FRP防水は、繊維強化プラスチック（Fiber Reinforced Plastics）という軽量で耐久性や耐水性に優れた素材を使用しています。この素材の特徴を生かし、強靭な防水層を形成することができます。FRP防水は、アスファルト防水やシート防水、ウレタン塗膜防水と比べると歴史は浅いですが、現在では多くのお住いで採用されています。
このように、FRP防水はベランダやバルコニーの防水において重要な役割を果たしています。その特徴や施工方法について解説することで、マイホームオーナーの皆さんが防水工事について理解を深め、適切な防水工法を選択できるようになることを目的としています。
1. 高圧洗浄と下地の清掃: 高圧洗浄機を使用して下地に付着した汚れを洗い流し、清掃します。
2. プライマーの塗布: 下地とFRP防水塗料の密着性を高めるために、プライマーを下地に塗布します。
3. 下塗り: FRP防水用のポリエステル樹脂と硬化剤を混合させ、均等に塗布していきます。
4. ガラスマット敷き: 硬化後、再度ポリエステル樹脂を塗布し、FRP防水用ガラスマットを設置します。脱泡ローラーを使用してガラスマットに含まれたFRP防水層から空気を抜き、膨れや浮きを防ぎます。
5. 中塗り: 樹脂が硬化した後、研磨機を使用してFRP表面を削りながら調整し、清掃とアセント拭きを行い、油脂を除去します。
6. トップコート: FRP防水層が紫外線によって劣化しないように、トップコートを塗布します。
以上がFRP防水の基本的な施工手順です。
施工には以下の材料や道具が必要です。
– 高圧洗浄機: 下地の汚れを洗い流すために使用します。
– プライマー: 下地とFRP防水塗料の密着性を高めるために使用します。
– FRP防水用ポリエステル樹脂と硬化剤: 下塗りに使用します。
– FRP防水用ガラスマット: ガラスマット敷きに使用します。
– 脱泡ローラー: ガラスマットに含まれた空気を抜くために使用します。
– 研磨機: 中塗り時に使用し、FRP表面を削りながら調整します。
– トップコート: FRP防水層を紫外線から保護するために使用します。
施工時の注意点やポイントは以下の通りです。
– 下地の清掃は施工前にしっかり行う必要があります。汚れや油脂が残っていると、防水層の密着性が低下する可能性があります。
– プライマーの塗布は均一に行う必要があります。不均一な塗布では密着性が悪くなる可能性があります。
– ガラスマット敷き時には、脱泡ローラーを使用して空気を抜くことが重要です。空気が残っていると、防水層が膨れたり浮いたりする可能性があります。
– 中塗り時には、研磨機を使用してFRP表面を均一に削りながら調整します。均一な表面にすることで、トップコートの塗布がしやすくなります。
以上がFRP防水の施工方法についての説明です。
1. ひび割れの補修方法：
築3〜5年程度で発生するひび割れは、トップコートのものが多いです。これは表面のみのひび割れであり、防水性能には影響しません。ただし、放置すると下地の防水層にダメージが及ぶ可能性があるため、5〜7年ごとにトップコートの塗り替えを行う必要があります。トップコートには硬膜なポリエステル樹脂（新築向け）と軟膜なアクリルウレタン樹脂（改修向け）がありますので、用途に合わせて使い分けましょう。トップコートの塗り替えは、まず下地の洗浄と油分の除去を行い、その後ローラーを使用してトップコートを塗布します。
2. 浮きや剥がれの対処法：
FRP防水の浮きや剥がれは、密着力の低下や雨漏りによる雨水の蒸発が主な原因です。狭小面積での浮きが発生した場合は、部分的なケレン掛けにより表面を削り、再度FRP防水を施工します。一方、高面積での浮きが発生した場合は、下地（合板）に問題がある可能性が高いため、まずは下地の補修と補強を行った後にFRP防水工事を行います。
3. 雨漏りの対処法：
FRP防水の劣化による雨漏りが発生した場合は、まず下地まで腐食が進行しているかを確認する必要があります。腐食が進行している場合は、下地の補修を行います。その後、FRP防水工事を行うことで雨漏りを解消することができます。
補修時の注意事項や手順は、以下の通りです。
– トップコートの塗り替え時には、下地の洗浄と油分の除去を行うことで密着力を高めます。
– 浮きや剥がれの対処時には、狭小面積であれば部分的なケレン掛けを行い、広面積であれば下地の補修・補強を行う必要があります。
– 雨漏りの対処時には、下地まで腐食が進行しているかを確認し、必要に応じて下地の補修を行います。
以上がFRP防水の補修方法についての説明です。
記事内に記載されている金額は2023年07月14日時点での費用となります。
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