
台東区橋場にお住まいのお客様より戸建て住宅の塗り替え依頼を承りました。前面はタイルの為塗装の必要はありませんが、側面は何度か塗られた跡のあるモルタル外壁でした。経年により塗膜の剥がれが見られたため適切な下地処理を行わないと綺麗に仕上がらないどころか、塗膜の密着性が悪く剥がれが生じてしまいます。今回は鉄部の塗装も行いましたので下地処理を含め、下地処理の様子から塗り替えまでしっかりご紹介させていただきたいと思います。
使用材料
外壁:パーフェクトトップ(ND-103)、付帯部:ファインSi(23-255)
調査にお伺いしたのは台東区橋場にある4階建ての戸建て住宅です。前面はタイルが使用されているため塗装を行う必要性がありませんが側面外壁と陸屋根、付帯部の経年劣化を確認した上で塗装メンテナンスをご検討されているとのことでした。両側面とも隣家との距離はわずか数十cmですので塗装は出来ませんが、手が届く限りは作業を行っていきたいと思います。また木造住宅と面している面はコンクリートブロック積みとなっておりこちらも塗装が必要ない状況をみると、新築時からこのような立地でも対応できるように考えられていたかもしれませんね。
今回屋根の形状としては屋上やバルコニーとも呼ばれる陸屋根(りくやね・ろくやね)です。特徴は後程ご説明いたしますが、陸屋根は簡単に出入りが出来ガーデニングや洗濯物干し等も出来るため、手摺が取り付けられているケースが非常に多いです。ステンレス製やアルミ製の手摺であれば錆びにくいため特に問題はありませんが、鉄製であれば外壁同様塗装で錆びの発生を抑えなければなりません。
タイルは吸水率も低いため雨水等で劣化しません。そのため塗装の必要性はありませんがいつまでも何もしなくて良いというわけではありません。というのもタイルや目地も飛来物や地震によって割れることがあります。すると雨水が入りこみタイル自体が剥がれ剥落することもあれば、
室内への雨漏りを引き起こすこともあります。そのため、塗り替えとは関係なく定期的なメンテナンスを行っていく必要があります。
こちらが陸屋根です。ビルなどには多く見られますが非常に傾斜(勾配)が緩やかですので排水がスムーズにできるのかという点がポイントになります。また屋根もなく常に太陽光に晒されているため、防水層が劣化しやすく雨漏りの原因になることも多いですので、トップコート(防水層の保護)や
防水工事(防水層の再形成)を検討しなければなりません。
そして鉄製の手摺はというと穴あき等の腐食は見られないものの、塗膜が劣化したことで錆が発生し防水層にまで流出していました。このまま放置してしまうと鉄部が腐食し防水層との間に隙間を作り、雨漏りを生じさせる恐れがあるため今の段階で塗装メンテナンスを行っておいた方が良いでしょう。
工事にあたってまずは足場仮設を行います。都内では非常に多いのですが、住宅に足場を仮設する際に「足場の脚が道路にはみ出ないか」という事はチェックしておかなければなりません。足場は外壁に対して80㎝程外側に立てられますが道路にかかる場合、通行される方の安全性を確保するためにも短期間であれば警察署長へ道路使用許可、数日にわたる場合は道路管理者へ道路占用許可を申請する必要があります。これには必要書類もいくつか必要となりますが、街の外壁塗装やさんではお客様の代わりに申請しますのでご安心ください。
足場を仮設し飛散防止・転落防止のメッシュシートを設置すれば通常の塗装メンテナンス通りの工程を踏んでいきます。まずは高圧洗浄で外壁に付着している汚れや苔等を削るように落としていきます。クラックが発生し洗浄で雨漏りを起こす危険があると判断する場合は、先にクラック補修を行うこともあります。
部分的に色が異なる外壁がありましたので恐らくご自身で何度か塗装されていたのではないでしょうか?場所によっては劣化によって塗膜の剥がれが見られましたが、上から塗っても密着性が上がるわけではありません。かえって新たに形成した塗膜も剥がれてしまう可能性が高くなってしまいますので皮スキでしっかり剥がし落としていきます。この工程は非常に重要ですが吹付塗装等で模様付けをしている外壁では仕上がりが異なってしまいます。どうしても均一に仕上げたい、補修箇所を目立たなくしたいという場合はパターン付けを行いますのでお気軽にご相談ください。
まずは下塗り塗料で表面とこれから塗る塗料の密着性を向上させます。次に使用したのがフィラーと呼ばれる凸凹を埋め平滑に仕上げる下塗りですが、マスチックローラーで塗ることで既存に似た模様に仕上げることが出来ました。吹付の場合はスプレーガンを使用していくのですが簡単に見えて非常に難しい施工方法です。というのも吹き付けもローラーも均等に塗らなければ綺麗に仕上がりませんので、吹付角度や距離を変えずに行わなければなりません。
下塗り塗料が充分に乾いた後は中塗り・上塗りと進んでいきますが、使用塗料は日本ペイントのラジカル制御形塗料「
パーフェクトトップ(ND-103)」です。シリコン系塗料やフッ素塗料とはまた違った塗料のグレードに該当しますが、これは塗料が劣化する原因「ラジカル」の発生を抑えるために開発された塗料です。色の調合に多用されるホワイトの原料はチタンです。このチタンは紫外線、酸素、水などによって劣化しラジカルを発生させ、チョーキング現象を起こしてしまいます。結果色あせや色ムラを起こしてしまうのですが、パーフェクトトップは高耐候酸化チタンと光安定剤を配合することでチタンの劣化を防ぎ、チョーキング現象や色あせを起こしにくい塗料となりました。
ホワイトを調色に使用しないブラック等ではあまり効果が見られないと思いますが、ベージュやクリーム、オフホワイト等それこそ住宅の人気色にあたる色には高い効果が得られます。
塗料のベースはアクリル樹脂やシリコン樹脂ですが、耐久性に優れておりシリコングレード以上の耐候性をもつと言われています。
鉄部もまずは剥がれそうな塗膜や錆をしっかり落としていきます。その後錆止め塗装で鉄と酸素・水の接触を遮断させます。昔は錆止めが赤かったという印象がある方も多いのではないでしょうか?昔は原料として鉛が使用されておりその鉛の色が赤かったのですが、現在は公害問題から鉛フリーの錆止め塗料が開発され、赤以外にブルーやグリーン、ホワイトといった錆止め塗料も多くあります。錆止め塗料を塗ると塗らないでは鉄部の耐久性は大きく変わります。しかし錆止め塗料は太陽光によって劣化してしまいますので、仕上げ塗料で表面保護を行っていくという事が非常に大切です。必ず錆止め塗料と仕上げ塗料は全く違った色を使用し、塗装したか分かるようにしておく必要があります。
一度錆止め塗料で全てホワイトに仕上げたら乾燥を待ち、今度はファインSiの23-255(こげ茶)で塗装していきます。ファインSiは隠ぺい性が非常に高く一回塗りでも綺麗に色が乗ります。これを2回塗りすることで下地の色も消え劣化が見えない鉄部に仕上がります。油性塗料ですが弱溶剤の為臭気はマイルドでどの素材とも相性が良く使用しやすい塗料です。
また艶有り、7分艶、5分艶、3分艶と仕上がりを選択できますので、お住まいの塗布箇所や素材に合わせやすいです。
手摺・階段共にこげ茶色で塗り築年数を感じさせない仕上がりになりました。
陸屋根の笠木部分と雨樋もこげ茶色に統一することで一体感のあるお住まいに蘇りました。笠木は異素材である外壁材の保護の為に取り付けられていますが、笠木が劣化することで雨漏りが生じ外壁材や室内への腐食を起こしてしまうこともあります。そのため継ぎ目に隙間が見られる、浮きや変形が見られる場合はコーキング材等で補修を行い劣化を防いでいきましょう。
多くのお住まいで使用されている塩ビ製の雨樋は太陽光に晒され続けることで柔軟性の素となる可塑剤が染み出し割れやすくなってしまいます。そのような破損を防ぐには塗装による塗膜保護ですので、外壁塗装等の機会にしっかり塗り直していきましょう。なお台風や雪、雹等の自然災害が原因で雨樋や屋根が破損してしまった場合は
火災保険を利用して補修することも可能ですので、ぜひ活用していきましょう。
その部位に応じて適切な下地処理を行ったことではがれにくく綺麗な外壁へと仕上がりました。合わせて鉄部も塗り替えましたので、しばらく錆びて穴が開いてしまったということもないでしょう。
今回の工事で施工保証10年をつけさせていただきましたので、今後は隔年定期点検を行い塗膜の劣化等をしっかり確認させていただきたいと思います。
隣家との距離が狭く工事が行えるか分からない、補修を行いたいが費用が心配だ、最低限の補修を行いたい等、お客様のご希望があるかと思います。街の外壁塗装やさんはその状況、ご希望に合わせて最大限努力してまいりますので、お気軽にご相談ください。点検・お見積りは無料にて承っております。
記事内に記載されている金額は2019年08月28日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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