四街道市のT様から築11年の外壁塗装のご相談です。10年を経過したことで外壁塗装はもちろん、白アリ点検をご希望でした。
外壁のジョリパッドの特徴を理解し塗装メンテナンスで綺麗に仕上げていきたいと思います。
ビフォーアフター
工事基本情報
点検の様子
築11年、今回はジョリパッドの外壁です。ジョリパッドはモルタルと同じ塗り壁ですが、フランス発祥で日本には1975年から使用され始めたようですね。
およそ15年かけて普及され、恐らくそろそろ最も多くのジョリパッド外壁がメンテナンスが必要な時期に入るのではないかと思います。
サイディングが多く普及されている中でも、塗り壁本来の温かみのある仕上がりは人気で好きな方も多いかと思います。
ジョリパッドの特徴としては高耐久(ひび割れを起こしにくい)、高い意匠性、F☆☆☆☆の安全性の高い商品の為内装にも使用できることです。
アクリル塗料と砂を混ぜ合わせ粘性を高めることで、塗り壁の弱点クラックの発生を防ぐことが出来るため、モルタルよりもお手軽に使用できるのではないでしょうか?
ジョリパッドのデメリットとして表面の凸凹に汚れが入りやすい、誤った高圧洗浄によって表面が削れてしまう可能性がある、使用する塗料に対して知識が必要といった点があります。
汚れの付着に関しては、高耐久で15~20年程度何もメンテナンスする必要もないジョリパッドの塗装のサインとして見るのに良いかと思います。
ジョリパッドの特徴を理解し塗装することで綺麗に塗り替えることが可能ですので、施工業者は慎重に選びましょう。
こちらは吹き付けタイル(モルタル)仕上げの擁壁です。大きくひび割れが入り見栄えが悪くなってしまっています。クラックは見栄えを悪くさせるだけでなく、内部に雨水を浸入させて耐久性を低下させる原因にもなります。
ひび割れの補修から行わなければ塗装も綺麗に仕上がりません。また通常に塗装をした場合ひび割れ部分だけが仕上がりが変わる可能性がありますので、打ち合わせの段階で仕上がりを統一させるのか、簡易的な補修とするのかを決めていきたいと思います。
続いてはスレート屋根です。スレート屋根はおよそ10年ごとの塗り替えを推奨されていますので、丁度良いタイミングですね。
新築時の塗膜が劣化し色褪せ・軒先に傷みが見られるますが、カバーや葺き替え等は必要ない経年劣化です。
雨樋には化粧カバーが設置されていますね。雨水のオーバーフローを防ぎながら住宅をスタイリッシュにも見せてくれます。色褪せが目立ちますので塗装の際に付帯部として一緒に塗り直していきましょう。
大屋根です。谷板金が2か所にある複雑な屋根形状です。このような場合、塗膜だけでなく雨漏りの原因となる板金の腐食もしっかりと見ていく必要があります。
下屋と同じく全体的な色褪せが目立ち、苔の付着も見られますね。塗膜が劣化すると雨水が屋根材自体を傷めてしまいひび割れを起こしてしまいやすくなってしまいますので、傷む前に塗装を意識しましょう。
安価な塗料で一時しのぎもひとつの手ですが、シリコンやフッ素等の高耐久塗料で表面保護することで艶が蘇り、住宅をしっかりと守ってくれるでしょう。
棟板金は棟包みとも呼ばれますが、屋根のてっぺん、スレートでは施工できない尖っている部分を保護している板金です。
屋根の頂点ですので風で飛散するようなことがあれば雨漏りを起こすリスクはぐんと高まります。その為しっかり釘で固定がされているのか、浮いていて雨水が入りやすい状態になっていないか、下地が腐食していないかを確認しておく必要があります。
下地はほとんどの場合木材です。雨水が入る状況であれば腐りますし、経年で割れやすくもなりますので定期点検、必要に応じて樹脂製の貫板への変更も検討していきましょう。
スレート屋根材は非常に薄い屋根材です。吸水と乾燥を何度も繰り返すことで屋根材の浮きや反りを招く恐れがあります。
塗装が出来ない程度にまで傷んでしまうと屋根カバーや葺き替え工事が必要になり、補修費用は塗装の比ではありません。
必ずしも塗装では大丈夫!ではなく、屋根材を取り替えることで住宅の為になることもありますが、しっかりとメンテナンスをすることで負担は最小限に抑えることが出来ます。
塗装の際には細かなひび割れも見逃すことなく補修をしていくことで、限界までスレート屋根を活用することが出来ます。
カラーシミュレーション
塗装前に仕上がりのイメージをカラーシミュレーションでお客様にご提案させて頂きます。
建物が高く屋根が見えないお住まいの場合は、それほど屋根と外壁の色のバランスは気にされなくでも問題はありません。
下屋は外壁との兼ね合いがありますので、相性の良い色なのか予め確認することが出来ます。
カタログのような小さな見本色で決定すると、実際に外壁面積に塗装した際に想像よりも明るく見えることがあります。面積効果と言われるものですが、小さな面と大きな面の見え方は全く違います。
そこで住宅全体に仕上がり色を使った場合のシミュレーションが非常に重要なのです。あくまでイメージですので、色の選択肢が絞り込めたらA4サイズの見本板での確認も行っていきましょう。
シロアリ対策
今回のメンテナンスでシロアリの対策を行いました。
まず、新築時に基礎の種類でシロアリ対策になるとも言われていましたが、住宅にはコンクリート・配管・配線部分など様々な箇所で隙間が生じます。
その為どのような住宅でもシロアリが発生するリスクは存在します。
シロアリは暖かく湿度が高い環境を好むため、換気が少ない床下等に生息する確率が高いのです。新築時に防蟻・防腐剤の噴霧を行って安心している方もいらっしゃると思いますが、薬剤の効果は5年程度の事がほとんどです。
湿った木材を好むシロアリは気づかぬまま放置しておくと、木造住宅をボロボロにしてしまいますので出来るだけシロアリが発生しない環境を作ることが大切ですね。
床下にミケブロックを噴霧していきます。薬剤の中には臭いがきつい、人体に悪い成分が入っているものもありますが、すでに居住されているお住まいのため、低臭・低刺激性の物を使用しています。
また高い防蟻性能で5年間の屋外テストも有効性が証明されています。床下全体にしっかりと噴霧しシロアリの発生リスクを抑えます。
余談ですが、白蟻は蟻の一種かと思われがちですが、正しくはゴキブリの仲間の一種です。木材だけでなくコンクリートやプラスチックですら食べてしまう害虫ですので、発見し次第対策を行っていきましょう。
屋根外壁塗装工事
外装工事では騒音や水の飛散、塗料の臭いなど近隣の方にもご迷惑をおかけしてしまいます。工事前には必ず近隣の方々へ工事に関してのご説明とご協力を頂きます。
打ち合わせを入念に行い足場仮設から行っていきましょう!
足場は外装工事には必須です。一般住宅の施工は仮設・解体ともに半日程の作業ですが、立地や作業スペースにより多少前後致します。
単管の移動には細心の注意を払い、倒れたりスタッフの転落などに繋がらないように組み立てていきます。
水や塗料の飛散を防ぐためにメッシュシートを取り付け高圧洗浄を行います。
敷地が広い場合や、隣の住宅との距離がある場合はメッシュシートを取り付けないケースもありますが、ほとんどは必要だと思います。
住宅に汚れが飛んだ・車に塗料が付いた等、後々の近隣トラブルに発展しないように慎重に作業をさせて頂きます。
屋根からしっかりと汚れ・コケ・カビ・旧塗膜を洗い流していきますが、外壁は水圧を下げて丁寧に洗浄をしていきます。
ジョリパッドは表面の乾燥は早いのですが、吸水をしてしまう性質があります。乾燥が充分にされていない状態で塗装を行うと、塗膜の剥がれや塗料によっては膨れを起こす可能性もあります。
洗浄後は充分に時間を置いて乾燥をさせていきましょう。
洗浄は屋根外壁だけでなく、サッシや駐車場まで全体まんべんなく行います。階段に付着していた汚れを削り落とすことで、見違えるほど綺麗になり足元が明るくなりました。
これだけでも気分は全く違いますが、塗装後はどうなるのだろうとワクワクしますね!
屋根塗装工事
屋根塗装です。まずは下塗り(1液ベストシーラー)で屋根材と仕上げ塗料の密着力を高めます。屋根材の吸い込み止めの役割もありますので、仕上げ塗料の無駄遣いも防ぎます。
乾燥後は毛細管現象を防ぐためタスペーサーを設置していきます。従来はカッターや皮スキで屋根材間を切る作業を行っていましたので、取り付けるだけで隙間を作ることが出来るタスペーサーは時間の短縮にも繋がります。
薄いスレート屋根材には縁切りが必須と言われますが、屋根材間に4㎜以上の隙間がある場合は必要ないようです。但しそこまで隙間が出来ている場合は、紫外線によって屋根材が浮いている為割れやすくなっています。状態が酷い場合はカバーや葺き替えに切り替えるのも一つの選択肢です。
スレートの細かなひび割れは補修でほとんど改善できますのでご安心ください。
屋根材は防水紙の劣化を防ぐための一次防水です。屋根材が割れたからといって雨漏りを起こすわけではありませんが、防水紙が露出することで傷みやすくなってしまいますので、細かなヒビも補修は行っていきましょう。
仕上げ塗料はファインシリコンベストのコーヒーブラウンです。耐UV性機能を強化し従来よりも耐候性が向上、色褪せしにくくなりました。
更に下塗りのベストシーラーとの相性が良く、しっかりと密着し剥がれにくくなっています。艶有全24色ですので、外壁に合った色を選んでいきましょう。
屋根塗装完了です。高圧洗浄で苔の根絶ちを行い繁殖を防止、下塗りで下地調整・強化をしてから仕上げ塗料で塗膜保護を行っています。
紫外線を反射する艶のある屋根材は、雨水をしっかりと弾き長期的に屋根材を守ってくれるでしょう。
外壁塗装です。まず塗装前に当たって塗料が付着しやすい場所には養生を行います。サイディングとは違い目地はありませんのでシール補修は少ないのですが、屋根との取り合い、開口部周りはシーリングで隙間を埋めて雨漏りを防いでいきます。
ジョリパッドには専用塗料がありますが、もちろん通常の塗料でも塗装は可能です。が、伸縮塗料・防水塗料・弾性塗料といった、塗膜で表面をしっかりと覆う塗料は不向きとされています。
仮に伸縮塗料等を使用した場合、内部に水が残っていると熱によって膨張し、塗膜が膨れを起こす可能性があります。
ひび割れは起こしにくい性質を持っていますので、通気性の高い塗料で塗り替えを行っていきます。
ジョリパッド専用塗料を使用した場合はこのようなリスクは心配せず、ジョリパッドの質感を残すことが可能です。
下塗りにフィラーを使用し、今回は色の選択肢も多いシリコンセラUV(ND-146)での塗装を行っています。
高耐久・低汚染性の為、塗り替え後の色褪せを防ぎ、長期的に綺麗な色を維持することが出来ます。
塗装後に塗料の飛び散りや、塗り残し、色むらの確認をしタッチアップを行い塗装工事は完了です。
擁壁はひび割れ部分を補修した上で塗装を行います。外壁と別の色(ND-152)を使用することで、メリハリのある印象に仕上がりました。
擁壁はコンクリートの場合とブロック積みとで施工が違います。ブロック積みの場合は空洞ができやすい為、一度水が入ると何度塗り直しても膨れを起こしやすいです。
根本的な原因は雨水の浸入ですので、水の入り口を防ぐ処理を行う必要があります。
付帯部塗装工事
付帯部塗装です。霧除け等の鋼板部分はペーパー掛けで表面の清掃と目荒らしを行い、錆止め塗装後に仕上げ塗料で仕上げていきます。
錆止めは、鉄に空気中の水分と酸素が触れる事(酸化)を防ぐために行うものであり、錆の発生だけでなく腐食の拡大も防ぐことが出来ます。しかし紫外線には弱い為、上塗りで表面保護をしていく必要があるのです。
擁壁も3回塗り完了です。クラックの補修部分のみモルタルの仕上げが違いますが、もちろん希望であれば吹き付けタイルに統一することも可能です。
雨戸は刷毛塗りやローラー塗りでは細かく液だれを残すことが非常に多いです。しっかりと養生を行いスプレーガンでまんべんなく吹き付けていきます。ムラ・垂れもなく綺麗に仕上がりました。
最後にもう一度塗料の飛散やタッチアップの確認を行い、足場を解体、清掃を行い外装リフォームは終了です。
屋根と外壁の塗装工事はおよそ2週間(天候により変更)です。大変お世話になりました。
スレート屋根は苔や汚れ・旧塗膜をしっかりと落とし、ファインシリコンベスト(コーヒーブラウン)で塗装を行いました。
新築時の艶を取り戻し、スレート屋根材の劣化を防止することが出来ました!
ジョリパッドの外壁もシリコンセラUVでの塗装で、本来の高い意匠性を綺麗に見せることが出来ました。
モルタルはクラックの発生から敬遠されがちですが、洋風な仕上がり・高耐久・模様のデザイン性に優れたジョリパッドに少しでも興味を持って頂きたい、また少しでも綺麗に維持できるようにジョリパッドの塗装に関して知って頂きたいと思います。
記事内に記載されている金額は2021年10月13日時点での費用となります。
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