まずお問い合わせを頂きました料金プランですが、外壁と屋根のプランで分かれています。外壁のプランには足場の架設、高圧洗浄、外壁塗装、外壁3回塗り、雨樋・軒天・破風が含まれています。この住宅で見ると雨戸、幕板はプランとは別に塗装費用がかかります。下地の状態も合わせてみていきましょう!
馬を飼っているお客様です。初めて飼われている馬を見ました。ご夫婦で馬がお好きなようでお二人で大切にお世話をしているのが分かります。ではお馬さんが二度見するような住宅に蘇らせましょう! 上階を見てみると軒天の汚れの付着が多いです。広大な自然な土地ですので土埃が舞い上がり、軒天に汚れが付きやすい環境とも言えます。また、雨風にさらされやすいので腐食も気になる所です。もっと近くで確認していきましょう!
サイディングパネルに剥がれと苔の付着が見られます。また一度サイディングが欠けてしまったのか補修跡が見られました。外壁用の補修材を使用したようですが、経年劣化によりボロボロ崩れてきています。補修をするのはとても大事なことで劣化を防ぐにもいい方法ですが、塗装の前にはやり変えなければならないかもしれません。
左写真はアップ写真ですが、目地と幕板の継ぎ目に隙間があり、目地部分はバックアップ材が露出しているほどシーリング材が劣化しています。シーリング材は防水を目的に取り付けられています。建物の揺れを受ける役割もあるので耐久年数は3年~5年と大変短いですが、放置してしまうと雨水が住宅内部に侵入する可能性も高くなります。すでに肉痩せを起こしていますので一度打替える必要があります。 雨樋自体は錆びたり腐食はしませんが固定している金具は錆びていきます。塗装も可能ですが、塗っても錆は出てきてしまいますし劣化することで外れてしまいます。ここまで錆が進行している場合は取り替えてしまった方が良いかもしれません。
屋根の様子です。料金プランでは洗浄・3回塗りとなりますが、こちらのプランでは足場の架設が含まれていません。屋根の勾配や近隣の様子から必ず足場が必要になる住宅もありますのでいっそ;のこと屋根外壁を同時施工した方が全体的にお買い得になります。 苔が全面に発生しています。苔というと緑の印象が強いですが苔や藻・カビが屋根に発生した場合このような色になります。屋根の塗膜が劣化することで水分を吸ってしまいます。苔が付着する程度であれば特に問題はありませんが、月日が経つと紫外線で傷みスレート自体の浮きや反りの原因になります。当然割れやすくもなり屋根材だけでなく、防水紙にも影響が出始めてしまいます。
スレート屋根材、頂点の山型部分のみ板金で覆われる形になっています。頂点ですので当然風の影響も受けやすく、台風の際に棟板金が飛んだ~というお問い合わせは大変多く頂きます。新築であろうと棟板金の飛散は充分考えられます。そもそも棟板金は貫板と呼ばれる木材を2本這わせて固定、更に板金で覆い固定をしています。多くの住宅は釘で固定していますが、建物の揺れ・風で板金が揺れることにより少しずつ浮いてきてしまいます。釘が全て抜けても、釘を打ち付けている貫板が腐食しても棟板金を支えるものが無くなってしまいますので飛散してしまいます。 貫板が腐食している場合は取替えるしかありません。通常の木材の貫板は、雨が侵入することによって当然腐食しますので、弊社では費用は変わりますが、腐食しにくい樹脂製貫板タフモックでの交換もご提案させて頂いております。今回は貫板の状態も良く、釘がしっかり打ち直せたため特に補修の必要はありませんでしたが、釘がきいていない場合はステンレスビスで固定し直します。 スレートの割れは多く見られませんでしたので洗浄後の状況を見ながらコーキング;補修を行っていきます。
下地の状況を確認した上ででは塗り替えの仕上がりはどうしようか!とカラーシミュレーションを作成いたしました。今すぐに工事をしたいわけではないんだけど…という方ももちろんカラーシミュレーションを作成いたしますのでイメージを膨らませて頂けたらと思います!既存の仕上がりは1色のみでしたが、近年幕板で区切ってツートンにする住宅が大変増えています。左写真はクリーム系の暖かいイメージです。右写真は最近よく見にするモノトーン仕様です。
濃色の外壁も人気ですね、青色1色で引き締めても良いですし、白色を入れることで住宅全体が明るい印象になります。右写真は外壁ブラウンに合わせ樋も雨戸も茶系に合わせています。では何色に決めたのでしょうか、見ていきましょう!
まずは足場の架設です。シンプルな形ですので架設自体も大変ではありませんが、ウッドデッキの耐久性の方に不安を感じ、通常足場を乗せるところに置くことが出来ませんでした。一部宙に浮いている状態ですので作業中も足場の揺れに注意しながらの作業になります。 ここでもう一つの注意点、馬は五感が非常に発達した動物で、聴覚が特に優れているようです。普段は穏やかなようですが大きな音を聞くだけで落ち着きがなくなりパニックに陥ってしまうようで、足場の架設中、高圧洗浄時はお客様本人がずっと傍に寄り添ってくれていました。
高圧洗浄です。強烈な水圧で苔や汚れを落としていきますのでかなりの騒音になります。しかし高圧洗浄は塗装工事ではなければならない作業です。苔をしっかり根絶ちすることで塗膜が屋根材にしっかり密着します。苔の除去が不完全ですと苔の再発生や塗膜の剥がれに繋がります。屋根外壁ですと洗浄も1日かかると思いますが苔・カビ・藻・塗膜・チョーキング(白亜化)までも洗い落としていきます。
こちら屋根の洗浄後の状況です。苔と旧塗膜がすっかりなくなり、白い部分は屋根材の素地です。苔で見えませんでしたが、塗膜の効果は全くなく、屋根材を痛めてしまっていたという事です。ともあれ塗装は可能ですので下地処理をしていきましょう!棟板金のコーキングの劣化、スレート屋根材のひび割れを補修します。棟板金は隙間から雨水が入り、貫板を腐食させますのでコーキングでブロックします。
コーキングが硬化してから下塗りに入ります。屋根塗料は通常シリコン塗料からグレードを上げ、遮熱塗料、日本ペイントのサーモアイSiです。サーモアイは下塗りにも遮熱効果があり、仕上げ塗料で防ぎきれない赤外線を透過させ下塗りで反射させます。下塗りのシーラーですが、本来は仕上げ材と屋根材の密着性を高める為、ムラなく仕上げるために塗りますが、それ以上に遮熱効果もあると聞くと嬉しいですよね。
全体塗装状況です。乾燥してからすぐに中塗り・上塗りにはなりません。スレート屋根材は屋根材同士が密着することで雨水の流れ道がなくなり毛細管現象が起きてしまいます。そのため必ず縁切り作業が必要になりますが、従来は皮スキで屋根材同士の隙間を切って開けていく方法でした。しかし手間がかかるし時間が経つとまた屋根材同士がくっつく…という事で縁切り用道具「タスペーサー」で意図的に隙間を設けます。こうすることで塗装後にも隙間が埋まることも無く塗装後の屋根に登って作業をする必要もありません。 タスペーサーは1枚の屋根材に対して2個ずつ15cmの間隔で取り付けていくW工法を行っていきます。
タスペーサーを取り付けてから中塗り・上塗りです。サーモアイSiのクールジェノバブラウンは日射反射率36%です。といったように艶有全40色でも日射反射率は色によって異なります。サーモアイの遮熱性は屋根表面温度を最大30℃削減、室内でも最大2.5℃削減、電気代も最大約27%削減できたといった事例があります。夏、2階が暑くてエアコンを使いっぱなしだな、と心当たる方がいましたら塗り替えのタイミングで遮熱・断熱塗料にも目を向けてみましょう!
続いては外壁の塗装です。外壁も洗浄後、すぐに塗装とはいきませんので作業工程を見ていきましょう!まずは劣化した目地のコーキングを打ち替えます。既存のコーキングは切れ目を入れて引っ張るとこんなにスッと取れていきます。隙間に残っているコーキングはカッターで丁寧に削り取ります。小さな作業ですが、耐久性にしっかり反映されますので細かく見ていきます。コーキングを取った後に目地に見えるのはボンドブレーカーでコーキングの接着を妨げるものです。「くっつかないといけないんじゃないの?」その通りです。接着はしなければなりません。ただ、接着は目地の両端のみで、奥は接着しないように措置をしなければなりません。2面接着にすることで建物の動きに追従出来る目地にすることが出来ます。
コーキングの密着力の為にプライマーを塗っていきます。そしてコーキングの充填をしてすぐにマスキングテープを剥がしていきます。これを全ての目地で行い、シーリング材が硬化するまでは外壁はストップです。コーキングは塗装の前か後か、使用する塗料によっても順番は変わっていきますのでこの順番がすべてではありません。
では目地の硬化を待つ間に付帯部の塗装をしていきましょう。軒天は日本ペイントのケンエースN-90(グレーに近い白)で塗っていきます。真っ白に塗装する場合は白で問題ありませんが、軒天は先ほども言いました通り大変汚れやすい場所でもあります。少し灰色がかった方が汚れが目立たないという点もありますよね。軒天は日陰により若干暗めに見えるケースが多い為、なるべく明るめの色に仕上げた方が住宅全体の印象も明るくなります。ケンエースは水にも比較的強い為、湿気のこもりやすい軒天部分には最適な塗料です。 続いて破風板・雨樋ですが、そのまま塗装をしても数年後塗膜が剥がれる恐れがあります。ケレンで材質に傷を付けることによって塗膜との接触面積を増やししっかり密着させます。これはたとえ雨樋が新品の物であっても一度削ります。もったいないと思われる方もいらっしゃいますが塗装を長持ちさせるために必要な工程ですのでご了承ください。
塗っている状態はこのような感じです。ペーパーで削る為、点検時よりも明るく白っぽくなりますが、黒で塗装していきますので全く問題ありません。付帯部・軒天は基本2回塗りで仕上がらない場合は3回塗りをしていきます。
外壁の塗り替えに入ります。塗料は日本ペイントのパーフェクトシリーズ。1液水性ラジカル制御型ハイブリッド高耐候性塗料といい、シリコン塗料ではありませんが、シリコングレードを超える高耐候性・高耐久性を持っています。転写性・隠ぺい性にも優れ、濃色から淡色への塗り替えにも最適です。近隣の方への配慮も忘れず、水性塗料の為臭いも気になりません。下塗りで一度真っ白に塗り潰していきます。下塗りを全体的に塗装することで仕上げ塗料の吸い込み抑え、ムラない仕上がりにすることが出来ます。
仕上げ塗料はパーフェクトトップ、1階がG15-20B、2階がND-010のツートンです。塗料には様々な特徴があり、色の仕上がりから艶の有る無しも変わっていきます。パーフェクトトップは艶有・7分艶・5分艶・3分艶・艶無しと選択肢が大変多いです。防藻・防カビ機能を持っていますので塗り替え後に綺麗を維持することが出来ます。低汚染で雨だれによる外壁の汚れも防ぎます。
中塗り・上塗り状況です。もともとサイディングに凹凸感があるため、しっかり模様として出ていますね!
玄関周り、外灯のガラスも一回取り外し清掃、2階外壁の塗装完了状況です。幕板を境に白とブラウンでメリハリがあります。またサイディングの模様がうまく活かされていますね! 塗装終盤に差し掛かり、窓が汚いとお客様に言われてしまい清掃に向かいましたが、室内側が曇ってしまっていました。恐らく湿度が多くなり、塗装中換気も出来なかったため結露してしまったのでしょう!また通気をしっかりすることで窓内の結露は解決すると思います。
記事内に記載されている金額は2021年06月24日時点での費用となります。
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