日本の住宅は2階建て住宅が多く、ベランダやバルコニーが設置されているお住まいも少なくありません。ところが、メンテナンスが疎かになってしまうことが多く、雨漏りの原因になってしまうことも多々あります。ベランダやバルコニーは、屋外に設置されているため、紫外線や風雨によって少しずつ劣化してしまいます。ベランダの劣化や雨漏りを防ぐためには日々のメンテナンスが欠かせないのです。今回は、ベランダ床に起こる劣化症状やメンテナンス方法などをご紹介していきます。
雨漏りを防ぐための防水工事
ベランダ床は、雨水の侵入を防ぐために防水処理されていることが一般的です。しかし、防水効果が永遠に続くわけではなく、月日が経つとともに徐々に防水層が衰えてしまいます。防水層が衰えてしまえば雨水の侵入が防げなくなり、雨漏りが起こってしまいます。居室内に雨漏りが起こったり、内側から外壁を傷めてしまうこともありますので、定期的に防水工事をおこない、衰えた防水層をメンテナンスしてあげる必要があるのです。
防水工事の種類
ベランダ床に防水層を形成するための防水工事には、いくつかの種類があります。下地の状態や建物の構造によって適する工法が異なってきますので、注意が必要です。ここからは、主な防水工事の種類について、それぞれの特徴をご紹介します。
ウレタン防水工事
ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する施工方法です。液体塗布のため、ベランダ床の形状を選ばずに施工することができます。また、ウレタン樹脂は柔軟性があり、建物の伸縮や基礎の動きに対応することができ、強度も高いため、ひび割れ等が起こりにくい特徴があります。
FRP防水
FRPとは、「Fiber Reinforced Plastic(繊維強化プラスチック)」の略であり、ガラス繊維シートにポリエステル樹脂を含侵させて防水層を形成する施工方法です。非常に頑丈で、耐久性に優れるうえ、軽量であり建物に負荷をかけません。また、施工時の硬化スピードが速く、ウレタン防水などよりも工期が短く済みます。しかしながら、頑丈ゆえに塗膜が硬すぎるため、建物の伸縮や基礎の動きに追従することができずにひび割れてしまうことがあり、動きの多い木造住宅などの施工には向いていません。
シート防水
シート防水は、ゴムシートや塩化ビニルシートを敷設して防水層を形成する施工方法です。屋上や陸屋根などの広い面積であっても一気に施工できるのが特徴です。昔はゴムシートが用いられるのが一般的でしたが、近年では、より上部な塩化ビニル製のシートの使用が一般的になっています。シートを貼る工法のため、床面の凹凸が多い場所での施工には、向いていません。
密着工法と通気緩衝工法
ウレタン防水やFRP防水は表面に塗膜を形成するため、塗膜防水と呼ばれますが、塗膜防水には、防水の種類とは別に、施工方法にも2通りのやり方があります。それが、「密着工法」と「通気緩衝工法」です。密着工法はその名の通り、床面(下地)と塗膜(防水層)を密着させる工法です。狭小地や元々の下地がウレタン防水の場合に用いられます。
一方、通気緩衝工法は、下地と塗膜(防水層)の間に通気性のある通気緩衝シートと脱気筒を設置する工法です。下地がコンクリートの場合や、雨漏りが発生している場合、下地に含まれる水分が蒸発した際の逃げ道を作ってあげる必要があります。逃げ道がないと、水蒸気が内側から防水層を押し上げて膨れや破裂といった症状が起こってしますのです。
定期的な清掃も行いましょう
ベランダ床やバルコニー床は、防水工事さえしておけば良いというわけではありません。屋外に設置されているがゆえ、風に舞った落ち葉や埃、土などが吹き込むのがベランダ・バルコニーです。これらの清掃も管理・維持していく上では必要なメンテナンスとなります。落ち葉や土が堆積してしまうと、雨水が正しく排水されなくなり、滞留した水分が防水層を傷めてしまいます。特に排水ドレンの周囲は注意が必要です。ベランダに降った雨水が集まる排水ドレンの周囲は、そもそも劣化が早い部位ですので、異常がないか定期的に確認してあげましょう。一般的に、ドレンは金属製のものが用いられることが多いため、油断していると錆が広がり、腐食してしまいます。防水層のひび割れなどと併せて、ドレン廻りの不具合は、住宅の雨漏り原因の中でも定番の一つです。
まとめ
住まいのベランダ、あまりお手入れができていないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?ベランダやバルコニーは洗濯物を干したり、外の空気を吸ってリフレッシュしたりと、生活していく上でも非常に便利な空間です。長く安心して使用していくためにも、定期的な点検やメンテナンスを欠かさないようにしましょう。
記事内に記載されている金額は2023年06月30日時点での費用となります。
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