住まいのメンテナンスについてお話を伺います。
「初めてのメンテナンスで、予想以上の費用がかかりましたか?」
一部の方は妥当だったと感じているかもしれませんが、他の方は価格に関する意見が様々です。
「何故こんなに費用がかかるのか?」
「なぜ業者ごとに提案が異なるのか?工事の目的は何?」
本来は塗装だけの予定だったのに、別の工事も必要になってしまったという方も多いかと思いますが、これには原因とそれを回避するための対策が存在します。今回は屋根工事・修理の様々な種類と相場についてご紹介いたします。
お住まいを建てて10年ほど経過すると、外壁の汚れや色あせが気になってくるのではないでしょうか。また、住宅の施工業者による10年点検を実施したところ、メンテナンスを勧められることもあるでしょう。
屋根材と外壁材の汚れや色あせは、ほとんどの場合は表面の塗膜が傷んでいることが原因です。塗膜の傷み以外にも、以下の症状があるとメンテナンスをしなければいけません。
☑ 外壁材の間にある目地が割れている
☑ 外壁材にクラック(ひび割れ)が発生している
☑ 釘が緩むなどして棟板金が浮いている
上記はあくまで一例ですが、屋根と外壁は雨風の影響をまともに受けるので、大雨や台風によりこのような症状が発生することもあります。
雨風や紫外線による影響を受け続けている屋根と壁は、気がつかない内に小さなダメージをため込んでいます。築年数が10年以上のお住まいでは塗装のみのメンテナンスで済むことは珍しく、想定以上の出費になることもあるのです。
屋根は雨風や紫外線によるダメージが外壁よりも大きいですが、普段の生活ではあまり見ることのない場所にあります。そのため、悪質な業者に高額な見積もりをされたとしても、気づかずに契約してしまうかもしれません。適正価格で適切なメンテナンスをしてもらうためにも、屋根修理にかかる費用の相場を必ず把握しておきましょう。
クラック(ひび割れ)のシーリング補修
クラックは最も多い屋根の損傷で、瓦やスレート以外の屋根材であっても起こります。経年劣化だけではなく、台風などで飛んできたものがぶつかって屋根にひびが入ることも。化粧スレート屋根は塗膜が劣化するとひび割れが発生しやすくなるため、定期的に塗装をしなければなりません。クラックがある場合は、損傷が大きくなければ交換せずにシーリング材で処置をします。化粧スレートの交換は大掛かりなので、時間もコストもかかるためです。瓦の場合は、ひび割れている部分だけ同じ種類のものに交換することで対応が可能です。
セメント瓦やモニエル瓦は生産が終了しているので、一部の交換ではなく屋根全面の材料を変更する工事になるかもしれません。
棟板金の交換(5,500円~/m)
棟板金は化粧スレートやアスファルトシングル屋根材の頂点にある棟をカバーしている部材です。屋根の中でも風を受けやすい部分なので、強い風が吹くと浮いたり剥がれたりすることもあります。棟板金は釘によって貫板という木材に打ちつけられて固定されています。釘や貫板が傷んでくると固定度が弱まって、強風時に釘が抜けて棟板金が外れてしまうのです。塗装したのに雨漏りする場合は、縁切りが十分でないことや棟板金の劣化が原因かもしれません。
化粧スレートやアスファルトシングル屋根をメンテナンスする際は、棟板金の状態も確認しておきましょう。塗装が完了した後に棟板金を取り替えると、屋根材と色が違ったり塗膜を傷つけることもあるので注意が必要です。
谷板金交換(20,000円~)
谷板金は屋根材同士が接して谷になる場所に取り付けるので、雨水が集中しやすい部材です。そのため、谷板金には腐食しにくいガルバリウム鋼鈑や銅板、ステンレスなどの材料が多く使われています。耐久性の高い材料で作られている谷板金ですが、定期的に手入れをしなければ雨漏りの原因になることも。雨水が繰り返し流れるうちに谷板金に錆が発生し、穴が開いてしまうかもしれません。谷板金だけを取り替えることは難しく、周辺にある損傷がない屋根も交換する必要があります。谷板金が傷むと大規模な屋根の交換工事になる可能性もあるので、メンテナンスを行う際は必ず状態を確認しておきましょう。
漆喰の詰め直し(5,000円~/m)
和瓦やセメント瓦を使った屋根では、棟と瓦の間を埋めるために漆喰が塗られています。漆喰は雨の浸入を防いだり屋根材を密着させる目的で施工されていますが、地震や台風の影響で損傷することも。セメント瓦をメンテナンスで塗装をする際は、漆喰の詰め直しも必ず行っておきましょう。和瓦は塗装メンテナンスを行う必要がないのですが、漆喰は必ず劣化するためメンテナンスフリーというわけではありません。雨漏りを防ぐためにも定期的に補修を行うことをおすすめします。
棟瓦の調整や取り替え(11,000円~/m)
棟瓦は瓦屋根の頂点にある棟をカバーしており、漆喰と密着している部材です。そのため、漆喰が傷むと棟瓦にも悪影響があり、雨水が浸入する可能性が高くなります。棟瓦を取り替える際には、位置を調整することも可能です。瓦がずれていると雨漏りの原因にもなるので、漆喰の詰め直しを行うタイミングに併せて、15~20年間隔で棟の調整を行いましょう。
瓦の下にある防水紙が傷んでいると、屋根全体の工事をする必要があるかもしれません。棟瓦の取り替えの際は、防水紙の状態も確認しておくことをおすすめします。
屋根の塗膜保護(弱溶剤168,000円~ 遮熱198,000円~)
下記の屋根は塗膜により保護されているので、定期的に塗装によるメンテナンスが必要です。
・化粧スレート
・アスファルトシングル
・セメント瓦
棟板金の取り替えやひび割れ補修のためのコーキングなどは塗装前に行い、その上から塗装をすることでキレイな仕上がりになります。
また、塗装により屋根材を保護することで雨水や紫外線のダメージを軽減できます。屋根は外壁よりも雨風や紫外線の影響を受けやすいので、外壁よりもグレードが高い塗料を使いましょう。耐久性だけではなく機能性も考慮した塗料選びを行うことで、お住まいの断熱性を向上させて、空調の負荷を軽減することも可能ですよ。
化粧スレートの屋根はタスペーサーによる縁切りが重要ですが、正しく縁切りがされていないお住まいから雨漏りのお問い合わせをいただくケースが多数あります。化粧スレートの屋根工事では、見積書などにタスペーサーの項目があるのかを必ず調べておきましょう。
陸屋根の防水 49,800円~(トップコートのみの価格)
陸屋根は屋根勾配がないタイプの屋根で、防水材を施工することがほとんどです。陸屋根には防水シートを貼ったりウレタン樹脂を塗装することが多く、15~20年間隔でのメンテナンスが必要になります。紫外線や雨の影響で防水層が劣化したり、地震や台風などの揺れでヒビが入ることも。また、立ち上がりや排水口の劣化が原因で雨漏りすることもあるので、屋根部分と合わせて状態を確認しておきましょう。
ベランダやバルコニーで使われることが多くなってきているFRP防水をご存知でしょうか。耐久性の高さが大きなメリットですが、硬くて伸縮性がないため広い屋根に施工してしまうと地震が起きた際に傷んでしまう可能性が高いです。陸屋根には不向きな材料なので、注意しておきましょう。
天窓の簡易補修(55,000円~)
天窓交換 スレート張替え+新規天窓の設置(400,000円~)
天窓(トップライト)は建物の屋根に取り付けられる窓で、様々なメリットがあります。部屋の中が明るくなったり部屋が広く見え、意匠性にも優れた設備です。天窓は屋根に穴を開けて設置されるため雨漏りのリスクが高く、定期的に状態を確認しなければいけません。天窓の補修は10年ほど、取り替えは20年ほどで行うことが理想とされています。補修や取り替えの際には周辺にある屋根材も撤去しなければいけないので、まとめて工事を行うとコストを抑えることができますよ。
外壁と屋根のメンテナンスはできれば同時に行いましょう
ここまでは、屋根のタイプとメンテナンスにかかる費用について解説してきました。屋根の広さや劣化具合によってかかる費用に差はありますが、下記のように想定外の工事が必要になることもあります。
・塗膜の補修だけと思っていたが、腐食が進行していて屋根材の取り替えも必要になった
・ひび割れ補修だけのつもりが、棟や谷板金も交換する必要が出てきた
和瓦には基本的に塗装をしなくても問題ありませんが、漆喰の劣化や瓦の損傷により雨漏りが起こる可能性があります。塗装が必要な屋根と同様に、定期的に状態を確認して適切なメンテナンスをしておきましょう。
化粧スレートやセメント瓦、アスファルトシングルなど塗膜の保護が必要な屋根材は、塗装だけをすればいいわけではありません。
「棟板金が浮いたり剥がれたりしていないか」
「棟瓦に損傷やずれはないか」
「漆喰に隙間やヒビが生じていないか」
上記の状態も合わせてチェックして、必要があれば補修や取り替えを行いましょう。
屋根のメンテナンスには足場を設置する仮設工事も必要で、費用は決して安くはありません。外壁の工事にも同様に足場が必要なので、屋根のメンテナンスと合わせて行うことで仮設工事にかかる費用を節約できます。屋根のメンテナンスをする際は、外壁の状態も同時に確認しておきましょう。
カバー工法や葺き替えによる全面的な工事が必要な場合もある
屋根の種類によっては一部を補修する工事ができないこともあります。化粧スレート屋根であっても、下記のような製品は塗装をしても状態はよくなりません。☑ ニチハ パミール
☑ セキスイ かわらU
☑ クボタ アーバニー・コロニアルNEO など
☑ 松下電工 レサス・シルバス
これらは屋根材自体に問題があるため、葺き替えやカバー工法の工事が必要です。
他にも、40年以上前に使われていたセメント瓦やモニエル瓦の屋根は、下地材や防水材が劣化している恐れがあります。雨漏りのリスクを考慮すると、屋根材自体に問題がなくても葺き替え工事をされることがおすすめです。
30年以上前に施工された化粧スレートも、一部の補修はおすすめできません。屋根材には耐用年数があり、一定の期間を過ぎると性能を発揮できなくなります。見た目ではキレイに見えたとしても、屋根表面の劣化が進行していると塗料と屋根が密着しません。塗料がすぐに浮いてしまい、高価な製品を使っても雨漏りが起こってしまいます。
屋根材自体の耐久性や状態に問題がある場合は、カバー工法や葺き替えで全体的な工事を行いましょう。部分的な補修を行ったとしても、すぐに雨漏りを起こして何度も工事をすることになる恐れがあるからです。屋根の工事では足場が必要になるということもあり、全体的なメンテナンスを1度行った方が何度も部分的な補修をするよりもコストを抑えられる場合があります。
最近では、金属屋根に取り替えて屋根を軽くすることで、地震に対する耐久性を高める方法もあります。ガルバリウムやSGL鋼鈑のように耐用年数が長い材料を使えば、修繕回数を減らすことも可能です。1回当たりの工事費用だけではなく屋根の耐用年数や災害への強さなどを総合的に考えて、補修の方法を決定しましょう。
屋根や外壁の損傷は、一見すると大したことではなさそうに見えるかもしれません。そのため、多くのお客様は「大したことがない傷なのに申し訳ない」と専門業者を呼ぶことをためらってしまいます。
しかし、ご自身が大したことないと思っていても、雨漏りの原因になるような深刻な損傷である場合も。小さなひび割れや汚れなど些細なことに見えるかもしれませんが、早期発見をして対処することが損傷を最小限に抑えることにつながります。
お住まいのメンテナンスは、被害が軽度なうちに対応することが大切です。街の外壁塗装やさんでは無料で点検を承っておりますので、些細なことであってもなにか気になる点がございましたらお気軽にご相談ください。
また、街の外壁塗装やさんは塗装 だけではなく防水工事や屋根の補修にも対応しています。
「詳細な見積もりをしてほしい」
「屋根の劣化具合や損傷がないか調べてほしい」
「自宅全体がどのような状態かを確認してほしい」
上記のように少しでも気になる点があれば、街の外壁塗装やさんにぜひお問い合わせください。
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屋根と外壁は雨風と紫外線によるダメージが非常に大きな部位です。塗装以外にも棟板金や漆喰などの補修もしなければならない場合が多くあります。
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屋根のメンテナンスにかかる費用は、お住まいによって様々です。屋根の材質や形、劣化具合によって決まるので、ご自宅の状態を理解しておきましょう。
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屋根が損傷して雨漏りが起きると、住宅内部に深刻なダメージを及ぼします。屋根の劣化具合に応じた補修をしましょう。また、屋根のメンテナンスには足場が必要なので、外壁の補修も合わせて行うことをおすすめします。
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屋根材自体の性能に問題があり、部分補修や塗装によるメンテナンスができないこともあります。葺き替えやカバー工法などの全面的な工事が必要になるかもしれません。1回の工事費用は高くなるかもしれませんが、メンテナンス頻度を減らすことで長期的にかかるコストは抑えられます。
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少しのひび割れや汚れでも、お住まいに深刻なダメージを与える可能性があります。街の外壁塗装やさんでは、点検とお見積りは無料で行っています。被害が軽度であってももちろん対応させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。