文京区のお客様から屋上の防水工事のご依頼を承りました。室内で雨漏りを起こしているようで、増築を行った際の屋上の様子から怪しいと考えられているようです。
また、近いうちにお隣の新築工事が始まると言う事で、住宅が建つ前に、外壁塗装をしておきたいとのご希望です。
雨漏りを起こしている場合は、どれほど塗装工事を急いでいたとしても雨漏りの修理が最優先になります。後ほどその理由と適切なメンテナンスをご紹介いたします。
使用材料
屋根 シリコンベスト 外壁 シリコンセラUV ファイン4Fセラミック
室内の雨漏りの様子です。少し前からじわじわと染み込むように雨漏りを起こしていたようですが、お客様には心当たりがあるようです。数年前に増築工事を行った事、天窓を塞ぐ工事を行った事が何かしら雨水の浸入のきっかけになっているのではないか、という事です。
早速屋上の陸屋根の状態を確認してみましょう。シート防水がされています。
シート防水とは合成ゴムやプラスチックをシート状に加工し施工する工法で、伸縮性に優れている為建物の動きにも追従します。
高耐久の防水ですが、シートの為凸凹には向いていません。また一度穴が開いた場合は剥がして補修する必要がある為、補修費用は掛かりがちです。
ドレンは経年の錆による変色が見られます。ドレンは鋳物が多く使われている為、劣化すると錆びて穴が開き雨漏りを起こすことがあります。
防水の補修をする際には必ず交換、もしくは改修用ドレンでのカバーをご提案いたします。ちなみに、新規ドレンでの交換が最も好ましいです。下地を傷める恐れもありますが、別の場所からの雨漏りを起こすリスクを減らすことが出来ます。
改修用ドレンの場合、補修費用を抑えることが出来ますが排水の口径が狭まってしまいます。例えばφ100のドレンに改修用のドレンを取り付けることを考えると、φ100以下の仕上がりになります。
排水機能の低下が詰まりを起こす原因にもなりますのでご注意ください。
屋上の増築をした基礎の様です。更に元天窓の基礎ですが、シートのようなものが覆いかぶされています。飛散しないように重しを乗せていますが果たして防水の効果があるのでしょうか?
剥がすと天窓のあった部分にはベニヤが張り付けられているのみです。これではベニヤが吸い込んだ雨水が室内に入り込むのは当たり前です。このような杜撰な補修では全く意味がありませんので、屋上の防水に合わせ補修していきましょう。
お隣の新築工事前に施工しておきたい外壁です。施工するからには高耐久の塗料を使い、メンテナンスを少なくしたい!が、費用も抑えたいという事で、今回は近隣の住宅に合わせて塗装工事を検討していきます。
新たに新築が経つ南西面に関しては高耐久の塗料を使用します。目につきにくいという事で北東面はシリコン系塗料を使用し、様子を見て価格を抑えます。
外壁ではありませんが、エアコンカバーの剥がれや、雨樋金具の錆は塗装後に非常に目立つ部分になってきます。その為、足場を仮設し補修がしやすいタイミングでしっかりと交換工事を行っていきましょう。
まずは雨漏りを起こしている天窓跡です。ベニヤを剥がし、内部の清掃を行います。下地を作る為にコンパネ24㎜を張り付け、下地の鉄筋を取りつけていきます。ここまでは型枠工事ですね。
左官工事に入ります。モルタルを充填しならしていきますが、しっかりと奥まで入れるように施工していきます。しっかりと乾燥させ、次の作業に移ります。
屋上防水の為、シート防水を剥がし高圧洗浄を行います。下地の状態が悪いと、勾配不良によって水たまりを作ってしまいます。勾配不良は防水層の劣化に直結しますので、しっかりとした下地処理が必要な事が分かりますね。
洗浄乾燥後、樹脂モルタル、カチオンタイトTで全体を平滑に仕上げていきます。下地が透けないように2回塗りを行いますが、塗厚は1㎜程度と大変薄いです。その範囲内で下地を綺麗に整えていく必要がありますので、正に職人技です。
樹脂モルタルが乾いたらシーラーを塗りウレタン塗膜防水の準備を行います。
今回は防水層の劣化が雨漏りの原因ではなかったため、ウレタン塗膜防水は密着工法で進めていきます。
防水塗料は立ち上がりと平場によって使用する材料が異なりますので、まずはフローン11立上り用を施工していきます。続いて平場の施工を行い、1回塗りが終了です。
室外機のある場所は移動させながらの施工が可能ですので、取り外し等の作業は必要ありません。またこの際にエアコンカバーを新たなものに取替え見栄えを向上させました。
ウレタン塗膜防水2回塗りとトップコートの施工完了です。シート防水とは違い複雑な形状にも施工でき、シームレスな為見た目も大変綺麗です。ウレタン塗膜の厚みはおよそ2㎜、平滑に仕上げることで高い防水性能が発揮できます。
表層保護のトップコートはおよそ5年前後で徐々に劣化していきますので、ひび割れが目立つようになればトップコートの再施工を行いましょう。
スレート屋根塗装は日本ペイントのシリコンベストを使用しています。かなりの急勾配ですので、足場が無ければまず施工は不可能でしょう。外壁塗装が一番のご希望でしたが、足場を架けたタイミングで同時に施工するのが理想的ですね。
下塗りに使用したベストシーラーは、劣化した下地に浸透し強化します。そこにUV性を向上させたシリコンベストで塗装することで高耐候性を発揮できます。
外壁塗装に移ります。まずは下地補修の為、外壁目地はカッターで目地に切り込みを入れて撤去、新たに打ち替え作業を行います。サッシ廻りは増し打ちを行い、防水処理をしていきます。
塗装施工は3回塗りです。下塗りで下地の補修や仕上げ塗料の密着性を高めます。そして中塗り・上塗りで仕上げていきます。
南西面は下塗りにシルクシーラー、中塗り・上塗りはファイン4Fセラミックです。北東面は下塗りにソフトサーフ、仕上げはシリコンセラUVです。
セラミックとは陶磁器という意味がありますが、塗料のグレード(アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素)ではありません。
セラミック成分を混ぜた塗料で塗ることによって、表層にセラミックが配置され耐熱性・耐久性・耐候性に優れた塗膜になるというわけです。
低汚染性だけでなく、特殊なセラミックを混ぜて断熱性を向上させている塗料もあります。代表的なのがロケットの先端部にも使用されている日進産業のガイナです。
セラミック100%塗料というものは存在せず、セラミック=高耐久というわけではなく、問題は塗料のグレードに左右されるという事はお忘れなく塗料を選択してください。
最後に雨樋や配管等の掴み金具の取替を行います。鉄製の物からステンレス製のものに取り換える事で錆の流出を抑えることが出来ます。
決して錆びない訳ではありませんが、錆びている素材のものをそのままにしてしまうと、外壁にまでもらい錆を与えてしまいます。腐食する前にしっかりと新たなものに取り替えておきましょう。
以上で、陸屋根の防水工事、屋根外壁塗装工事が終了しました。雨染みがしっかりと残ってしまっていた外壁も、塗り替える事で綺麗な外壁に蘇りました。
施工費用を抑える為に面に合わせて塗装するのも一つの手ですね。今後は定期点検でお伺いいたします。その際に気になる点等がございましたらお気軽にご連絡くださいませ。
記事内に記載されている金額は2017年09月06日時点での費用となります。
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