セメント瓦の点検を行った四街道市のお住まいですが、築22年で2回目のメンテナンス時期を迎えていますのでサイディング外壁の状態も確認させて頂きました。今回は窯業系サイディングの施工方法と、住宅の所々にある隙間の役割と補修時の注意点をご紹介したいと思います。
1996年築住宅の塗装前点検


総2階建てのお住まいは一度屋根塗装とともに外壁塗装をされたようで、22年目にして大変綺麗な状態を維持しておりました。前回塗膜は経年劣化しチョーキング現象を起こしていますが、高圧洗浄で洗い落とし塗り替えをすれば引き続き綺麗な状態を維持できるかと思います。但しここからご紹介するのはサイディング自体の張替えを検討しなければならない劣化です。張り替えを行った場所は色が異なってしまいますので。塗り替えを行う前にしっかりと補修していきましょう。


まずはサイディングのうねりです。塗膜の劣化は塗り替えで補修することが可能ですが、サイディング自体ももちろん経年劣化を起こします。太陽光や雨水に晒され続けたり釘の浮きにより、外壁材が浮き・反り・うねりを起こしてしまい、雨水が浸入する入口が出来てしまいます。これはまだ軽微な内ですが塗り替えで補修することは出来ませんので、張替補修を行わなくてはなりません。
続いてはベランダの手摺壁です。笠木部分にテープが貼られていますが恐らくサイディングが腐食し始めたことで、笠木との隙間から入る雨水をせき止めているのでしょう。

同様にサイディングと水切りとの隙間もコーキング材で塞いでありますね。サイディングが腐食してしまった原因は雨水の浸入が一番だと思いますが、テープが剥がれれば雨水は入り込んでしまいますし、何よりも見栄えが悪くなってしまいます。
実はこのようなサイディングの腐食で悩まれているお住まいは少なくありません。そしてこのような不具合が起こってしまうのは築年数が経過しているお住まいが多いのですが、塗膜が劣化したからという理由だけではないかもしれません。
直貼り工法と通気工法の特徴と判別方法


窯業系サイディングは1960年代から使用され始めたようですが、2000年に「住宅品質確保促進法」が制定される前は【直貼り工法】が主流でした。直貼り工法というのは、左画像のような透湿防水シートの上から直接サイディングを張る工法です。現在築20年を経過しているお住まいはほとんどの住宅が直貼りされているのですが、雨水が入り込んでしまうと、その雨水が逃げ切れずシートが吸い込むことで外壁材が腐食しやすい傾向にあります。
2000年以降は【通気工法】を用いり、右画像のように胴縁で透湿防水シートとの間に空間を設けています(画像は外壁カバーの様子ですが同様に胴縁で空間を作ります)。こうすることで万が一雨水が入った時にもその空間を通り水切りから排水されます。こもりがちな湿気も逃がしますので、外壁材が腐食しにくく仕上がります。しかし今回の様にテープを水切りをコーキング材で埋めてしまうと、排水がままならず直貼り工法と同様に腐食を起こしてしまいます。室内と接している外壁でしたら内装まで影響を受けてしまうでしょう。今回は直貼り工法ですので入口・出口を塞いだからといってそれほど変化はないとは思いますが、サイディングの腐食は張替補修をしなければなりません。
直貼り工法と通気工法を見分けるには築年数、そして躯体と外壁材までの幅です。通気工法の場合は胴縁(約10~15㎜)分外側に張られていますので、水切り部分の幅を測る事でどちらの施工方法で仕上げているのかが分かるかと思います。
直貼り工法のサイディングを塗装する際の注意点
では直貼り工法は湿気の影響を受けやすいという事は張替えをしなければならないのか?ということではありません。もちろん腐食した部分は改善が見込めないため張替が必要です。しかし塗装メンテナンスで劣化を防ぐことは出来ます。直貼りサイディングの場合は湿気を含んでいる可能性がありますので、何も考えずに塗装すると後々塗膜の膨れ・剥がれを起こす可能性があります。そのため湿気を逃がすことのできる透湿性の高い塗料で塗り替えを行っていく必要があります。
スレート屋根の塗装時にも毛細管現象を防ぐ為にタスペーサーの挿入や縁切りを行います。それと同様に外壁にも理由のある隙間が存在します。全ての隙間を完璧に塞げば雨水の浸入を防ぐことが出来るかとは思いますが、湿気が逃げず部材の腐食を招いてしまいますので、塗り替え・補修は外壁材の注意点を熟知した業者へ依頼しましょう。
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