
台風による被害を最小化するには、台風が来る前の準備が不可欠です。一般的に、台風による被害は強風と大雨からくる家の雨漏りや損傷です。台風が過ぎた後、多くの住宅が損傷していると、迅速な対処が難しくなります。ここでは、台風に備える住宅の対策と、台風後の修復・メンテナンスの方法を解説します。大事な家を守るための有益な情報を提供します。
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台風被害の多くは強風と大雨です
台風による被害は主に強風と大雨によるものです。台風というと激しい雨風を想像する方が多いかと思いますが、実際には「雨台風」「風台風」という言葉があるように、雨もしくは風のみ強いケースも存在します。どのようなケースにせよ、台風によるお住まいへの被害は毎年報告されていますから十分な対策は必要不可欠です。では台風による住宅被害には具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

台風による被害1. 強風による破損
台風は一度上陸すると、大きな渦を巻きながら日本列島を縦断し、各地に被害をもたらします。そして台風による被害は台風の勢力に比例します。台風の風の強さは「強い」「非常に強い」「猛烈な」の3段階で示され、さらに台風の大きさは強風域の広さによって大型・超大型台風に分けられます。勢力が大きければ被害は広がりますが、台風の勢力が小さいからと言って油断はできません。お住まいの立地・環境によっては風をまともに受ける可能性があるからです。
台風のおおよその勢力を示す目安 [ 台風の強さ ]
出典:気象庁ホームページ (https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-3.html)
台風によってもたらされる被害にはさまざまなものがあります。たとえば雨樋やカーポートの屋根材が風によって飛ばされてしまう、屋根の頂部に取り付けられた棟板金が捲れあがるなどです。台風による被害はどのようなお住まいでも起こりうるものです。しかし経年で劣化が目立つお住まいでは、瓦のズレや釘・金具の固定が弱くなるなど、建物の耐久性が低下して被害を受けやすい傾向にあります。

もしも台風によって屋根や外壁に被害が出ると、雨漏りを起こす可能性があります。また屋根材などが強風により飛ばされてしまうと、周辺への被害拡大の恐れも心配です。しばらく住宅メンテナンスを行っていないというお住まいでは、より深刻な被害を受ける恐れがあるため、さらに注意をしなければいけません。
台風による被害2. 大雨による雨漏り・破損
台風では強風だけでなく大雨による被害も重大です。台風の雨は通常の雨と違い、横殴りの強い雨がお住まいの屋根や外壁に叩きつけます。通常の雨では問題なくても、台風で雨漏りしてしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。通常なら雨が当たらない箇所でも横殴りの雨ではかなり濡れてしまうため、普段雨の影響を受けない外壁等の経年劣化部分から雨が入り込んでしまう恐れがあるからです。このほか台風の風により、元々破損していた瓦や棟板金部分に雨が吹き込むことで雨漏りを引き起こすケースもあります。

ベランダやバルコニーには防水機能がありますが、台風による大雨では排水が間に合わず、防水層を傷めることがあります。防水層が劣化すると、雨漏りを引き起こし建物内部にまで雨水が侵入する恐れがあるため、ベランダやバルコニーも台風に備えることが大切です。


台風は自然災害の一つですから、被害は防ぎようがないと思うかもしれません。しかし定期的にお住まいのメンテナンスを行うことで被害を抑えたり、場合によっては未然に被害を防ぐことも可能です。もちろん超大型台風のように勢力が強い台風ではどうしても被害が出ることがありますが、それでも対策次第で受ける被害の大きさが変わることもあります。では台風の被害を防ぐ、または被害を最小限に抑えるために、どのような対策をとればよいのでしょうか?
ここでは台風で被害が出やすい部位別に台風対策をご紹介します。台風が接近する前にしっかりと安全対策を終わらせておきましょう。

屋根は台風の影響をもっとも受ける場所です。そのため台風対策は万全にしておきたいところですが、屋根材によって施工方法や台風対策が異なります。現在国内で最も使用されている瓦・スレート屋根・金属屋根の3種類の屋根材を例に、一つ一つ最適な台風対策について見ていきましょう。
瓦屋根の台風対策

瓦は台風の強風や地震の揺れに耐えられるよう、現在では防災瓦と同じように噛み合わせるような構造の瓦を1枚1枚釘でしっかり留めています。しかし以前は瓦の4列に1枚ごとに釘を打つやり方が用いられていました。昔のやり方は補修が簡単で手間がかからないことが利点ですが、強風には耐えられません。今でも昔ながらの施工方法で瓦が留められている住宅もあり、台風の際に強風で瓦が捲れるというトラブルを起こしかねません。

さらに経年劣化によって瓦の角が丸くなると、隙間が生じるため瓦がずれやすくなりリスクが高まります。

経年劣化の恐れがある瓦は、台風の強風に耐えられずに落下する恐れがあります。定期的に瓦の差し替えや吹き替え、ラバーロック工法で台風被害を未然に防ぎましょう。
☑差し替えや葺き替え

☑ラバーロック工法

※ラバーロック工法とはシーリング材を用いて瓦同士を接着させズレを防ぐ施工方法です。簡単に取り替えられる瓦のメリットを損なってしまいますが、ズレを防ぐ事を目的にするのであれば非常に安価で有効的な工法でもあります。
ただしすべての重なり部分をシーリング材で塞いでしまうと、水分の逃げ場がなくなってしまうため、毛細管現象により雨漏りを起こす危険性があります。毛細管現象が起きると、台風でなくても雨漏りを引き起こしてしまいます。
いったん毛細管現象が起きると改善することは難しいため、大掛かりな葺き替え工事が必要です。そうならないためにも、ラバーロック工法を行う際は実績のある信頼できる業者を選びましょう。


特に棟部分は、冠瓦とのし瓦を積み上げて形成されているため、屋根の中で最も台風の影響を受けやすい箇所です。瓦の並びやズレ、銅線の緩み・破損などがないか定期的に確認しておきましょう。また漆喰部分のひび割れについても忘れずにチェックしてください。

瓦の並びやズレ、銅線の緩み・破損などがないか定期的に確認しておきましょう。また漆喰部分のひび割れについても忘れずにチェックしてください。
☑棟の並びのずれ

☑銅線の緩みや切れ

☑瓦を固定する役割の漆喰にひび

☑漆喰の剥がれ

台風対策には定期的なメンテナンスが有効です。瓦屋根の漆喰補修は10年、棟取り直しは15~20年、雨水の侵入を防ぐ防水紙は20~25年を目安にメンテナンスを行いましょう。

スレート屋根の台風対策

スレート屋根材(コロニアル・カラーベスト)は多くのお住まいに使用されています。スレート屋根は薄い板状の形状のものです。薄いために劣化していると台風による強風に耐えられず、煽られて割れてしまうことがあります。


屋根材の下には雨が浸み込まないように防水紙が敷いてあります。そのため屋根材が破損してもすぐに雨漏りを引き起こすわけではありませんが、防水紙が傷むと雨漏りの原因になるため注意しなければいけません。

スレート屋根材の台風対策には定期的な塗装メンテナンスがおすすめです。スレート屋根材の経年劣化(ひび割れ・屋根材の吸水)を抑えられるため、台風時の被害を最小に抑えることができます。
☑屋根塗装などの定期的な塗装メンテナンス


スレート屋根が台風で受けやすい被害は雨漏りと棟板金の飛散です。棟板金とは屋根の一番高い位置に取りつけられている屋根部材のことです。棟板金は釘で固定されていますが、釘の抜けや浮きがあると台風の強風の影響を受けて棟板金が飛ばされる恐れがあります。



最後のメンテナンスから10年以上経過しているお住まいでは、破損のリスクが高くなります。台風による被害を防ぐためにも屋根塗装時にビスの再固定や棟板金の交換工事による下地貫板からの補修も一緒にご検討ください。
☑屋根塗装

☑棟板金のビスで再固定

☑棟板金交換工事で下地貫板からの補修

金属屋根の台風対策

金属屋根材は軽量で耐久性が高いため新築住宅に近年よく使用されています。また折板屋根や瓦棒屋根などは一般住宅のみならず、工場や倉庫、公共施設など多くの建物で採用されています。しかしいかに耐久性が高いとはいえ、金属屋根材でも台風による雨漏りや捲れのリスクは伴うものです。
台風被害を招く原因は主に経年劣化によるもので、屋根材、固定用の釘・ビス・ボルトの錆は金属屋根材の強度を低下させてしまいます。錆は金属屋根材を腐食して穴をあけることがあるため、錆が広がる前にメンテナンスをご検討ください。



経年劣化による錆の発生を防ぐには屋根塗装が有効です。金属屋根材の塗装はまずペーパー掛けで表面をザラザラにし、塗料の密着を高めます。そのうえでプライマーなど適切な下処理を行い、塗装メンテナンスで錆の発生を予防します。
☑錆の発生を防ぐ塗装メンテナンス


金属屋根材は耐久性が高いため、ついメンテナンスをさぼりがちです。確かに一度塗装するとその後20年ほど塗装の必要がないと言われていますが、固定する釘やビス、表面皮膜の傷の確認など、数年ごとの点検をおすすめします。
☑釘やビスの緩み

☑表面被膜に傷


台風では強風によって横殴りの雨が外壁にたたきつけられます。そのため通常の雨では見られない不具合や劣化が、台風のときに露見してしまうことがあります。屋根材と同様外壁材にもさまざまな種類がありますが、特に雨漏りにまつわるご相談の多い外壁材について台風対策・メンテナンス方法を詳しくみていきましょう。
窯業系サイディング・ALC外壁の台風対策

窯業系サイディングやALC外壁は工場で予め加工したパネルを張り合わせることで外壁を形成できるため短い工期で済み、手間がかかりません。サイディングを貼る際にはパネルとパネルの間の目地をシーリング材で埋めるのですが、シーリング材にも種類があり耐久性がそれぞれ異なります。たとえば新築のお住まいで使用されるシーリング材の耐久性は5年程度です。通常塗装メンテナンスは10年を目安に行うものですから、外壁塗り替え時にはシーリング材が劣化していることが多々あります。



シーリング材に肉痩せや亀裂のような劣化症状が現れると、雨水による外壁材の腐食や雨漏りを引き起こすリスクが高まります。外壁塗装に合わせてシーリング材の打ち替え補修も状況に応じて検討しましょう。
☑シーリング打替え補修

☑外壁塗装

モルタル外壁の台風対策

モルタル外壁を使用するメリットはサイディング等と異なり外壁に継ぎ目がなく、仕上げの方法によって自由なデザインを楽しめることです。一方モルタル外壁の注意点としては、性質上どうしてもひび割れ(クラック)が発生しやすいことがあげられます。



幅0.3mm以下の細いクラックは「ヘアクラック」と呼ばれ、どのようなお住まいでも発生します。クラックを見つけると「ここから雨水が入り込んでしまうのではないか」とご不安になるかもしれませんが、ヘアクラックに雨水が侵入するリスクはありません。
ただしヘアクラックが経年で構造クラックに発展することも考えられます。構造クラックは外壁の内側に割れなどの劣化が生じている可能性が高いため、台風の横殴りの雨で雨漏りを起こしてしまいます。クラックが進行してしまう前にクラックの補修や塗装メンテナンスを施し、モルタル外壁の劣化を予防することが台風対策に有効です。
☑クラック補修

☑塗装メンテナンス



台風被害で相談が多い一つに「雨樋」があります。雨樋は屋根や外壁よりも外側に取り付けられているため、雨風の影響を強く受けてしまうのです。雨樋の素材の多くは塩化ビニルや合成樹脂製で、強い衝撃に耐えられず破損することがあります。
雨樋には柔軟性を保つために可塑剤が含まれています。しかし経年劣化によって可塑剤が染み出すと硬化してしまうため、少しの衝撃でも割れやすくなってしまうのです。

雨樋は塗装で表面保護をしてあげると、経年劣化を防ぐことができます。つい見過ごしがちな雨樋ですが、屋根・外壁塗装と一緒に塗り直すようにしましょう。
☑塗装による表面保護

雨樋は落ち葉や土が溜まりやすい場所です。雨樋の掃除はつい後回しにしがちですが、落ち葉や土を掃除せずに放置しておくと重みで雨樋が壊れてしまいます。特に庭木があるお住まいや、近くに公園があるような木々の多い環境では雨樋の詰まりが発生しやすいため、定期的な掃除は欠かせません。定期清掃に加え、落ち葉除けネットの設置などで雨樋の詰まりを解消しましょう。
☑落ち葉除けネットの設置

☑定期的な清掃



ベランダ・バルコニー・陸屋根には勾配がありません。そのため水が溜まらないように排水口が設置されていますが、排水口に泥など汚れが溜まるとうまく排水できず、水がプールのように溜まってしまいます。水が溜まると防水層を傷め、雨漏りなどお住まいに重大な被害を出す恐れがあります。
また雨水を集めて地上に流す「排水ドレン」が腐食している場合も危険です。経年劣化で排水ドレンに穴が開くと、ドレン内部で雨漏りが発生してしまいます。



ベランダ・バルコニー・陸屋根は定期的な清掃で、排水の流れがよい状態を保ちましょう。そのうえで下地の経年劣化に合わせた防水工事やドレン改修工事を行ってください。必要なメンテナンスで雨漏りの発生リスクを減らせば、台風による被害を最小限に抑えられます。
☑定期的な清掃


☑下地の経年劣化に合わせた防水工事・ドレン改修工事



外壁や屋根以外にも、命を守るための台風対策は必要です。大型台風は停電を招く恐れがあるため、日頃から懐中電灯やろうそくなど、非常時の灯りは確保しておきましょう。またいざという時の避難経路を確認しておくことも重要です。
☑懐中電灯の準備

☑避難経路をあらかじめ確認

窓ガラスにヒビが入っている場合は、飛散を防ぐために養生テープを貼りましょう。万が一窓ガラスが割れた場合は、焦って怪我をしないように注意してください。台風シーズンには養生テープが売り切れることがあるため、早めにストックしておくと安心です。また台風時の雨漏りには新聞紙やバケツで対処します。危険ですからくれぐれも強風の中、外には出ないようにしてくださいね。屋根の養生は高所作業が必要になり大変危険ですから、専門業者に点検・補修を依頼することをおすすめします。
☑窓はテープでガラスの飛散を防ぐ

☑雨漏りは風が止むまでが新聞紙やバケツで対処

☑屋根の養生等は必ず専門業者に依頼しましょう

台風被害の補修には火災保険や共済の利用が可能!
ここまで、事前にできる台風対策についてご紹介しましたが、どれだけ対策を講じても超大型台風の前にはお住まいの破損を免れないことがあります。実際に2018年の台風21号、24号、2019年の15号、19号など、台風によって多くの家屋が被害に見舞われました。
実際に台風が直撃すると、屋根塗装を終えたばかりのお住まいでも棟板金が外れた、スレート屋根が剥がれたなど、台風は通常の雨では起こらないような深刻な被害をもたらします。

台風による住宅被害の補修は思わぬ出費になってしまいます。補修にはかなりの費用がかかってしまいますが、台風被害に見舞われたという場合は火災保険や共済をご利用ください。火災保険は台風を含む自然災害による破損に適用されます。過去3年の被害までさかのぼって申請することができるため、もしご検討されるという方やなにかご不安な点があるという方は火災保険の利用に関してぜひ街の外壁塗装やさんにご相談ください。

火災保険や共済が適用されれば、状況によっても異なりますが台風による住宅被害を自己負担なく原状回復できるためご安心ください。住宅の補修だけでなく、屋根や外壁補修工事に必要な足場仮設費用や破損した屋根材などの撤去・処分費用まで保険でカバーできます。このように足場の費用まで保険で賄えるため、この機会に屋根・外壁塗装などお住まい全体のメンテナンスを行うこともおすすめです。

火災保険や共済は保証内容や条件に関する注意点がいくつかあります。分かりにくいかもしれないので、保険等を利用する場合は火災保険・共済を利用した施工経験が多い専門業者に依頼するとよいでしょう。
万全な台風対策で住宅被害を防ぎましょう!
台風は地震とは違い、天気予報で予測ができるものです。台風の進路はもちろん、勢力まで分かるので、事前に対策を講じておくことで被害を防ぐことができます。定期的なメンテナンスをされているお住まいでは、台風による被害が少ないものです。しかし万が一雨漏りなど台風で被害が出てしまった場合はどうでしょう?当然迅速に補修メンテナンスが必要ですが、被害の原因が実は台風ではなく経年劣化である可能性もあります。

破損前の状態を把握しておくことは補修時に大変役立つものです。定期的なメンテナンスを行っているお住まいなら破損前の状況も分かっていますし、画像で確認することもできます。このようにかかりつけ医師のような業者がいると、万が一の場合でも安心ですね。
街の外壁塗装やさんでは屋根・外壁塗装のほか、棟板金の補修やベランダ等の防水工事などお住まいの外装メンテナンス全般のご相談を承っております。お住まいの不具合やメンテナンス方法など、気になることは些細なことでもお気軽にご相談ください。

街の外壁塗装やさんにご相談いただいたお客様には、無料で点検・お見積りをご提供させていただいております。台風による住宅被害の補修はもちろん、施工後の保証などアフターサービスもしっかりと行います。街の外壁塗装やさんでは保証内容に応じて定期点検も行い、施工後も長いお付き合いをさせていただいております。
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通常の雨では不具合・劣化を感じない場合でも、台風による大雨・強風はお住まいに破損や雨漏りなど深刻な被害をもたらします。
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屋根材や外壁材の種類によって異なる台風対策があります。屋根材・外壁材の特徴・施工方法を把握したうえで必要な補修・補強を行いましょう。
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台風による住宅被害には火災保険・共済等を利用できます。
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日頃からお住まいの状態を知っておくことで、台風被害の把握が容易になります。外装全体を手掛ける信用できる業者に定期メンテナンスを依頼することをおすすめします。
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台風は唯一自然災害の中であらかじめ対策を講じることができます。破損や雨漏りを起こさないよう、定期的なメンテナンスを行うことが重要です。