外壁塗装の耐用年数を長く維持したいのなら、塗料選びは欠かせません。
とはいえ、外壁塗装の耐用年数には塗料の他にも外壁材やお住まいの環境、気候によっても大きく左右されます。
多くの方々にとって、外壁塗装の耐用年数を長く保ちたいと考えていても、いざ最適な塗料を選ぶとなれば難しいでしょう。
そこで今回は、外壁塗装における塗料の耐用年数に焦点を当て、それぞれの特徴と耐久性の高いおすすめの塗料を実際に使用した施工事例とともにご紹介。
外壁塗装の耐用年数を長持ちさせたい方、必見です。
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外壁塗装の耐用年数で最も欠かせないのは、使用する塗料の耐用年数です。
塗料の耐用年数とは、外壁の物理的な摩耗(※)を加味し、実際に利用できると見込んだ期間のことで、塗装してから次の塗り替えが必要になるまでの年数を指しています。
※風雨や紫外線、砂、ホコリなどによる外壁の摩耗・劣化
外壁塗装の一般的な塗料の耐用年数は、10〜20年といわれています。
新築では30年もつような外壁材もありますが、一度でも塗り替えをした場合、10年ごとに塗り替えるのが外壁塗装の目安といえるでしょう。
なお、塗料の耐用年数は、使用される塗料の種類や建物に使われている外壁材、施工方法や塗装技術によっても変わります。
そのため、家の外壁材がどのような素材なのか、前回の塗料の耐用年数はどのくらいなのかしっかりと把握しておくことが重要です。
外壁塗装に使われる一般的な塗料の耐用年数と特徴
塗料の種類 | 耐用年数 | 特徴 |
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アクリル塗料 | 約5~8年 |
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ウレタン塗料 | 約7~10年 |
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シリコン塗料 | 約10~13年 |
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ラジカル制御型塗料 | 約12~15年 |
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フッ素塗料 | 約15~20年 |
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無機塗料 | 約15~25年 |
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上記以外にも、外壁塗装に使われる塗料はたくさんあります。
ピュアアクリル塗料や光触媒塗料、ナノテク塗料、また業者オリジナルの塗料など、さまざまな種類がありますが、製造メーカーが少ない塗料は耐用年数の信頼性に欠けるので注意しましょう。
先述した塗料の中でも、比較的耐用年数が高いのがラジカル制御型塗料、フッ素塗料、無機塗料の3種類でした。
耐用年数の高い3種の塗料から、特におすすめの塗料を紹介していきます。
ラジカル制御型塗料
ラジカル制御型塗料として代表的なのが、日本ペイントの「パーフェクトトップ」です。
モルタルや窯業系サイディングボードをはじめ、コンクリート、ALCパネル(軽量コンクリート)、鉄部、FRP(繊維強化プラスチック)、木部、金属サイディングボード、亜鉛めっき、アルミニウムなどいろいろな下地に使用できます。
パーフェクトトップの特徴
高作業性 |
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高耐候性 |
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高光沢 |
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防藻・防カビ性 |
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低汚染性 |
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築10年のALC外壁をパーフェクトトップで外壁塗装
築10年が経過した外壁、苔や汚れが気になってきたので外壁塗装をご検討。耐久年数の高い塗料での外壁塗装をしたいとのことで、仕上がりも美しいパーフェクトトップをご提案。
ALC外壁に傷みはなく、補修工事が必要なかったためメンテナンス費用も抑えることができました。
フッ素塗料
フッ素塗料として代表的なのは、日本ペイントの「ファイン4Fセラミック」とエスケー化研の「クリーンマイルドフッソ」です。
ファイン4Fセラミックの特徴
コンクリートやモルタルといったセメント素地から、鉄部やステンレス、アルミニウムなどの金属、硬質塩ビ、繊維強化プラスチックまで、下地を選ばずに塗装できる塗料です。
高耐候性 |
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耐汚染性・透湿性 |
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防藻性・防カビ性 |
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ファイン4Fセラミックによる外壁塗装でイメージチェンジ!
外壁は2種類の窯業系サイディングで、苔や藻が付着し防水性能が失われていました。
屋根の葺き替えと合わせ、これを機にできるだけ耐用年数が高い塗料でお住まいを丈夫にしたいとのこと。ファイン4Fセラミックによる外壁塗装で高耐久かつ、イメージチェンジも叶ったとお喜びいただけました。
エスケー化研「クリーンマイルドフッソ」の特徴
コンクリートやセメントモルタル、ALCパネル(軽量コンクリート)、スレート板、GRC板(ガラス繊維補強セメント)、鉄部、亜鉛メッキ鋼、アルミニウム、ステンレスなど、幅広い下地に適用可能な弱溶剤系塗料です。
超低汚染性 |
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超耐久性 |
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防カビ・防藻性 |
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透湿性 |
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無機塗料
無機塗料では、日本ペイントの「パーフェクトセラミックトップG」とダイフレックスの「ダイヤスーパーセランフレックス」が代表的です。
日本ペイント「パーフェクトセラミックトップG」の特徴
ラジカル制御技術にセラミックハイブリッド技術を融合することで、フッ素樹脂塗料を超える高耐候性を実現した、パーフェクトシリーズの最高峰といえる塗料です。
高弾性タイプの旧塗膜を除き、窯業系サイディングボード、モルタル、コンクリート、ALCパネル(軽量コンクリート)など、さまざまな下地に適用できます。
フッ素樹脂塗料を 超える高耐候性 |
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美しいつやと光沢 |
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超低汚染性 |
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難燃性 |
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防藻・防カビ機能 |
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透湿性 |
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高耐候塗料パーフェクトセラミックトップGで初めての外壁塗装
外壁にチョーキングが発生。将来のことも考え、苔や汚れが短期間で発生しない塗料はないか?とご相談いただき、様々な塗料の性能と費用についてご提案していくなかで、20年超の耐用年数が期待できるパーフェクトセラミックトップGで外壁塗装を行いました。
3年後の定期点検でも、気にされていた汚れの付着が一切なくキレイな状態を維持できているとお客様もお喜びでした。
ダイフレックス「ダイヤスーパーセランフレックス」の特徴
独自の「無機複合コアシェル構造」により、低汚染性と柔軟性を兼ね備えた変性無機塗料です。
特に蓄熱性の高い窯業系サイディングやALCパネル(軽量コンクリート)が多い戸建て住宅に適しています。
超耐候性 |
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柔軟性 |
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超z低汚染性 |
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透湿性 |
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防カビ・防藻性 |
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ダイヤスーパーセランフレックスで長期にわたって外壁を保護
耐久性の良い塗料で外壁塗装を検討していたお客様。外壁の汚れが気になり綺麗な状態を長く維持できないものか…、とお悩みでした。
使用したダイヤスーパーセランフレックスは親水性にも優れ、付着した汚れを洗い流してくれるセルフクリーニング付きの無機塗料です。
付着していた汚れもすっかり綺麗になくなり、イメージ通りに仕上がったとご満足いただけました。
外壁塗装の耐用年数に高い効果を発揮する塗料を紹介しましたが、下地材や塗装時期がわからなくては何も始められません。
外壁塗装が耐用年数を迎え、塗り替えが必要になっている外壁の劣化サインをわかりやすく解説します。
チョーキング
外壁を触ったときに、手に白っぽい粉がつく現象がチョーキングです。
塗料に含まれる色をつける顔料が経年劣化で露出してくるとチョーキングが起こります。
放置していると、下地の劣化につながり、建物全体の耐震性に悪影響を及ぼしかねません。
触ればすぐに確認できる外壁の劣化サインなので覚えておきましょう。
クラック
塗膜が劣化して起こるひび割れがクラックです。
髪の毛ほどの微細なヘアクラックから、下地まで損傷している可能性のある構造クラックまでいくつかの段階があります。
放置しているとひび割れが広がり、雨漏りや内部の腐食につながるだけでなく、シロアリなどの害虫が発生する恐れもあるので注意が必要です。
カビ・苔
塗膜が劣化し撥水効果が失われると外壁表面に水分が留まり、カビや苔、藻などが発生します。
カビや苔を放置したままにしていると、塗料の劣化を早めてしまいます。
日当たりの悪い北側の外壁などは、特にカビや苔で汚れやすいので、水を含ませたスポンジでこまめに掃除して汚れを取り除くのが望ましいでしょう。
剥がれ
外壁塗装の剥がれは、経年劣化によるものと、施工不良が原因のものに分かれます。
塗料は、メーカーやグレードでおおよその耐用年数が決まっています。
そのため、塗料の耐用年数を大きく下回る年数(2〜3年)で剥がれが生じた場合は、施工不良を疑いましょう。
錆び
金属外壁の場合、錆は天敵といえます。
塗膜の防水性が失われると、雨水が金属に直接触れて錆が発生します。
外壁の錆は、防水性が低下しているサインなので、放置せず早めに修復しておくことが大切です。
一般的に、塗料の耐用年数は10年〜20年が目安といわれています。
10年と20年では大きく差があり、「外壁塗装の耐用年数って実際どのくらいもつの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
外壁塗装に使用される塗料はたくさんあるので、塗料の種類をはじめ、外壁材、下地、立地条件、気象状況など、外部環境によって耐用年数は変わってきます。
それぞれの塗料メーカーがあらゆる試験を行い、おおよその耐用年数を定めているため、誤差も含めた目安として年数にばらつきが生じてしまうのは仕方のないことなのです。
なお、外壁塗装の耐用年数は、建物自体の法定耐用年数と同一とみなされます。
建物の法定耐用年数は、構造や用途によって定められており、国税庁のホームページからも確認できます。
建物の法定耐用年数
建物の構造 | 耐用年数 |
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鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造 | 47年 |
れんが造、石造又、ブロック造 | 38年 |
金属造 (骨格材の肉厚が四ミリメートルを超えるもの) |
34年 |
金属造 (骨格材の肉厚が三ミリメートルを超え四ミリメートル以下のもの) |
27年 |
金属造 (骨格材の肉厚が三ミリメートル以下のもの) |
19年 |
木造、合成樹脂造 | 22年 |
木骨モルタル造 | 20年 |
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=340M50000040015
ちなみに、外壁塗装の費用は高額になるケースが多く、オーナーや事業用の建物の場合は「減価償却」か「修繕費」で費用計上するのが原則です。
費用の合計が20万円未満かつ3年以内の周期で修繕を行っている場合に限り、修繕費として認められますが、それ以上の場合は高額のため減価償却で計上することが多いですよ。
外壁塗装は施工費用が高額になりがちですから、高額な費用負担を簡単には決断できないですよね。
とはいえ、安い塗料は外壁塗装の耐用年数には効果を発揮しないことが多く、結果的に塗り替えサイクルが短くなってその分費用がかかります。
外壁塗装の耐用年数を維持するために重要な、外壁をキレイに保つコツを3つお伝えします。
外壁塗装の耐用年数を長く保つには、やはり耐用年数の高い塗料を選ぶことです。
耐用年数が高いほど、外壁の劣化を抑えられ、メンテナンスの回数も少なく済みます。
紫外線や風雨の影響によって劣化が比較的早いコーキングは、塗料の耐用年数とは別物です。
コーキングが劣化すると、雨水の浸水や外壁の損傷につながりますから、塗装表面だけでなくコーキングのチェックも怠らないようにしましょう。
耐用年数が高く優れた性能を持つ塗料を採用したところで、実際に施工する職人に相応の知識や技術がなければ、塗料の性能は発揮されません。
施工業者を選ぶ際には、施工実績やレビューを調べたり、複数の業者から見積りをとって信頼できるところへ依頼しましょう。
お住まいの外壁塗装が耐用年数を迎えているかどうかわからない、どんな塗料をえらべば耐用年数を長く維持できるのか?とお悩みならまずは街の外壁塗装やさんにご相談いただければと思います。
豊富な施工実績と知識を元に、お客様のご希望とお住まいの将来を考えそれぞれに最適な外壁塗装をご提案いたします。
塗料をグレード別にご紹介!まとめ
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外壁塗装の耐用年数を長く維持するには塗料の耐用年数と建物の耐用年数を考慮する必要がある
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耐用年数が最も高い塗料は無機塗料であり、続いてフッ素塗料、ラジカル制御型塗料が挙げられます
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外壁塗装の耐用年数は10~20年が目安で、建物の耐用年数と同一とされています
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外壁にチョーキング、クラック、カビ・苔、剥がれ、錆びなどが発生している場合は外壁塗装が耐用年数を迎えているサインです
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外壁塗装の耐用年数を保つには、耐用年数の高い塗料選びをはじめ、コーキングの劣化に注意すること、外壁塗装の施工実績が豊富な業者に依頼することが重要