足立区千住東で工場兼ご自宅にお住まいの方から建物についてのご相談を承りました。足立区は明治以降となると軽工業・重化学工業が発展したため、現在でもそのような町工場が残されています。お施主様の工場兼ご自宅は工場とご自宅、どちらにも傷みが出ていましたので、外壁塗装、室内塗装、バルコニー防水、屋根カバー工法と内外のリフォームを行いました。工場ということで、鉄骨の部分も多く、その部分の塗り替えも行っています。
施工内容
外壁塗装 室内塗装 防水工事 屋根カバー工事
使用材料
外壁塗装:パーフェクトトップ,鉄部塗装:錆転換塗料サビキラープロ,防水:DSカラーゼロ
工事費用
約195万円(外壁塗装・鉄部塗装・室内塗装・バルコニー防水)
もともとのお問い合わせは「建物が古くなってきて、強風で屋根材が剥がれてしまったり、他のところにも不具合が出ている」ということでした。屋根を点検させていただいたところ、確かに棟板金が剥がれています。屋根は瓦棒と呼ばれる金属屋根で画像で分かるとおり、屋根材の至る所に錆が出ています。
続いて外壁の点検に入ります。外壁はモルタルの玉吹きヘッドカット仕上げです。モルタルの外壁に骨材を混ぜた玉粒状の塗料を吹き付け、円形や楕円形の模様がついたところをヘッドカットローラーで玉の先端を平らにする工法です。他のモルタル外壁の仕上げよりも手間がかかる分、費用も高くなるのが特徴です。経年で大分、汚れが溜まっており、防水性も落ちているようです。
モルタルが剥落してしまった部分もありました。こうなってしまうと、防水性は皆無となりますから、壁の内部に雨水が染みていき、雨漏りや内部の腐食の原因となります。他に窓枠からのクラックもありました。こちらはしっかりと補修します。
バルコニーの床の土台となっている部分には大きなクラックがあり、補修された跡があります。そのバルコニーですが、床面の水切れが悪く、湿っています。こちらのしばらくメンテナンスしていないということなので、防水層を含めて工事を検討した方がいいでしょう。
そのバルコニーの手摺りですが、錆が拡がっています。強度的に問題はないでしょうが、触ると手に付くし、布団などをそのまま干せませんし、問題ですよね。塗装で綺麗にしたいと思います。庇を起点にできたクラックは補修されていますが、今度は上方向にクラックが伸びています。
工場の入り口となっている軒天の部分です。鉄骨と折板屋根で構成されており、かなり錆が出ていますが、雨に濡れる部分でもないので、強度的には問題ないでしょぅ。ただ、今後の錆の進行を抑えるためのメンテナンスは必要です。シャッターボックスにもなかり錆が出います。
建物の築年数が大分、経過しているということでメンテナンスする項目も多くなってしまいました。まずは足場を仮設し、高圧洗浄をいたします。足場仮設後、これまで見えなかった部分、見にくかった部分の不具合が分かることもあります。また、高圧洗浄後に汚れが落ちたことによってハッキリとする項目もあります。そういったことをできるだけ少なくするのが私達プロの務めです。
まずはモルタルのクラックなど、不安を抱えている部分を補修していきます。サッシのシーリング部分を状態に応じて補修します。シーリングの傷みが進んでいる部分はこれまでのものを撤去し、打ち替えていきます。カッターなどを使いながら、撤去をしていきます。
シーリングを撤去しましたら、これから充填するシーリング材の密着度を上げるため、刷毛でシーリング材を塗布していきます。その後、シーリング材を充填していきます。
シーリング材の充填が終わりましたら、バッカーと呼ばれるヘラで均していきます。ある程度、乾燥たら、養生していたテープを剥がします。これで作業は終了ですが、硬化までにはあと少し時間がかかります。
続いてはクラックの補修です。今回はシーリングとメッシュシートによる補修を行います。クラックにシーリング材を充填した後、メッシュシートを貼りこみ、刷毛などで馴染ませていきます。
その後、樹脂モルタルを塗布して均していきます。これで、この部分のクラックは解消されました。今後、この部分のクラックで心配になることはありません。メッシュシートで引っ張る力を抑えることができるので、補修したクラックが再度、拡がってしまうということもないのです。
外壁塗装後、建物がどのように変化するかを塗装前にご確認いただくため、カラーシミュレーションを作成しました。CGによる再現のため、外壁塗装後には完全にこのようになるというわけではないのですが充分、参考になるとは思います。お施主様が選んだのは外壁がND-250のクリーム色と屋根が黒の組み合わせです。
今回はパーフェクトトップで外壁塗装を行うことになりました。パーフェクトトップはシリコン塗料とほぼ同じ価格ながら、期待耐用年数がそれよりも長いという特徴を持っています。塗膜の劣化の原因であるラジカルを発生させないように作られた塗料です。下塗りは外壁材に合わせてさまざまなものが用意されており、今回はモルタル外壁なので専用のパーフェクトトップフィラーを使います。
下塗りを終えましたら、乾燥を待って次の工程の中塗りに入ります。時間的には下塗りの次の日になることがほとんどです。この工程からお施主様にご依頼いただいた色で塗っていきます。柔らかなクリーム色が外壁な映えますね。
中塗りを終えたら、最後の塗装となる上塗りです。ここで中塗り後と上塗りを較べてみましょう。艶がある方の画像が上塗り後です。このように比較材料があれば、中塗りと上塗りの判断はつきます。弊社ではしっかりとした施工を行うために記録として各工程を撮影しています。
建物は鉄骨造りで、工場兼ご自宅ということから出入口の軒天は折板屋根の裏面をそのまま見せる造りになっていました。錆が拡がってきていますので、こちらも塗装していきます。まずはケレンで錆を落とします。錆止めとして下塗りに使われていた鉛丹色が剥き出しになっています。
その上にサビキラープロを塗っていきます。サビキラープロは赤錆を黒錆に変換させる塗料です。赤錆はどんどん化学変化が進み、金属をボロボロにしていきますが、黒錆は不導体被膜のため、それ以上、錆びることがないのです。赤錆も防止します。サビキラープロは下塗り剤としても使えますが、上塗り材としての用途にも耐えます。こちらは雨がかからない軒裏ですので、サビキラープロを3回塗布して仕上げとしました。
サビキラープロはめっき部分の錆を止める機能も持っています。めっき鋼板で作られたバルコニー手摺の錆止めにもサビキラープロを使用しました。ケレン後に塗布していきます。
こちらは直接、雨がかかる部分であることと、他の部分と共通の色にしたいため、サビキラープロを複数回塗ったのち、ファインパーフェクトトップで仕上げました。サビキラープロは金属部分ならば、他の油性塗料の下塗りとしても使えます。
バルコニーには防水層から形成し直す防水工事を行いました。これまでの状況から下地に雨水が染み込んでいる可能性が高いため、通気緩衝工法を選択肢しました。通気緩衝工法は下地に雨水が染み込んでいても、その上に防水層を形成できます。雨水を逃がす脱気筒を取り付けるので、水蒸気による膨れなど防水層に悪影響を与えないのです。
室内の一室は砂壁(聚楽壁)が使用されており、経年でその壁が崩れてきて困っているということでした。砂壁の原料は文字通り、川砂などです。まずはこの崩れを止めるためにガッチリ浸透プライマーを塗布します。
何かとんでもない色になってきましたが、この後、室内塗装するので問題はありません。ガッチリ浸透プライマーWはその名の通り、本当にしっかりと固まりました。仕上げの塗料の密着度も良好です。
室内塗装が完了しました。ガッチリ浸透プライマーのおかけで以前のように剥がれた砂でお部屋が汚れることもなく、お施主様も「お掃除の手間が減った」と大喜びです。これまでの手間や不便を解消するのもリフォームの目的であり、醍醐味です。
棟板金が剥がれ、錆でかなり傷んでいるということで、瓦棒屋根の改修もご依頼いただきました。屋根カバー工法で改修します。これまでの屋根の上に新しい屋根を被せるのが屋根カバー工法です。これまでの屋根の上に防水紙を敷いていきます。
防水紙の敷設が終わりましたら、新しい屋根材を被せていきます。ガルバリウム鋼板を加工した屋根材なので錆に強いことが特徴です。これで新しい屋根になりましたので、棟板金や屋根材が剥がれたりすることもありません。
竣工、外壁塗装と室内塗装、バルコニー防水と屋根カバー工法
外壁塗装と室内塗装、バルコニー防水と屋根カバー工法が竣工しました。これで今後は快適に安心して過ごせるでしょう。工場兼ご自宅という建物なので、鉄骨でできていますからかなり丈夫です。お手入れ次第では末永く快適に過ごせますので、しっかりと点検してあげましょう。
記事内に記載されている金額は2023年10月06日時点での費用となります。
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