り)前に差し込むだけですので塗装が剥がれる心配もないのです。縁切りにかかっていた労力と時間が圧倒的に軽減されました。
タスペーサーを用いた施工事例
ここからはタスペーサーを用いたスレート屋根塗装の事例を紹介します。千葉県四街道市にあるお住まいで、屋根・外壁ともに色褪せを感じ、メンテナンス時期を迎えたとのことで塗装工事をご用命いただきました。こちらのお客様のように不具合が起きていなくても、適切なタイミングでメンテナンスいただくことは住まいの長寿につながります。
夏に向け、快適に過ごせるようにとお選びいただいたのは日本ペイントの遮熱塗料「サーモアイSi」です。暑さのもととなる太陽光の紫外線を反射する効果があり、室内の温度が上がりにくくなります。
下塗り後、タスペーサーの挿入
下塗りを行った後、乾燥を待ってからタスペーサーをしっかりと挿入し、雨水の逃げ道を確保します。タスペーサーには適切な使用量が決められており、スレート1枚につき2つのタスペーサーを使用します。コストを削減しようとタスペーサーの数を減らすと、隙間が十分に確保できず、やはり雨漏りの原因になります。
仕上げ塗装
タスペーサーによる縁切りを行った後は、中塗り・上塗りという仕上げ塗装です。すっかり色あせてしまっていた屋根がツヤのある美しい屋根に生まれ変わりました。
記事内に記載されている金額は2023年06月08日時点での費用となります。
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