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ケレンとは?
「ケレン」は塗装における非常に重要な工程の一つで、塗装面の汚れや錆を落としたり、あえて塗装面に細かい傷をつけて塗料の密着性を上げる作業を指します。これには高圧洗浄機の使用や、さび落とし、古い塗料の剥離など、さまざまな技術が用いられます。ケレンにより、塗装面に適切な凹凸が施され、これがアンカー効果を生み出し、塗料の密着を強化します。このアンカー効果により、塗料は長持ちし、塗装された建物の外壁や屋根が長期間にわたり保護されるのです。ケレン作業は塗装の品質や耐久性を向上させるために不可欠で、特にリフォーム業において重要な役割を担っています。
英語の「clean(クリーン)」がなまってケレンと呼ばれるようになったそうです。他に「下地調整」や「素地調整」とも呼ばれます。「下地調整」と「素地調整」の違いは、塗装面がもともと塗装されているかどうかによって呼び分けられます。
ケレンの必要性と効果
ケレンが塗装前に必要な理由
建材の長期間にわたる保護と美観維持のため、ケレンは非常に重要な役割を果たします。時間の経過と共に、建材はさまざまな環境要因にさらされ、錆や汚れ、旧塗膜の劣化などが進行します。これらは塗料の密着性を低下させ、塗装の効果を損なわせる主な原因です。ケレンを行うことで、これらの問題を事前に解消し、新しい塗料が建材にしっかりと密着するための適切な下地を作り出します。ケレンによって塗装面の不純物や古い塗膜を取り除くことは、塗料が直接建材の表面と接触することを可能にし、アンカー効果(塗料が細かい傷に引っかかる現象)を促進します。これにより、塗装はより長持ちし、建材の寿命を延ばすことができます!また、ケレンは建材の隅々まで行われ、塗装面の凹凸や隅の部分にも注意を払い、不純物が残らないようにすることが重要です。
ケレンによる塗装の品質向上
ケレン作業を適切に行うことは、塗装の品質を格段に向上させます。良質なケレンは、塗料の密着性を高めるだけでなく、仕上がりの美観にも大きな影響を及ぼします。ケレンが不十分な場合、塗料は均一に塗られず、塗装面にムラや不均一な膜厚が生じる可能性があります。これは、外観上の問題だけでなく、塗膜の性能低下を招き、さらには早期の剥離やサビの原因となり得ます。塗料の性能を最大限に発揮させるためには、塗装を行う対象の建材をきれいにし、新しい塗料が適切に塗布されるようにすることが不可欠です。ケレンにより、塗料は建材の表面にしっかりと密着し、耐久性や防水性、防錆性などの機能を最大限に発揮できるようになります。
また、ケレンは塗装の寿命を延ばす重要な役割を持っています。ケレンの実施は塗料の寿命に大きな影響を与え、塗り回数よりも重要であるとされています。適切なケレン作業は、長期的なメンテナンスコストの削減にも寄与し、経済的なメリットもあるんですね。
ケレンは屋根材にとって必須の前処理作業であり、塗装の品質と持続性を大幅に向上させる重要なステップです。適切なケレン作業は、屋根の寿命を延ばし、建物全体の保護と美観を保つ上で不可欠なのです!
ケレンの種類
目的や使用する工具などによって、ケレンは大きく4種に分類されています。
第1種ケレン
第1種ケレンは最も大がかりで徹底した作業で、ブラスト処理や酸洗浄などを伴います。特に金属の腐食が激しい場合や、橋や工場などの規模の大きい建築物に用いられ、一般住宅ではまず用いられません。ちなみに、ブラスト処理とは細かい金属粉を塗装面に強く吹き付けて錆等を除去する工法です。専用の機械を使って高圧で吹き付けるので、周囲の養生やマスクの着用が欠かせません。費用も他のケレン方法に比べ高価で、一般家屋での実施例は少ないです。
第2種ケレン
第2種ケレンは、電動工具を用いて研磨する素地調整です。ディスクサンダーなどの工具にサンドペーパー等を取り付け、研磨します。1種ほどの大掛かりな作業は不要でも、錆や劣化した塗膜の除去が必要なとき…金属部の錆が根深い場合や広範囲に及んでいる場合に用いられます。
第3種ケレン
第3種ケレンは、スクレーパーやワイヤーブラシなどの手工具を使って行うケレンです。軽度な錆や汚れを落とす場合のような、「さびや劣化が見られる部分のみ」を対象としたケレン方法です。ここでのポイントは「活膜」を残しつつ、「死膜」を除去することにあります。活膜とは、塗料がしっかりと密着しており、まだ保護機能を維持している部分のことを指し、死膜はひび割れや膨れといった状態の劣化塗膜を示します。この方法では、サビが部分的に見える状態で、死膜を除去し、健全な活膜は残すことにより、塗装の持続性を高めます。一般的な外壁塗装に最も多く用いられる方法です。
第4種ケレン
第4種ケレンは、他のケレンと比べて簡単な清掃や滑らかな塗装面の目荒らしを目的としたケレンです。サンドペーパーやケレンパッドを用いて軽く塗装表面を扱います。全体的に腐食がほとんどなく、表面の清掃と軽い目荒らしで足りるようなとき…塗装面の劣化が少ない場合に用いられます。
以上の4つのケレン方法を適切に選択し、用いることで、塗装工事の品質と持続性を大幅に向上させることができます!それぞれの状況に応じた最適なケレン方法を選定することが、効果的な外壁塗装や屋根材の保護に繋がるのです。
ケレン関連用語の解説
ケレンにおいて使用される専門用語を理解することは、塗装工事の品質と効果を正しく把握する上で非常に重要です。ここでは、特に重要な用語である「活膜」と「死膜」、さらには「剥離」と「塗膜」という用語の関係について解説します。活膜と死膜は、塗装面の状態を評価する際に用いられる概念です。これらの用語は特に、ケレン作業の判断基準として重要な役割を果たします。
活膜と死膜
活膜
活膜
は、塗装された表面の中で、依然として塗料の保護機能を維持している部分を指します。この部分の塗膜は、しっかりと基材に密着しており、剥がれやひび割れのない状態を保っています。3種ケレンでは、このような活膜は残され、塗装の効果を維持するために保護されます。
死膜
死膜は塗装面の中で機能を失った、劣化した塗膜の部分を指します。これには、ひび割れ、剥がれ、浮き、サビなどが含まれ、これらは塗装の保護効果を損ない、さらなる劣化を促進する可能性があります。死膜はケレン作業において取り除かれるべき部分とされ、新しい塗装が効果的に機能するためにはこの部分の除去が不可欠です。
剥離と塗膜の関係
剥離
剥離は、塗膜が基材から離れてしまう現象を指します。これは、塗膜が適切に基材に密着していない場合、または外部環境や物理的損傷により塗膜が劣化した結果発生します。剥離は、外観上の問題だけでなく、塗膜の保護機能が低下し、基材が環境要因にさらされやすくなるため、建物の耐久性に重大な影響を与える可能性があります。
塗膜
塗膜は、液状の塗料が乾燥して固まり、表面に形成された膜のことを指します。塗膜は建物を保護し、美観を保つ重要な役割を担っています。そのため、塗膜の適切な状態の維持は、建物の寿命を延ばし、その価値を保つ上で極めて重要です。ケレン作業は、この塗膜が効果的に機能し続けるために必要な前処理であり、塗膜の状態を適切に評価し、必要に応じて修復や再塗装を行うことが求められます。以上のように、活膜と死膜、剥離と塗膜の適切な理解は、ケレン作業の正確な実施において不可欠であり、塗装工事全体の品質を左右する重要な要素です。これらの用語は、塗装の専門家だけでなく、塗装工事を依頼する側も理解しておくべき重要な概念になりますので、記憶の片隅に入れておきましょう!(^^)/
丁寧なケレンがけを行った外壁塗装事例
千葉県千葉市緑区のお客様
最後に、錆が広がった鉄部階段へ行った塗装事例をご紹介します。千葉県千葉市緑区にあるアパートのオーナー様からのご依頼で、錆が広がってしまった鉄部階段の塗装を行いました。
点検の様子
アパート入口に設けられた鉄階段は錆で赤銅色に染まっていました。このままの状態では劣化によって強度の不安も出てくるでしょう。入居者様が安心して使えるよう、メンテナンスを行っていきます。
ケレンがけ
塗装によるメンテナンスを行う前に、ケレンをかけて錆を落としていきます。新しい塗装の寿命に直結する部分ですので、漏れがないよう丁寧に作業します。階段裏部分の錆が特にひどく、2枚目の写真部分では、塗膜と錆が一体化していました。
塗装の様子
錆止め塗料で下塗りを行った後、お客様指定のこげ茶色の塗料で塗装していきます。
塗装完了!
塗装が終わった後の階段の様子です。あれだけ錆びていたとは思えない程綺麗な仕上がりになりました。これで入居者様も安心して利用いただけます。
鉄骨階段のメンテナンスを行ったA様
鉄骨階段のメンテナンスをご依頼いただいたお客様です。この度はありがとうございました!(*^_^*)
こちらが現地調査に伺った際の状態です。鉄骨階段や手すりの部分の多く錆が発生してしまっている状態でした。錆を放置してしまうと、腐食が進んでいずれ鉄自体が崩れてしまう…ということも起こりかねません。今回は錆止めを塗布し、フッ素塗料による鉄部塗装工事を行わせていただくこととなりました!
鉄部塗装前の下地調整を行います
まずは塗装を行う前の下地調整を行っていきます。マジックロンや皮スキを使い、錆び落としと目荒らし作業を行っていきます!
下地が荒れていると、塗料の密着度合いや仕上がりに影響が出てしまいますので隅々まで丁寧に行っていきます。
この際発生した廃材は少しでも残ると錆の拡大を起こす可能性もあるため、しっかりと清掃し、廃棄します。
錆止め材のマイルドサビガードを塗布
使用するのはエスケー化研のマイルドサビガードです!
マイルドサビガードは錆止め効果のある錆止め塗料です。この錆止めが下塗りの代わりとなります!
主剤塗料にクリーンマイルドフッソを使用
下塗りが終わったらいよいよ中塗り・下塗りを行います。今回使用したのは、エスケー化研:クリーンマイルドシリーズの「クリーンマイルドフッソ」です!2液型の弱溶剤の塗料で、塗装を行う直前に現場で主剤と硬化剤を混ぜ合わせるという作業があるタイプです。
下塗り・中塗り・上塗りと三段階で行っていくことで、艶が増すだけでなく防水効果も期待でき、耐久性もアップさせることができます!
塗装工事が完了
鉄骨階段塗装工事が完了いたしました!鉄部は錆が発生しやすく、定期的なメンテナンスが欠かせません。錆による腐食を防ぐためにも、塗装でのメンテナンスを検討するようにしましょう!
街の外壁塗装やさんではケレンをしっかりと行い塗装工事をさせていただいております。このケレンというひと手間があるかないかで仕上がりや今後の持ちが変わってまいります!
丁寧な塗装をお求めの方、是非街の外壁塗装やさんにお問合せください(^^)/
記事内に記載されている金額は2024年03月12日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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