アパートやマンション、工場、倉庫によく見られる鉄骨階段、錆びていませんか?
「錆はあるけれどそこまで深刻ではないから気にしていない」
「塗装がはげただけなので問題はない」
しかし、この油断が大きな課題を引き起こす可能性があります。
鉄骨は一度錆びると、塗装を行ってもせいぜい錆の進行を止めるだけで、強度を元通りに戻すことは難しいです。もしも破損すれば、大きなトラブルに発展しかねません。 毎日たくさんの人が利用する鉄骨階段だからこそ、安全に長く使用したいものです。 この記事では、鉄骨階段の劣化原因や塗装メンテナンスの重要性について詳しく解説いたします。
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鉄骨階段はどうして劣化するの?その原因とは?
マンションやビルのオーナー様のなかには、「耐久性が高い鉄骨階段を使ったものの、錆がひどく修理費用がかさんだ」とお嘆きになられている方も多いです。「耐久性が高い」と言われる鉄骨も、メンテナンスがいらないわけではありません。どんな素材であっても、メンテナンスは重要なことです。鉄素材は雨水や酸素と触れることで「イオン化現象」が起こるため、屋外にあれば100%劣化してしまうのです。
また、錆は湿度の影響が大きく、錆びが進む条件が「相対湿度60%以上」です。日本は雨が多く湿度が60%を超える日も珍しくありません。3日に1回は雨が降り、平均湿度は60~70%です。しかも、海に囲まれていることから塩害のリスクもあり、鉄が錆びやすい条件が揃っていると言えるでしょう。そんな「鉄が錆びやすい」環境で劣化を防ぐために重要なのが塗膜による鉄骨表面の保護です。
また、鉄骨階段にはモルタルやコンクリートが下地として用いられますが、これらの劣化にも注意を払わなければいけません。塗膜の劣化が進んで下地に水が浸透すれば、鉄骨階段の強度は相当落ちてしまいます。また、モルタルのクラックやコンクリートの爆裂などが起こると鉄骨の劣化が促進されるでしょう。つまり、塗膜の劣化は表面的な錆びだけでなく、構造の強度をも脅かすと言ってもいいのです。
あちこちのマンションやビルにて見かける鉄骨階段は、錆びているケースも多いですよね。見慣れているからこそ、多くの人が「劣化しても崩壊までしないだろう」と思い込んでしまう恐れがあります。“鉄骨”という強度の高い素材に加え、「みんな通っているから大丈夫」「これまでビクともしなかった階段だ」と考えられているケースも多いです。しかし、腐食による破損や崩落は突然起こるもの。階段が壊れることは使えずに不便なだけでなく、誰かがケガをするリスクとも隣り合わせなのです。
一度錆が発生すれば錆はどんどん拡大し
下地が腐食し階段が破損してしまいます!
大丈夫だろうと過信している人の多くは、「これまで大丈夫だったから」と言います。しかし、この何気ない思い込みが重大な事故へと繫がる可能性もあります。そこで、現段階で鉄骨階段に起こっている「劣化のチェック」と「危険度レベルの把握」をしましょう。理想的なのは、軽い劣化状態のときに補修を行うことです。しかし、既に劣化が進んでいる鉄骨階段でも諦める必要はありません。状態にあった適切なメンテナンスをすれば、補修もしっかりと行えるのです。
塗膜が剥がれた鉄骨に触れると、黒い粉のようなものが手につきます。手についた錆で衣服を触ると、もちろん汚れてしまうでしょう。また、その手で別の場所に触れてしまうとそこから錆や汚れが拡がってしまうこともあります。
屋外にある鉄部の劣化原因は、雨風の影響だけでなく、人の手から出る分泌物も劣化原因となります。人間の手には汗や塩分が入り混じっているので鉄には大敵です。
「錆が手につく」「一部分だけ」程度の劣化なら、もちろん階段の使用は可能です。特に大きな問題もないでしょう。ただ、一度発生した錆は放置してしまうとどんどん拡がっていってしまいます。しかも、内部から錆が進んでいれば塗膜がまとまって剥がれ落ちることもあります。この段階で「錆を除去したうえで塗装をする」というメンテナンスをしなければ、被害がさらに拡大します。
鉄は、錆びるほどに強度は落ちてしまいます。見た目で「ひどく錆びている」という箇所に触れると、ボロボロと表面が剥がれてきますよね。ただ、怖いのは鉄骨内部の錆です。錆の進行に気づかずに、いつものように階段を使っていたところ、「踏板が落ちた」「柱が折れた」という事故に繋がってしまったというケースもあります。大きな事故につながる前に、すぐにでも階段の使用は中止すべきです。状態に合わせた適切なメンテナンスを行わなければなりません。
鉄骨階段を長期的に安全に使うには、塗装によるメンテナンスが欠かせません。劣化の状態に気づいていながらも何も処置しなければ、見栄えはもちろん安全性にも不安が残ってしまいます。
それでは、次に鉄骨階段の塗装の施工手順を見ていきましょう。工事を依頼される際に、ある程度の流れを知っておくと安心です。
1.下地処理で劣化した塗膜や錆の除去
塗装前には、必ず下地処理を行います。剥がれた状態の上に塗装を施しても、すぐに再び剥がれてしまうため、劣化した塗膜はしっかりと除去しなければなりません。そこで、塗膜の劣化した部分と錆の除去による下地処理をします。軽い塗膜の劣化なら、下地処理にはそれほど時間がかかりません。しかし、劣化が全体的にひどくなっている場合は、塗膜がほぼ剥離することもあります。
2.ひどい腐食の場合は溶接補修
鉄骨の腐食は、進行すると部分的に穴があいた状態になります。美観性が損なわれてしまいますし、強度も相当劣るため安全面で大きな不安が残ります。すでに穴があいた箇所は、塗装を施したからと言って復活するわけではありません。塗装で回復できないほどの穴あきの場合、金物による溶接補修が必要です。ところどころに穴があいているケースなら、部分溶接補修で改善することができます。しかし、階段の踏板が全体的に腐っている場合は、踏板ごと交換する方が安心です。
3.錆止め塗装
下地調整をした後は、まずは錆止め塗料で下塗りをします。錆止め塗料には、防錆効果が高い顔料が使われています。強い皮膜が形成されるため、錆の原因となる水や酸素との接触を防ぎます。
かつて、錆止め塗料に使われていた鉛は、健康被害などのトラブルから使われなくなりました。赤色のイメージが強い錆止め塗料ですが、現在はカラーバリエーションが多くなっています。とはいえ、近頃でも錆止め塗料に赤い色が使われるケースが主流です。
下塗りに“赤色”を使うことで、中塗り・上塗り塗料と色にはっきりと違いが分かります。丁寧にしっかりと塗装されているのかのチェックポイントにもなるでしょう。
4.仕上げ塗装
下塗りとなる錆止め塗装により、“鉄骨”と酸素や水との接触を回避できます。ただ、錆止め塗料は紫外線の影響を受けやすく劣化が早いという性質があります。種類や環境にもよりますが、早ければ3年程度で錆止め効果が失われます。そのため、下塗りはもちろん、中塗りと上塗り塗装による仕上げ塗装も欠かせないのです。
鉄骨階段は屋外にあるため、「油性(溶剤)塗料で塗る」とお考えになる方も多いかもしれません。確かに油性塗料で塗るケースも多いですが、水性塗料での塗装もできます。屋外の状況にもよりますが、住宅地などで隣接するお住まいが多い場合、「油性塗料を使うと近隣に影響ないだろうか」とご不安な方もいらっしゃるでしょう。周囲への気配りも兼ねて、臭いが少なめの水性塗料を使うケースもあります。とは言え、やはり「耐久性が高い」のは油性塗料です。作業中の乾燥時間についても、油性塗料の方がスムーズに乾くため、屋外の鉄骨階段の塗装においては、油性(溶剤)塗料が選ばれるケースが多いです。
塗装する箇所や周辺環境に合わせ
しっかり使い分けましょう!
階段塗装の際に検討したいのが「モルタル補修」や「ノンスリップ設置」
階段の鉄骨部分がこれ以上老朽化するのを防ぐなら、塗装により解決は可能です。ただ、ここまでお伝えしたように、階段下地となるモルタルやコンクリートが劣化すれば、それにともなって鉄骨階段も劣化します。階段を塗装するときには、モルタル補修等も一緒に行うことが大切です。
下地のモルタルやコンクリートの劣化は
鉄骨階段の劣化も招いてしまいます
屋外にある階段の場合、多くの方が不安に感じているのが雨天時に滑りやすいことではないでしょうか。塗装により階段の劣化を防ぐとともに、安全面も考えてノンスリップの設置をすることもおすすめです。
「今まで滑らなかったのに、塗装後に滑りやすくなった」という声もあります。おそらく、塗装前は劣化した塗膜が水分を下地に浸透させていたものの、塗装後には防水効果により雨水が弾かれやすくなったことが原因です。塗装により防水機能が高まったことの証とも言えるでしょう。そのため、ノンスリップの設置は事故を防ぎ安全に階段を昇降するための対策になります。
住宅の場合、鉄骨階段の劣化により美観性は著しく損なわれます。工場やビルなど従業員が昇り降りする階段なら、鉄骨階段が劣化するほどに万が一の事故のリスクが高まるでしょう。
階段は、建物に住んでいる人や働いている人にとっては、毎日のように使う“なくてはならない”重要度の高い箇所。定期的なメンテナンスは、劣化の進行をおさえて回復させる目的もありますが、使用する人の安全面に対する最大限の配慮と言えるでしょう。また、メンテナンスは状況によって、最適な補修方法が異なります。階段の下地まで傷んでいればモルタル補修が必要ですが、これは左官業者によって行われます。コンクリート床なら防水業者、鉄骨柱の腐食なら溶接作業が必要なので板金業者が携わることになります。「階段がどんな風に劣化しているか」という症状によって、対応できる業者も異なってくるのです。
「板金業者による溶接作業は終わったものの、塗装業者のスケジュールが合わずにスケジュールに空間があいてしまった」「柱が腐食したのだけどどの業者に依頼するべき?」など、鉄骨階段のメンテナンスには複数の業者が工事に携わるため分からない点も多いかもしれません。私たち、街の外壁塗装やさんでは外壁塗装だけでなく、屋根や防水工事など外装リフォーム全般の工事を承っております。鉄骨階段を含め、お住まいやマンション等のことでお悩みのことがあればお気軽にご相談ください。
外壁塗装や屋根塗装、雨漏りに関する悩み、台風が通過した後のお住まい周りの状況点検、外構工事など、状況を点検しながら最適なメンテナンスをご提案しています。「点検や見積りをしてほしい」「施工内容について不安がある」などのご質問・ご相談はお電話でもメールでも受け付けております。ぜひ、お気軽にご相談ください。
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屋外にある鉄骨階段は、雨水や酸素などの物質により錆が起こります
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鉄骨が屋外にある以上、劣化は防ぎようがありません。しかし、下地が露出するほどの劣化が起これば事故のリスクが高まります。定期的なメンテナンスが大切です。
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塗装だけで解決できる場合もあれば、穴あきなどが起こっていて下地も補修しなければならないケースもあります。
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軽度の錆の発生なら、「そんなに急いで補修しなくてもよさそう」と軽視する方もいます。ただ、錆は周囲に拡大するものです。虫食いのようにところどころに穴があけば、下地に腐食が起こってしまいます。
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塗膜の剥がれや、錆の発生は、目で気づくことができる劣化です。そこで「まだ問題なく階段の昇り降りはできているから」と階段の劣化を放置すると、いずれ大きな事故につながることもあります。
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階段塗装で大切なのは、下地処理と錆止め塗装です。古い塗膜や錆びが残ったままの塗装は、塗膜が密着しにくいです。綺麗に下地処理ができてこそ、本来の耐用年数や安全性が発揮されます。
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錆止め塗装は、鉄骨の劣化の進行を止めることができます。錆止め塗装が全体的に丁寧に塗られているか判断しやすいように、中塗り・上塗りの塗料との色を変えることが大切です。
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鉄骨階段の塗装は、油性(溶剤)塗料だけでなく、水性塗料でも可能です。それぞれ、臭いの強さに差があるため、「どこに塗装するか」「周囲に配慮すべき場所か」などの状況をふまえつつ、使い分けるといいでしょう。
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屋外階段では、塗装などで劣化を補修すると、防水効果が高まって滑りやすくなるケースもあります。滑り防止対策としてノンスリップ設置も同時に行えば、安心感のある階段に仕上がります。
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階段の劣化による補修工事は、状態によって工事内容が大きく異なります。さまざまな業者が交互に工事をすることもあるでしょう。工事内容が塗装工事だけなら塗装業者だけで対応ができます。ただ、モルタルや溶接補修など下地の補修も必要となれば、複数の業者の日程調整が複雑化することもあるでしょう。階段塗装のご不安点は、些細なことでも構いません。私たち街の外壁塗装やさんにお気軽にお問い合わせください。