サイディングの塗装工事にはシール材の改修も必要です

サイディングは工場で生産したパネルを建物に張りつけていく、外壁仕上げ材です。
サイディングパネルは搬入や施工性を考えて、それほど大きくは作られていませんので、パネルの継ぎ目が各所にできることになります。
サイディングの継ぎ目にはゴムのような伸縮性のあるシール材というものを充填して、雨漏れを抑止しています。
シール材は紫外線によって劣化し、築後10年程度で伸縮性が無くなり、表面に亀裂が入ったりサイディングから剥離したりします。
外壁塗装で保護できるのはサイディングパネル本体だけです。継ぎ目のシールは新しいものに取り替える必要があるんです。

こちらは10年ほど前に一度取り換えられたシール材です。
弾力性はまだ残っていますが、表面に亀裂が見られたりサイディングから剥離している部分もありました。
これらは改修時期に差し掛かっていると判断できます。

シール材はある程度厚みを持たせないと、その性能を発揮できず長持ちしません。
厚みを持たせるには古いシール材の撤去が必要です。これで5mm~10mm位の厚みが確保できるのです。
撤去が難しいところや古いシールが健全な部分は上から新しいシールを重ねる「増打ち」でも可としますが、厚みは1~1.5mm程度しか付けられませんので、劣化したシールには適切な対応ではありません。

シール材には、外壁に合わせてたくさんの種類があります。
箕面市のY様邸ではNB50という変性シリコン系シーリング材を使用しました。 変成シリコンは硬化後に塗装することができるのが特徴で、浴室や台所に使用されるシリコンシーリングは塗料を弾いてしまうため、外壁には使用しません。
また、このNB50の大きな特徴が”ノンブリードタイプ”であるということです。
「ブリードがないタイプ」ということですが、ブリードとはシーリング材に柔軟性を持たせるために添加された「可塑剤(かそざい)=油分」が次第にシール材表面に移行し、それは塗装表面にまで出てきます。
ブリードすると油分にホコリや汚れが付着して、その部分だけ黒く汚れたように見えてしまい美観を損ねます。
ノンブリードタイプは可塑剤を使用せずシール材に柔軟性を持たせることができるため、ブリードによる汚れを起こしにくいわけです。
建物をより長くきれいな状態で保つには、シール材はすべてノンブリードにすることが好ましいです。
気になるシール工事の費用は?
外壁塗装の広告やチラシには弊社も同じですが、シール工事の費用は含まれていません。
シール工事の費用は建物に使用されている数量によって大きく変わるからです。
サイディングの種類によって目地の多い建物、少ない建物、ほとんどない建物など、建物の大きさだけでは判断できないので、見積りの際に細かく計測して費用を算出しています。
いくつかの建物でシール工事にどれくらいかかったか紹介します。

現在施工中の箕面市Y様は18万円くらいですね。
サイディング目地のほか、窓周りや付帯部分のシールも行います。

猪名川町 ミサワホームのH様邸は20万円です。

箕面市の3階建て K様邸は12万円くらいでした。
外壁面積と比較して目地は少な目です。

淀川区の3階建てI様邸の外壁はサイディングではなく「ALCパネル」という材質で、サイディング同様パネル同士の継ぎ目にシール材が用いられている為、塗装時には改修が必要です。
I様邸では標準のシール材より耐候性が1.5~2倍も高い「オートン イクシード」というシーリング材を使用しました。
シール工事費用は25万円くらいでした。
記事内に記載されている金額は2017年12月16日時点での費用となります。
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