船橋市のお客様より、屋根塗装のご依頼を頂きました。
屋根材・小屋裏の確認を行ったところ、劣化が進行し雨漏りの形跡が見られたため、屋根カバー工法をご提案させて頂きました。
足場仮設に伴い、目地補修・外壁塗装工事も行い、お住まい全体のメンテナンスをさせて頂きました。
ビフォーアフター
工事基本情報
塗装メンテナンスを検討しているスレート屋根です。スレート材は、セメントを主原料に薄い板状に形成している屋根材です。
瓦と比べ軽量で、カラーバリエーションにも富んでいる為、多くの住宅にも使用されていますね。
カラーベストやコロニアルとも呼ばれますが、これらは商品名を指し、スレート瓦が総称になります。
2004年以前の住宅には、健康被害で取り上げられたアスベスト(石綿)が含まれていますが、屋根として機能していれば全く問題はありません。
葺き替え等で解体する時が最も危険ですので、ご注意ください。
スレート屋根は表面を塗膜保護することによって、耐久性を維持することが出来る為、定期的な塗装が必要不可欠です。
施工前点検では、無数の苔やカビの付着・塗膜の剥がれが見られました。
これらは全て塗膜の経年劣化を表していますので、塗装メンテナンスには最適な時期ともいえます。
これ以上放置すると屋根材自体が傷み、浮きや反りを起こし割れやすくなりますので、早急に補修していきましょう。
縁切り確認
スレートは薄い形状の為、塗装後に屋根材の重なり部分が密着し、内部に入り込んだ雨水の出口を失ってしまいます。
すると屋根材に破損が見られなくとも、毛細管現象を起こし、雨漏りを発生してしまう恐れがあります。
毛細管現象とは、【細い隙間であれば雨水が重力に関係なく吸い上げられること】で、日常のあらゆるところで見られる現象です。
雨漏りを防ぐために、塗装時にはタスペーサーの設置や縁切り作業を行うのですが、縁切りが不十分なお住まいは多く見られます。
こちらのお住まいも、屋根材の重なりにヘラが入らない箇所が見られました。
後ほど、雨漏り確認の様子をご紹介いたします。
屋根の頂点に取り付けられた棟板金は、塗膜の剥がれと釘の浮きが見られました。
経年劣化で現れる通常の症状ですが、釘浮きは下地木材が腐食していると考えられます。
前回のメンテナンスで補修していない場合は、今回を機に交換を行いましょう。
無料点検では、補修をご希望の場所だけでなく、住宅全体の状態を確認し、お客様へご報告させて頂きます。
雨樋には歪みが見られました。現在は正常に機能しているようですが、歪んでいる雨樋は、少しの衝撃で破損してしまいます。
2階建てですので、雨樋交換をしようにも足場仮設が必須です。住宅1軒の足場仮設は20万円程度かかりますので、メンテナンスは出来る限りまとめて行い、サイクルコストを抑えていきましょう。
続いてはサイディング外壁です。
チョーキング現象は若干確認できる程度で、外壁材がしっかりと表面保護されている事が分かります。
サイディング目地上の塗膜には、ひび割れが見られます。これはシーリング材の柔軟性と、塗膜の硬さに違いがある為です。
ひび割れを起こさせない対策は、シーリングの後打ち施工です。ひび割れは起こしませんが、塗膜の保護が無い為、通常よりも傷みやすくなってしまいますので、メリット・デメリットを把握し、補修を行いましょう。
霧除けは塗膜の劣化が見られます。いずれ錆びてしまう鋼板等は、塗膜保護で劣化を防いでいく必要があります。
一度錆が発生すると周りに拡大し、更に進行すると鋼板に穴を開けるほど腐食してしまいます。
塗装時には錆止め塗料を使用すると、錆の発生・進行を抑制することが出来ます。
植物の多い敷地は、外壁に苔が付着しやすい傾向があります。
低汚染塗料や光触媒塗料を使用すれば改善すると思われがちですが、日当たりが悪く、雨の当たりにくい面は、塗料の性能が発揮できません。
立地の特徴も関係しますので、塗料ですべて解決できるわけではない事をご理解ください。
また植木が外壁に近く、接触している場合は、塗装の仕上がりを悪くしてしまいます。塗装前に植木の伐採が必要となるケースもございますので、点検時にしっかりと確認させていただきます。
小屋裏確認
屋根からの雨漏りを確認する為の最も分かりやすい方法は、小屋裏の確認です。
押入やクロ-ゼットの天井に、点検口が取り付けられている住宅は問題ありませんが、点検口が無い場合は、確認の為に取り付ける必要があります。
小屋裏には雨染みが見られました。少しの雨漏りですと、垂木や天井裏で乾き、室内に到達することはありません。
その為、気づかないうちに屋根材の構造を傷めている事もありますので、定期的に点検を行う必要があります。
こちらはカビの発生が見られます。
室内で確認できなくとも、湿度が高い・部屋がジメジメする・エアコンの効きが悪い・濡れたような臭いがする場合は、雨漏りを起こしている可能性があります。
雨漏りは塗り替えでは改善できませんので、屋根カバーか葺き替え工事が必要です。
スレート屋根の葺き替え工事を行う場合は、築年数からアスベストが含まれているかを必ず確認しましょう。
アスベストは取り扱いが難しく、処分する際には専門の業者に依頼する必要がありますし、費用もかかります。
費用を抑えたい場合は、屋根カバー工法をお勧め致します。施工方法やメリット・デメリットは、後ほどご紹介します。
今回は屋根カバー工法と外壁塗装工事と雨樋交換で、全体メンテナンスを行っていきます。
最優先とすべき補修は、なによりも雨漏りです。
屋根カバーで雨漏りを改善し、外壁塗装工事で築年数に応じたメンテナンスで、綺麗な状態を維持していきましょう。
カラーシミュレーション
施工前にカラーシミュレーションで仕上がりを確認していきましょう。
屋根カバーは屋根材自体を変更しますので、塗装とは違った見栄えになります。
今回は屋根材の完成イメージを、屋根部分に差し込みましたが、実際の施工例も提示し、お客様に色の選択をして頂きました。
外壁は原状回復、クリーム系、濃いブラウン系で検討していました。
実際に使用したい色の見本板を屋外で確認しながら、仕上がり艶も含め決めましたので、施工と一緒に後ほどご紹介します。
外装リフォーム(屋根カバー・外壁塗装)
材料の保管場所、工程等の打ち合わせを行い、施工を行っていきます。
工事前には近隣の方へご挨拶をし、工事中の注意点に関してお話をさせて頂きます。
施工中は車の出入り、埃や水の飛散等が考えられますので、作業時間や屋外への洗濯物干しを控えて頂く日程等をお知らせいたします。
しばらくの間、ご迷惑をおかけいたしますが、ご協力を宜しくお願いいたします。
施工の為に足場を組み、飛散防止用のネットを取り付けていきます。
まずは雨漏りの原因、屋根の補修です。
既存屋根の棟板金を取り外し、防水紙(ルーフィングシート)を重ね葺いていきます。
防水紙が雨漏りを防ぐ、最も大事な部分です。施工方法を誤ると、かえって雨漏りを引き起こす原因となってしまいますので、屋根も防水紙も、軒先から棟(頂点)に向かって重ね張りをします。
屋根材は金属屋根材、IG工業のガルテクト(色:シェイドブラウン)です。
屋根カバーのメリット・デメリット
屋根カバーは、既存屋根を残したまま施工することが出来る為、工期の短縮を図ることが出来ます。
処分代も不要の為、葺き替え工事よりも費用を抑えることが可能です。
屋根材が二重になるので断熱・遮音性能を高めますが、重ねた屋根材は軽量ですので、住宅に大きな負担も掛かりません。
金属屋根材は錆びにくく高耐久なガルバリウム鋼板ですので、次回のメンテナンスはしばらく考える必要はありません。
デメリットは、やはり屋根が若干重たくなりますので、以前よりも住宅への負担は大きくなります。
また雨漏りが再発した際には、どちらの屋根材が原因かが判別しにくくなります。次回の工事では、2枚分の屋根材を剥がす可能性もあり、処分費が嵩んでしまいます。
金属屋根材は錆びにくいですが、わずかな傷から徐々に錆が進行してしまいますので、メンテナンスは怠らずに行っていきましょう。
ガルテクトは、屋根材の裏側に断熱材が取り付けられていますので、薄い金属屋根材のデメリットをカバーしてくれる材料です。
葺き替え工事に利用しても、高い性能を発揮できますので、ぜひ屋根工事の際にご検討ください。
雨樋も同時に交換していきましょう。塗装メンテナンスの際に交換工事を行う事で、雨樋の塗装の必要性が無くなります。
続いては塗装工事の一工程目、高圧洗浄です。
数年で付着した汚れ・苔・カビに高い水圧を当て、そぎ落とすように洗い落としていきます。
家庭用洗浄機とは水圧が全く違いますので、普段清掃で取り除けない汚れや旧塗膜を落とし、綺麗にすることが出来ます。
傷んでいる素材は吸水しやすい為、しっかりと乾かす時間を設け、塗膜の膨れを起こさないように下地を整えます。
サイディングには、ボードの間に目地がありますので、シーリング材の打替えを行います。
劣化の程度が軽い場合は、増し打ち施工も可能ですが、ひび割れが少しでも発生している場合には、打替え施工をご提案しております。
ヒビの入っている下地の上に塗り重ねても、下地に影響を受け、ひび割れてしまうためです。
施工後は塗膜で表面を保護する為、経年劣化も起こしにくくなりますので、ぜひ補修は徹底的に行いましょう。
丁寧に塗り込み、一度住宅全体を白色に仕上げます。
軒天は湿気のこもりやすい部位ですので、通気性の高いケンエースG-Ⅱを使用します。
防カビ・ヤニ止め・しみ止め効果が高い為、塗り替え後は長期的に綺麗な状態を維持出来ます。
ラジカル制御型塗料 パーフェクトトップ
続いては外壁の仕上げ塗料、パーフェクトトップのご紹介です。
シリコン系やフッ素系と呼ばれる高耐久の塗料が知れ渡る中、パーフェクトトップは【ラジカル制御型塗料】と呼ばれる、少しずつ注目を集めている塗料の種類です。
ラジカルとは、「チョーキングを起こす原因」ともなる、顔料などの有機物を劣化させるエネルギーです。
この有機物には、淡彩色系を作る為の白色顔料【酸化チタン】も含まれますが、ラジカルによってチョーキング現象を起こし、劣化してしまう問題が起きてしまいます。
そんなトラブルを防ぐ為に、ラジカル制御型の酸化チタンを使用した塗料を、ラジカル制御型塗料と分類しています。
つまり淡彩色系を使用したい場合、劣化の起きにくいラジカル塗料は、シリコン系塗料よりも高い耐候性と耐久性を維持してくれます。
濃色で仕上げたい場合は、白色顔料の影響が少ない為、樹脂の強さに影響してしまいます。
使用色に応じて塗料のグレードを選ぶことで、塗料の性能を発揮させることが可能です。
使用色は標準色の他に、日本塗料工業会の見本帳の中から選ぶことが出来ますので、選択色は無限大です。
艶有から艶消しまで、仕上がりも細かく調整が可能ですので、同じ塗料でも全く違った風合いにすることが出来ます。
今回使用したのは、見本帳の22-75B、艶ありです。
2回塗り重ねることでご希望の色に仕上げ、長期的な塗膜を形成することが出来ました。
艶は数年で徐々になくなりますので、経年変化を楽しんでいただければと思います。
付帯部はマジックロン等でこすり、目粗しを行います。
無数の傷をつけることで、塗料が密着する表面積を広げ、密着性を高めることが出来ます。
特に新品の部材は表面が綺麗なため、入念に目粗しを行う必要があります。
下地処理後、細かな場所はハケでダメ込みをし、広い面はローラーで均一に塗り込んでいきます。
いずれ錆びる鉄部は、下塗りに錆止め+プライマーの塗料を使用し、錆の発生と拡大を防いでいきます。
凸凹の多い雨戸は、スプレーガンで吹き付け塗装をし、塗料垂れのない仕上がりにします。
付帯部塗装、特に雨樋が取り付けられる鼻隠しの塗装後に、雨樋を取り付けていきます。
白色の雨樋を取り付けることによって、住宅が大きく明るい印象に仕上がりました。
まっすぐに見えても、わずかな傾斜(勾配)がついていますので、集水器に向かってスムーズに雨水が流れるように仕上がっています。
住宅の気になる部位全てを補修し、綺麗なお住まいに蘇りました。
雨漏りも解消し、お客様の大事なお住まいに安心を与えることが出来ました。
雨漏りを起こしている場合は、塗装で解消することは出来ませんので、別のメンテナンスをご提案させて頂きます。
足場を組む際には、今回の様に気になる部位の補修をまとめて行っていきましょう。外装の気になる部位に関しては、街の外壁塗装やさんへご連絡ください。
点検・お見積り・火災保険等の書類作成・カラーシミュレーション等はもちろん、無料にて承っておりますのでご安心ください。
記事内に記載されている金額は2021年10月13日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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