立川市のお客様からシリコン系塗料での屋根外壁塗装工事を承りました。
近年、アクリルやウレタンよりも、シリコン系の塗料が耐久性にも優れている事は御存じの方多いかと思います。
しかし、シリコン系の中にも多くの塗料が存在し、特殊な効果を併せ持つ塗料もございます。同じ工事をして付加価値を与えてくれる施工の方がもちろん良いですよね。
今回は遮熱塗料と低汚染塗料のご紹介を致します。
使用材料
屋根 アレスクールSi:ジェットブラック 外壁 ナノコンポジットW:NC-01、72-30H
塗装前点検です。まずは塗装前にお客様が住宅のどこを気にしているのかを伺い点検を行っていきましょう。
N様は築年数が経過していることでそろそろメンテナンスを、と考えられているようです。1階2階共に色は違いますがモルタル外壁です。
サイディングとは違い目地もない為継ぎ目のない外観で重厚感を感じさせます。幕板や飾り柱もあり、和風を感じさせる事の多いモルタルですが、欧風な印象があります。
塗装をしようと決心した理由は、道路に面している為多くの人の目に付きやすく、汚れが付着した外壁が気になったからのようです。
モルタル外壁は汚れが付きやすい傾向があり、明るい色であるほど、埃や苔が目立ってしまいます。塗り壁の仕上げと表面の問題になりますので仕方はないのですが、綺麗を維持したいと思うのは当然のことです。
外壁だけでなく配線の止め金具等の錆は外壁を汚す原因にもなります。錆びる素材とは関係なく赤褐色の染み跡が残ってしまうのです。
スレート屋根を見て見ます。屋根でオレンジ色や赤く見えるもの、実は苔やカビです。スレートの新築時の塗膜が劣化することによって、雨水を吸い込みやすくなります。
すると苔が発生し雨水を流れにくくしてしまいます。ただそれだけでしたら見た目だけの問題になりますが、雨水を吸い込んだ屋根材が乾燥して雨水を吸い…という事を繰り返すと屋根材の浮きや反りを起こしてしまいます。
塗膜保護をすることによってスレートの耐久性を維持していますので、苔の発生=塗膜がすでに劣化しているという事です。
スレートのずれもあります。屋根材は全て釘止めがされていますが、釘が抜けた・屋根材が割れた場合にこのようにずれが起きます。
ずれた、割れた程度では雨漏りに直結する可能性は低いのですが、更に下の防水紙(ルーフィング)が傷みやすくなってしまいますので、早い段階で補修をしておきましょう。
屋根の苔の発生は全方位で全く違います。北側の紫外線の当たりにくい場所や、敷地同士が近く隣家の陰になるような場所は特に劣化しやすいです。その為、メンテナンスを検討されるときは、一番劣化が酷い場所で判断しましょう。
屋根外壁塗装を行っていきます。足場を仮設し、道路面ですのでご迷惑とならないようにメッシュシートを取りつけます。
その後高圧洗浄で付着した汚れ・苔・旧塗膜をしっかり剥がしよく乾燥させます。苔を流し終わった後の屋根を見ると真っ白に見えますよね。これは屋根材の素地です。苔で覆われていたので気づきませんがここまで屋根は傷んでいたという事です。
ここまでの劣化をなかったことにはできませんが、表面保護をし維持することはできます。
タスペーサーを設置し屋根材同士の隙間を開けます。この作業一つで毛細管現象を防ぎ、雨漏りを起こすリスクを回避できます。屋根材1枚につき2枚取り付けていきますので1軒に対し500~1000個は使用していきます。
昔は縁切りと呼ばれる作業を行っていましたが、ヘラで屋根間を切っても塗料で再度くっつくと言った問題が多く、確実な縁切りが困難だったようです。
スレート屋根塗装の際には必ず、縁切りかタスペーサーの設置がされているかを確認しましょう。
塗装は関西ペイントのアレスクール1液Siのジェットブラックを使用します。この塗料は下塗りにも遮熱機能がありますのでセットでの塗装です。
試験の中で室内の温度上昇を抑え、夏場のエアコン代を最大40%も削減できたようです。エアコンを使用しないという事はCO2の排出量も抑えられますので、地球温暖化対策としてもばっちりです。
通常の屋根塗装でもスレート屋根の保護は出来ますが、そこに遮熱や断熱の機能を持たせることで様々な事に貢献しているのです。
塗装後の屋根です。3回塗りによって艶のある屋根に仕上がりました。色ですが、太陽光に直接あたりますので見本板やカタログよりも明るく見えます。
実際に仕上げたい色よりも1トーン、2トーン落として検討すると良いかもしれませんね。以上で屋根塗装工事完了です。
続いて外壁塗装です。塗らない部分に養生をし下塗りから行っていきます。下地の状況にあわせて使用する下塗り塗料も変えていきます。下地の密着性向上のためにはシーラーを使用します。
モルタル外壁の場合は細かなクラックが発生していますので、フィラーで埋めて施工していきます。鉄部等に塗る為にはプライマー、外壁の状態や塗る面に合わせ臨機応変に変更していきます。
仕上げは水谷ペイントの低汚染塗料、ナノコンポジットWです。超微粒子シリカによって汚れの進入をブロックし、親水性の塗膜表面が降雨によって洗い流してくれます。
実はこのナノコンポジットですが、科学技術振興機構と京都工芸繊維大学と水谷ペイントの共同特許です。3つの機関の共同研究によって開発されたナノコンポジットは、塗膜の効果だけでセルフクリーニング機能を果たします。
汚れが付きやすく困っている、綺麗を何もせずに維持したい方には大変お勧めです。
雨水が当たりにくい場所や汚れが集中する部位に関しては、最大限の効果を発揮できない可能性もありますので、予めご了承くださいませ。
使用した塗料はNC-01と72-30Hです。濃い目のブルーと爽やかなホワイトで、ブラウン系の住宅から大きくイメージチェンジです。
破風板や軒天がモルタル外壁と一体になっているような仕上がりの為、外壁と同じ要領で塗装していきます。
玄関周りのタイルはUVプロテクトクリアーでの表面保護です。クリアー塗装は仕上がりを一切変えることなく、外壁の保護が可能です。しかし、傷や色あせを隠すことはできないため、築10年程度の住宅でしか使用できません。
このようにポイントでの保護には最適ですね。
軒天やアーチ壁も白で統一です。軒天は軒天で違う色を使用したいという場合はお気軽にご相談ください。
道路に面した柵も塗装して綺麗に仕上げます。しっかりとケレンで下地処理をした上で塗装を行います。
木材の場合吸い込みが激しい為、しっかりと塗りムラが無くなるまで塗装を行います。付帯部や外壁に合わせ白に統一する事で、大変まとまった印象を感じます。
腐食しないように塗装、腐食した際には取替後塗装、と言ったように塗膜によって腐食を防いでいる事が多い為、定期的なメンテナンスを怠らないように住宅を見ていきましょう。
以上で屋根外壁塗装工事完了です。引き続き定期点検で宜しくお願い申し上げます。
記事内に記載されている金額は2017年09月08日時点での費用となります。
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