
中央区を管轄する電気管理事務所のご担当者様より「キュービクルの塗装を検討しているので見積もりをお願いしたい」とのご依頼をいただき、現地調査に伺いました。
キュービクルとは、高圧の電気を建物内で使用できる電圧に変換するための機器を収めた設備です。
鉄製のボックス状の建屋になっているため、定期的なメンテナンスを行わないと塗装が劣化し、錆の発生は避けられません。
錆が進行して穴が開いてしまうと内部に雨水が入り込み、漏電を引き起こす恐れがあり非常に危険です。
今回の調査でも、全体的に塗膜の劣化や錆の進行による鉄部の腐食が確認され、早急な対応が必要な状態でした。
そのためお客様とご相談のうえ、耐用年数12~15年とされるクリーンマイルドシリコンを使用した塗装工事をご提案し、ご依頼をいただきました。

現地調査の様子をご紹介いたします。
こちらが今回、塗装工事をご検討されているキュービクルです。
建物が大規模なビルであるため多くの電力を変換する必要があり、幅6.7m・奥行き2.4m・高さ2.2mと大きな設備が設置されていました。
全体的に塗装の色褪せが見られることから、塗膜の劣化が進行していることが想定できます。
塗装面に触れると、白い粉のようなものが多く手に付着しました。
これは「チョーキング」と呼ばれる現象で、紫外線や熱の影響によって塗料に含まれる顔料が表面に浮き出てきてしまう劣化症状です。
チョーキングが見られる場合は塗料の寿命が近いサインとも言われており、メンテナンスが必要な時期を示しています。
さらに、一部では塗膜の剥がれも確認され、現状では軽度の錆が見られる程度でしたが、このまま放置すると錆が進行し、広範囲に広がる恐れがありました。
そのため、早めの塗装メンテナンスが望ましい状態でした。
キュービクル下部では
錆の進行により鉄部が膨らみ、塗膜が捲れている箇所が確認されました。
お客様もこの浮きを気にされていたため、補修処理を含めたご提案をさせていただきます。
さらに、
天板と側板の継ぎ目からは錆汁が流れ出し、茶色く変色して見た目にも影響を及ぼしていました。

キュービクル天板の様子です。
側面と同様に錆の発生や塗装の色あせ、さらにはチョーキングの症状が目立っていました。
また、ジョイント部分からは雨水が内部へ浸入しているとの報告もあり、漏電のリスクを考慮して防水処理も確実に行う必要がありました。
これらの状況をご報告のうえ、キュービクル塗装工事をご提案しました。
特にお客様が気にされていた錆による浮きの補修や、ジョイント部からの浸水対策も含めてご説明し、工事内容・費用ともにご納得いただき、弊社へ施工をお任せいただくこととなりました。
今回実施したキュービクル塗装工事の費用は、税込26万円です。
なお、キュービクル塗装の費用は設備の大きさや使用する塗料の種類によって変わりますので、詳細についてはぜひ「街の外壁塗装やさん」までお問い合わせください。
まずは下地処理から作業を始めます。
下地処理とは、その名の通り塗装前に下地の状態を整える工程で、「
ケレン」とも呼ばれます。
ケレンでは下地の清掃や古い塗膜の除去を行い、表面の汚れを落として塗料がしっかり密着できる状態をつくります。
この処理を丁寧に行うことで、再塗装後の塗膜の耐久性にも大きく影響するため、塗装工事において非常に重要な工程となります。
今回は電動工具のサンダーやカワスキを使用してケレンを行いましたが、下地の状態によってはさまざまな工具を使い分けて作業します。
特にお客様が気にされていたキュービクル下部の鉄部の浮きについては、錆をしっかりと除去したうえで浮きを戻し、アルミテープで補修処理を施しました。

今回は鉄部の塗装となるため、下塗り材には
エスケー化研の「マイルドザビガード」を使用しました。
この塗料は一般的に錆止め塗料とも呼ばれ、
錆の発生を防ぐ効果を持つだけでなく、「下地塗料」と「上塗り塗料」の接着性を高める役割も担っています。
さらに、乾燥時間がおよそ3時間と短く速乾性に優れているため、作業効率の向上にもつながります。
下塗り作業の様子です。
下塗りは
劣化した下地を整え、上塗り塗料の密着性を高める重要な工程のため、塗り残しのないよう丁寧に塗装していきます。
塗布後は十分な乾燥時間を確保する必要があり、これを守らずに次の工程へ進んでしまうと塗料の性能が十分に発揮されません。
そのため、必ず乾燥時間を守って作業を進めます。

中塗り・上塗りには、
エスケー化研の「クリーンマイルドシリコン」を採用しました。
耐用年数はおよそ12~15年とされており、耐久性に優れた塗料です。
クリーンマイルドシリコンは弱溶剤系で、シンナーを用いて希釈するタイプのため水性塗料に比べてやや匂いがありますが、密着性が高く幅広い下地に対応できる特徴を持っています。
色についてはお客様と打ち合わせを行い、N-45をご選定いただきました。
塗装完了後、
ジョイント部分には高耐久・高耐候型の「オートンイクシード」を使用し、シーリング処理を行いました。
隙間をしっかりと充填したことで、これまでのように雨水が内部へ浸入する心配はなくなりました。

キュービクルの塗装工事が無事完了しました。
全体的に塗装の劣化や錆が目立っていましたが、施工後は見違えるように美しく仕上がりました。
お客様が特に気にされていた箇所も丁寧に処理しておりますので、どうぞご安心ください。
ビル屋上は日当たりの影響を強く受けるため、塗装へのダメージも大きくなります。
定期的なメンテナンスが欠かせませんので、次回のご検討の際にもぜひお声掛けいただければ幸いです。
外壁や屋根のメンテナンスをご検討の際は、どうぞお気軽にご相談ください。
記事内に記載されている金額は2025年09月26日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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