船橋市にあるアパートの塗装でご相談を頂きました。
以前同じく船橋市の、アパート塗装工事でお世話になりましたお客様からのご紹介です。
アパートは一般住宅と比べ規模が大きくなるため、メンテナンス費用は高く、また入居者様への心配りも必要となります。
前回のメンテナンスで良い評価を頂いたことに対し信頼を損ねないよう、今回も気を引きしめて対応させて頂きました。
ビフォーアフター
工事基本情報
アパート点検
1987年築、今年で32年目の地上2階建てのアパートです。
屋根や外壁等のメンテナンスはしばらく行っていないようですので、まずは状態を見て、補修が必要か確認をしていきましょう。
塗装の必要性は、アパートでも一般住宅と同じく、屋根・外壁材の保護と、美観性の維持です。
一般住宅であれば、お住まいの方の価値観で判断すれば良いのですが、アパートの外観の良し悪しは、「空室」の原因にもなってしまいます。
定期的な塗り替えで建物の寿命を延ばし、入居率の向上も目指していきましょう!
外壁材はサイディングです。ボード間の継ぎ目に目地がありますので、塗装時にまとめて補修を行いましょう。
普段気にもしていないかもしれませんが、目地やサッシとの隙間には【シーリング(コーキング)材】が充填されています。
築年数が経過し傷んでしまうと、雨水が入り込み、外壁材を腐食させたり、雨漏りを発生させたりしてしまいます。
デザイン性が高く、簡単に洋風な外観に仕上げることが出来る為、サイディングを使用しているお住まいは非常に多いです。
また、強度・耐火性・断熱性に優れたALC外壁を使用している方も、同様のパネルでの施工ですので、目地補修は必要です。
軒天の換気口
とても身近な部位にも関わらず、普段劣化に気づかない場所として【軒天】もご紹介します。
軒天は、外壁よりも外側に出ている屋根の、裏側に取り付けられている材料を指します。
昔は垂木等を露出させ、木材の風合いや和風住宅の重厚感を感じさせているお住まいもあり、現在も稀に見かけることがありますね。
近年は、屋根裏の構造を隠し、シャープなお住まいに見せることが多い為、ベニヤやケイカル板、鋼板等を張り付けているお住まいが大半です。
軒天から空気を取り込み、妻換気や棟換気から排気することで、小屋裏の温度上昇や調湿を行い、構造の耐久性を維持することが出来ます。
その為、軒天に有孔ボードや換気口を取り付け、空気を取り込む仕組みをしているお住まいが多いです。
こちらのお住まいでは、鉄製の換気口を使用している為、湿気や埃の付着によって錆が発生していました。
塗装で改善出来ますので、錆びて穴開きを起こさない内に補修しましょう。
2階通路です。今の所問題は無いようにも感じますが、経年の錆で見栄えが悪くなると共に、苔が付着すると足元が滑りやすくなってしまいます。
通路の目隠しには破損等もなく、塗り替えで綺麗に仕上げることが出来ます。
触ってみると、塗り替えのサインでもあるチョーキング現象を起こしていました。
外出時に何気なく触ってしまう、バッグが当たってしまうということもあるかと思います。
気づいたら服が白くなっていた…なんて事にもなりかねません。
白く粉状になるのは、太陽光などによって塗膜が劣化し、摩耗している証拠です。
既に外壁材は保護されていませんので、早急に塗膜保護を検討しましょう。
右画像は通路床の端です。支柱等に錆が発生し、赤い変色が見られます。
鉄部は一度錆びると、塗膜保護をしても状態の維持しかできません。腐食を起こす前にメンテナンスを行いましょう。
階段はやはり雨水が当たりやすい為、錆が比較的早く発生してしまいます。
簡単には破損しませんが、築年数が経過すると不安を感じるような状態になってしまいます。
踏み面の素材次第では割れが拡大し、歩行に気を使わなければなりませんので、定期的に確認しましょう。
雨水が当たらないと思いきや、階段に伝った雨水が裏側のボルトを錆びさせています。
他にも雨水が当たりにくい通路裏の柱や、配管等にも錆が見られました。
裏側は湿気がこもりやすい場所でもある為、錆の進行も早いです。
先程も説明しましたが、錆は補修しなければ状態が改善されることはありません。
大規模な補修が必要となる前に、メンテナンスを行いましょう。
芯木なし瓦棒の点検
続いてはトタン屋根、芯木なしの瓦棒です。
緩やかなカーブの屋根等、勾配がそれほどない屋根には、雨仕舞の高い瓦棒屋根が最適です。
通常の屋根材は、4寸ほどの傾斜(勾配)が必要です。しかし瓦棒には1寸程度の屋根にも使用することが出来ます。
緩勾配に仕上げることが出来れば、室内のスペースを広く確保する事も出来ます。
しばらくメンテナンスを行っていなかったせいか、錆の発生が著しく、屋根材の耐久性に不安を感じてしまう印象でした。
今現在は入居者様から雨漏り等のご相談もない為、屋根材としての役割は果たしているようです。
錆が発生する原因は、ずばり表面の塗膜劣化です。
金属屋根を保護していたはずの塗膜が劣化することで、徐々に腐食が進行してしまいます。
錆は一気に周りに拡大しますので、少しずつ錆予防をしていかなければなりません。
部分的に屋根材に剥がれが見られました。塗装の際にはしっかりと補修をしていきましょう!
カラーシミュレーション!希望は「藤色」
補修前に、仕上がりのイメージを固めることは非常に大切です。
まずはお客様の「何色系にしたい」「塗り分けをしたい」等の大まかなご希望をおうかがいした上で、カラーシミュレーションを作成させて頂きます。
今回のご希望は「藤色」、淡紫色(ライトパープル)ですね。
優しい色ですので、1色での塗装を行っても、2色での塗り分けも綺麗に仕上がりますね。
付帯部の色次第でアパートの印象も大きく変わりますので、全体を確認しながら使用色を決めていきましょう。
2色での塗り分けを行う際には、色差が重要です。同系色であれば綺麗にまとまりますが、色の濃淡が近いと、差が生まれずツートンには仕上がりません。
後ほど、最終確認の方法をご紹介いたしますが、イメージのカラーシミュレーションを見ながら、打ち合わせを行いましょう。
アパート屋根外壁塗装工事
工事に入る前に、近隣のお住まいへのご挨拶を行っていきます。
一般住宅であればそれだけで問題ありませんが、アパートの場合、最も生活に支障が出るのは入居者様です。
あらかじめ、工事のご案内・注意点等のご説明をさせて頂き、ご協力を頂きます。
塗装工事の際には、必ず足場仮設と飛散防止用のメッシュシート取付を行います。
しばらくこの状態が続きますので、洗濯物干し・日の入りでご迷惑をおかけしてしまいます。
塗装が終わるに近づき、メッシュシートや養生も取り外していきますので、しばらくの間ご協力のほどよろしくお願いいたします。
まずは高圧洗浄です。屋根から外壁や駐車場に向かいながら、高い水圧で汚れや旧塗膜を落としていきます。
通常の雨では雨漏りを起こさない場合でも、高圧洗浄を行う事によって、雨漏りが発生することもあります。
洗浄後は乾燥させる為に、作業を行いませんので、この時点で雨漏りが起きた場合、早急にご相談ください。
ちなみに瓦棒は、葺き替え工事だけでなく、屋根カバー工法も可能ですので、費用等のご相談はお気軽にお申し付けください。
洗浄後は目地の確認を行います。目地だけでなく、サッシ周辺のシーリング材の劣化が目立ち。隙間が発生しています。
シーリング補修は、目地が打替(再施工)、サッシ周りは増し打ち(既存の上から施工)です。
必ずプライマーで密着力を高め、シーリング施工を行い、剥がれ等を起こさないように作業を進めていきます。
シーリング材は、指定しない限りは安価なシーリング材を使用されることが多い為、塗料とのメンテナンスサイクルにズレが生じてしまいます。
このような問題が起きないように、高耐久塗料を使用する際には、高耐久シーリング材「オートンイクシード」のご提案をさせて頂いております。
丁寧にビニール等での養生を行い、塗料が付着してほしくない箇所の保護を行います。
養生は作業工程によって、撤去・養生を繰り返すことが多いです。
エアコンの室外機等にも養生は行いますが、窓を開けたい等ご希望がありましたら、でき得る限り対応させて頂きますので、お気軽にお申し付けください。
金属素材の塗装を行う場合、最も重要なのは【錆】の発生を抑えることです。
その為には防錆塗料を塗り、錆の発生と進行・拡大を防ぎ、塗膜保護を行う必要があります。
下塗りに1液ハイポンファインデクロ、中塗り・上塗りにはファインパーフェクトトップを使用しています。
塗装は下地処理をいかに、適切・丁寧に行うかで仕上がりを変えます。
雨漏りのリスクを抱えた箇所は丁寧に補修をし、錆止め塗料で悪化を食い止めます。
更に高耐候の塗料で仕上げることで、屋根材の寿命を延ばし、安全且つ綺麗に維持することが出来ます。
明るい色に仕上げる事で日射反射率も高く、屋根が暑くなりにくいという特徴を持ちます。
屋根が下から見えない、色にこだわりがないという方は、明るめの色のご使用をお奨めしております。
屋根塗装工事完了です。錆で赤く見えていたところも、全て綺麗な白色(ND-400)に仕上げ、光沢も蘇りました。
ファインパーフェクトトップは、塗膜の劣化の原因となる「ラジカル」の発生を抑えている塗料です。
シリコン系塗料以上の耐久性・耐候性で、長期にわたってお住まいを守ってくれるでしょう。
続いては外壁塗装です。目地補修後は、硬化させる為に時間を置く必要がある為、まず施工2日目に塗り替えをするような事はありえません。
外壁塗装も、工程は屋根と大きく変わりません。下塗りパーフェクトサーフで、下地の密着性向上と塗料の吸い込み止めをしていきます。
続いてパーフェクトトップで中塗り・上塗りです。
1階が藤色の85-80H、2階はホワイトに近い藤色のJ85-90Dです。
パーフェクトトップはラジカル制御型ハイブリッド塗料、シリコン系ともフッ素系にも該当しないグレードです。
では何が違い、どの程度の性能を持っているのか?
ラジカルというのは、塗膜を劣化させるエネルギーです。つまりチョーキング現象などの原因がラジカルなのですが、塗料を調色する際の白色顔料「酸化チタン」がラジカルを発生させてしまいます。
パーフェクトトップは、ラジカル制御型酸化チタンを使用することで、劣化しにくい塗料に仕上がりました。
白色に近い色にしたい場合は、ラジカル制御型塗料の効果を充分に発揮することが出来るかと思います。
パーフェクトトップのもう一つの特徴として、色と艶の自由度が高いという事です。
通常多くの塗料は、艶有や艶なしなど仕上がりも決まっていて、顔料の関係から調色が可能な色も決まっている事があります。
無機やフッ素塗料は艶有、ナノコンポジット防藻+は淡い色を得意としている塗料、等です。
パーフェクトトップは、日本塗料工業会の色見本より選択が出来、10分・7分・5分・3分・艶消しと、細かく仕上がり艶を選ぶことが出来ます。
発注した時点で変更することは出来ませんので、慎重に選んでいくことが重要です。
見本板での色確認
どの色艶が良いですか?と聞かれても、分からないという方がほとんどです。そんなの当然です。
弊社では、カラーシミュレーションで大まかな色が決まりましたら、見本板を発注し、実際の塗料の仕上がりを確認していただきます。
室内ではなく、建物の外壁に合わせたり方角を変えてみたりと、様々な角度・時間で見て色を決めていきます。
サイディング外壁の場合はフラットな見本板、モルタルの場合はリシン吹き付け仕上げの見本板で、ご確認していただくことが可能です。
屋根外壁ととともに美観を左右するのは付帯部ですよね!まずは下地調整を行います。
錆が発生しているボルトは、サンダー等で表面を削り、錆の除去・目粗しを行っていきます。
細かな下地処理を怠ると、塗膜が剥がれやすくなってしまいます。
細かな場所ほど目が届きにくい為、しっかりと処理を行っていきましょう。
玄関枠の錆も同様です。下端は錆びやすく、錆が発生するとドアの開閉にも支障をきたします。
ドアの塗装を行う際には、ケレンをしっかり行わないと塗膜分が厚く仕上がり、ドアが閉まりにくくなってしまいます。
階段裏も下地を綺麗に整え、必要に応じて補修を行います。
塗装でもっとも大切なのは「下地処理」です。
逆を返せば、下地処理をしっかりとしていれば、あとはムラなく丁寧に塗るだけです。
入居者の都合に合わせて玄関ドアの塗装を行います。塗装後は数時間、服等が付着しないようにご注意ください。
階段・通路裏は、汚れが目立ちにくく、落ち着いた印象のこげ茶色(23-255)に塗り替えました。
軒天・雨樋はホワイト系で塗り直していきます。雨樋はつるつるとした表面ですので、新品であっても必ずペーパー掛けをし、無数の傷をつけます。
目粗しをすることで、塗膜の密着力が高まり、剥がれにくい塗膜を形成することが出来ます。
細かな箇所はハケで塗り込む【ダメ込み】と呼ばれる作業を行い、全体を均一にローラー塗りしていきます。
付帯部に使用している塗料は、屋根と同じくファインパーフェクトトップです。
外壁のパーフェクトトップと同様にラジカル制御型塗料ですので、塗膜の劣化を防ぎ耐久性の向上を目指します。
弱溶剤ですので臭気もマイルド、防藻・防カビ性で非常に綺麗な状態を維持することが出来ます。
親水化技術により、付着した弱い汚れを洗い流す低汚染機能も持ちます。
木部・鉄部・コンクリート・モルタル・サイディングと素材を選ばずに塗装することが可能ですので、ぜひご使用をご検討してみてください。
細かな箇所も、刷毛を使いこなし綺麗に塗り直ししていきます。
外壁下端の水切り金物も塗り直すことで、新築時のような外壁に仕上げることが出来ました。
通路の床の劣化が気になっていたため、摩耗に強い長尺シートを貼っていきます。
店舗や公共施設などの、良く歩く場所に施工されることが多く、耐薬品性に優れたもの、クッション性のあるもの等、用途によって性能を選びましょう。
まずは目地のシーリング材を撤去し、清掃を行います。
新たにシーリング材を打設し直し、充分に硬化させてから、長尺シートを隙間なく敷き込んでいきます。
マンションやアパートなど、雨が吹き込む場所でも滑りにくい表面にするために、ノンスリップシートはお勧めです。
アパートは若者だけが入居するわけではありません。アパートの間取り・条件等から、女性・男性、お子さん・お年寄りが利用しやすい環境を目指していきましょう。
隙間なく敷き込み、端はマスキングテープで養生します。
プライマー塗布後、コーキング材を充填し、雨水が下部に入らないように隙間を塞いでいきます。
長尺シートは一般住宅の室内床にも使用できますので、施工方法をご紹介します。
まずは長尺シートの長さを、施工面積に合わせてカットします。続いてはボンドを均一に広げ、シートを貼っていくのですが、ここでワンポイントです。
オープンタイムと呼ばれる時間を置いてから施工しましょう。接着剤には接着できる硬さが存在します。接着できない時間においても、ズレが生じる可能性がありますので、あえて時間を置いて乾かしてから施工を行いましょう。
継ぎ目の処理は、シームジェルか溶接棒を使いますが、長尺シートのタイプによって異なりますので、一度ご確認ください。
DIYの場合は、専用工具を必要としないシームジェルで、シートを溶かして繋ぎあわせていきましょう。
バルコニーの雨樋が破損しなくなっている場所があったため、新たに取り付けました。
雨樋があるはずの場所に雨樋がないと、雨水が落水し、想像以上の騒音、水や泥の跳ね、水たまりの形成を起こします。
建物周辺が土だと、雨水で削り地面までも傷めてしまいますので、早急に補修をしましょう。
階段の支柱錆は、板金でカバーを行い、雨水の浸入を防ぎました。
溶接で補修することは出来ますが、ほんの少しの範囲ですので、錆びにくいガルバリウム鋼板を加工し、取り付けました。
また階段踏み面のビスにも不具合がありましたので、膨れ補修とビス交換を実施しました。
工事を終えて
錆が目立っていた瓦棒屋根は、錆の除去と部分補修を実施。
錆止め塗装で劣化の進行・拡大を防ぎ、シリコン系グレード以上の耐候性を持つ、ファインパーフェクトトップで仕上げました。
明るい色での塗装によって、屋根表面の温度上昇も防ぎ、室内温度上昇の抑制にも繋がります。
オーナー様ご希望の藤色(淡紫色)で、綺麗なツートンに仕上がりました。
ラジカル制御型塗料は、白色に近い色で高い性能を発揮し劣化を防ぎます。
チョーキング現象の発生を抑えますので、美観性の維持に貢献してくれるでしょう!
屋根外壁塗装工事だけでなく、気になる部分の補修も行いましたので、長期的なメンテナンスフリーが図れるでしょう。
鉄部は錆、サイディング外壁は目地の傷みが、全体の劣化に影響を及ぼしてしまいます。
一度メンテナンスを行えば、しばらく心配なくお過ごしいただける建物になりますので、ぜひ定期的な点検と補修を心がけていきましょう。
アパートの塗装や屋根工事、雨漏りに関して不安を感じていらっしゃる方は、お気軽に街の外壁塗装やさんへご連絡ください。
無料点検の上、適切なメンテナンスをご提案させて頂きますので、安心してお任せください!
記事内に記載されている金額は2021年10月13日時点での費用となります。
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