四街道市鹿放ヶ丘にてお住まいの点検と補修・塗装を行ってほしいとご相談をいただきました。お客様は以前街の屋根やさん宇都宮店にて工事を実施し、その際の対応が非常に良かったということから、今回は地域に近く塗装も承っております街の外壁塗装やさんがお伺いさせていただきました。
今回は塗装だけではなく、経年劣化や周辺環境、自然災害で破損してしまう雨樋や軒天の補修も兼ねたご相談でしたので、足場仮設を行うタイミングでまとめて補修しメンテナンスを行いましょう。
ビフォーアフター
工事基本情報
点検の様子
最も気にされていたのは雨どいの詰まりでした。何度か掃除はされたようですが、集水器部分に雑草が生い茂ってしまい排水がうまくできず、外側に雨水があふれ出してしまうということでした。見るとたしかに、軒樋から竪樋に向かって雨水を流す集水器に雑草が繁殖したことで雨水が全く通れない状態になっていました。
このような状態になる原因はいくつかあります。
一つは草木が溜まりやすい環境にある事、例えば公園や木々が近い建物は雨どいが枝木で詰まってしまうケースが多いです。あまりにひどいようでしたら落ち葉除けネットの設置や雨樋カバーで詰まらないようにすることがオススメです。
もう一つは雨樋の不具合です。通常集水器に向かってなだらかに傾斜がついている雨樋ですが、傾斜が綺麗に取れていないと雨水や土が溜まりやすくなります。そこに種が飛んでこようものなら花壇のように繁殖してしまいます。
つまりが軽微な場合は洗浄時に洗い流すこともできますが、今回は経年劣化も関係しているということから全交換工事を進めていきます。
続いては軒天です。遠くで見えにくいかと思いますが、入母屋の軒天が1枚剥がれてしまっています。軒天は降雨の影響を受けにくい場所にはありますが、台風や突風で一気に剥がれてしまうことがあります。
雨水が吹き込むような場所ではないですので後回しにされがちな軒天ですが、このままにすると鳥や小動物が入り込み棲家として生活をしてしまいます。特に入母屋部分は小屋裏も広くとられているのでさぞ快適でしょう。しかし騒音や異臭を起こす厄介な問題ですので早い段階で補修を行いましょう。
モルタル外壁
続いては外壁です。モルタル外壁はセメントと砂を水を入れながら混ぜ職人が丁寧に塗っていく仕上げです。遮音性・断熱性に優れた外壁材ですが、塗膜保護を行わないと吸水し劣化してしまいますので、定期的な塗装メンテナンスが必要です。ちなみに塗膜が劣化するとチョーキングと呼ばれる粉が吹きます。外壁を触ると白い粉が手につくのですが、これはいわば塗膜の寿命を指しており、チョーキングが発生している場合は塗り替え時期です。
またモルタル外壁の注意すべきポイントとしてクラック(ひび割れ)も挙げられます。モルタルは素材の性質上、ひび割れが生じやすい外壁材です。これは築年数にかかわらず発生しやすいです。というのも新築時に施工したばかりの頃でも材料の練り混ぜ不足や乾燥時間、建物の揺れでいくらでもヒビは発生してしまうのです。
画像のような小さなひび割れはいくらでも発生しますが、ヘアークラックと呼ばれる細いヒビであればほとんど問題有りません。
ですが少し離れた場所で見える、構造クラックと呼ばれるクラックがある場合は雨水が入り込みやすい状態といえます。この場合クラックを埋める塗料を使用しても綺麗に埋めきれませんので、しっかりと補修してから塗装を仕上げていく必要があります。
木材や樹脂製で仕上げられていることの多い破風・鼻隠しですが、こちらのお住まいはモルタルで全て仕上げられていました。そのため腐食等は見られませんが、外壁同様クラックが発生していますので、しっかりとした補修が求められます。
外壁全体を見回してみるとクラックをシーリング材で補修した跡がありました。もちろん補修を行った方が良いのですがシーリング材は太陽光で劣化しやすい為、同時期に塗装を行い劣化を防いでいくようにしましょう。
雨水が当たりにくい部分には汚れが付着していますが、今回塗装を行うにあたって高圧洗浄を行います。この際に汚れはしっかり洗い流し新たに塗り直すことで綺麗に仕上げることができます。
瓦屋根点検
外壁の塗装点検に合わせ瓦屋根の点検を行います。瓦屋根は吸水性が低い為塗装の必要性はありません。しかし漆喰や防水紙は瓦とは違い劣化してしまいますので定期的なメンテナンスは欠かせません。
特に漆喰は瓦の固定と雨水の浸入防止に役立っていますが、欠損してしまうと瓦のずれや雨漏りを招く恐れもありますので10年ごとに詰め直し工事を行うことがオススメです。今回瓦全体の状態を確認してみましたが、雨漏りはなく瓦のずれや浮きといった不具合も全く見られませんでした。
棟を支える漆喰も剥がれが無い為全体的なメンテナンスは次回の機会でも大丈夫です。一部隅棟と大棟の間に隙間がありましたので雨漏り防止のためにも今回補修をしておきましょう。私たち街の外壁塗装やさんは塗装だけでなく外装全般、屋根にかかわる補修も承っておりますのでご安心ください。
お客様のご要望とご提案内容
今回は破損箇所(軒天)と不具合が生じている雨樋の補修工事に合わせ足場仮設工事を行いますので、外壁塗装も行います。瓦屋根は欠損等も無い為、次回のメンテナンスまで雨漏りを起こさないよう微調整を行います。
外壁塗装工事は使用する塗料のグレードや施工工程によって費用が変わります。以前はウレタン塗料が多い印象でしたが、現在はコストと品質のバランスが良いシリコン塗料が非常に人気で主流となっています。またそれに合わせ高耐久なフッ素・無機塗料も人気ですのでしっかり検討していきましょう。
品番・品目 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
足場仮設工事 | 257,250 | ||||
足場仮設 | 303.3 | ㎡ | 750 | 227,250 | |
メッシュシート | 1 | 式 | 30,000 | ||
屋根補修工事 | 30,000 | ||||
瓦固定・漆喰補修 | 1 | 式 | 30,000 | ||
外壁塗装工事 | 450,108 | ||||
高圧洗浄(90~120圧) | 1 | 式 | 25,000 | ||
下地処理・養生 | 1 | 式 | 100,000 | ||
下塗り | 116.1 | ㎡ | 500 | 58,055 | |
中塗り~上塗り | 116.1 | ㎡ | 2,300 | 267,053 | |
付帯部塗装工事 | 235,650 | ||||
軒天 | 67.6 | ㎡ | 1,500 | 101,400 | |
破風板 | 105.0 | m | 850 | 89,250 | |
雨戸・戸袋 | 7 | カショ | 5,000 | 35,000 | |
霧除け | 4 | カショ | 2,500 | 10,000 | |
雨樋吊替え工事 | 487,640 | ||||
軒樋 丸 | 63.9 | m | 3,200 | 204,480 | |
上合 | 16 | カショ | 4,200 | 67,200 | |
軒曲がり | 10 | カショ | 2,000 | 20,000 | |
竪樋 丸 | 38.2 | m | 2,800 | 106,960 | |
寄せマス | 6 | カショ | 1,500 | 9,000 | |
既存樋撤去処分費 | 1 | 式 | 80,000 | ||
軒天工事 | 40,000 | ||||
新規軒天 | 1 | 式 | 40,000 | 材工共 | |
ケイカル板 | |||||
副資材 | |||||
ちなみに今回選択頂いたお見積りは低汚染塗料を使用した外壁塗装です。外壁塗装の費用自体はそれほど高くありませんが、雨どいの交換工事がコストを上げた要因でしょう。ただし一度交換を行っておけば今後風災で破損する可能性も低くなりますので、ここで心機一転取り換えておきましょう。
初回訪問時のアンケート
カラーシミュレーション
今回塗装を行うということでカラーシミュレーションを作成させていただきました。見本板やカタログでは小さい為イメージしにくいですが、住宅の全景に色をのせることで仕上がりが分かりやすくなります。クリーム系で数パターン作成させていただきましたが、落ち着いた色味でということで塗装にはNC-33という色を使用します。カラーシミュレーションも画質や印刷、当時の光の当たり具合によって見え方が異なりますので完全とは言えません。色をある程度決めたら見本板を取り寄せ、角度を変えながら色を決めましょう。
施工の様子~竣工まで
工事開始、まずは足場仮設とメッシュシートの取り付けを行います。工事前にも近隣の方へご挨拶をさせていただいておりますが、工事中何か気になることがある、我が家も見てほしい等ご相談・ご要望がございましたら、お気軽にお電話ください。足場は半日程で終わりますが、今回お住まいが大きく複雑な為時間も多少長くかかりました。
雨漏りを起こしてしまう前にしっかりと補修しましょう。瓦の隙間には漆喰で土台を作り、瓦同士の隙間も一部にシーリング工事を行いました。これはあくまで瓦が風や揺れで動きにくくするためのシーリング補修工事なのですが、隙間を完全にふさぐような工事はラバーロックと呼ばれ推奨されていません。瓦内部に入り込んだ雨水の逃げ道がなくなり毛細管現象による雨漏りを誘発してしまうからです。
軒天は張り替える前に屋根裏を確認、動物が入っていないかをあらかじめ確認しておきます。問題がなければ下地を組みケイカル板を貼り固定をします。ケイカル板はベニヤよりも耐久性に優れていますが、吸水すると劣化してしまいますので、張替直後に塗装メンテナンスを行います。
雨樋の全交換です。塗装後に行うこともありますので順番は特に決まっていないのですが、今回は金具取付の際にモルタルがひび割れる可能性があったことから先に交換工事を行いました。まずは雨どいを全て外し、この際に固定金具も取り外し新規の金具にしていきます。以前は上部で雨どいを止める吊り金具を使用していましたが、新たに使用するのは下から雨どいを支える形の受け金具です。
金具が下から見える雨樋の方が見慣れているという方も多いと思いますが、近年は住宅全体をスタイリッシュに見せるために隠せるものは隠しシンプルに!という傾向が多い為、吊り金具の方が主流になりつつあります。ただ、金具が見えていたほうが劣化に気付くこともできますので、どちらが優れているかというよりも安心感で選ぶのも良いかもしれませんね。
塗装工事です。塗ってしまえば他の部位と干渉しない軒天から塗り直していきます。軒天塗装に使用するケンエースはヤニやシミ止めの効果が高く長く綺麗な状態が維持できる艶消しの弱溶剤塗料です。通気性に優れている為、湿気がこもる軒天や浴室・厨房などへの塗装にも向いています。
外壁は塗料が付着してはいけない部分にマスキングテープとビニールを使用し養生を行います。その後ムラにならないよう下塗り塗料を塗っていきます。
下塗り塗料の役割は密着性の向上がメインです。しかしモルタルを塗装する際には小さなクラックは塗料で埋め綺麗に仕上げていきます。そのため下塗りはサーフやシーラーではなく、フィラーを使用します。フィラーとは「埋める」という意味がありますがそのまま、外壁のヒビを埋め綺麗になくしていきます。特に建物や地震の揺れを受ける外壁等は微弾性塗料を使用することでひび割れが生じにくい仕上がりにすることができます。
フィラーはいわばモルタルやコンクリート専用、サイディングには使用する必要がありません。下塗り完了後十分に乾燥させ、仕上げとなる中塗り・上塗り塗装を行います。
使用する塗料は水谷ペイントのナノコンポジットWです。親水性の塗膜を形成するのですが、完全に水を弾くのではなく塗膜にしみ込ませ汚れを落とさせる、セルフクリーニング機能を持たせています。低汚染塗料は親水性機能を持つものが多いですが、降雨が当たる場所でこそ最大限の効果を発揮しますので定期的に水をかけて汚れを落とさせるという定期的な作業を行うとより一層綺麗が維持できると思います。
ナノコンポジットWの仕上がりは3分艶程度ですので落ち着いた仕上がりをご希望されている方にもピッタリです。ちなみにカラーバリエーションは少なくなりますが、更に低汚染機能を高めたいという方は、ナノコンポジットW+防藻がございます。低汚染・耐久性を向上させた塗料ですが、塗料の性質上濃色の調色が難しい為、ホワイトに近い色で塗装される際にぜひご検討ください。
破風・鼻隠しも外壁同様モルタル仕上げですので、同色で綺麗に仕上げていきます。もちろん塗装中も屋根には養生を行っていますので、塗料で汚れるということはありません。養生は塗装する場所によって何度も張り直したりしますので思いのほか作業工程が多いです。が、綺麗に養生を行うことで仕上がりも綺麗になりますのでしっかり検討していきましょう。
塗装完了後の外壁です。クラックや色あせはモルタル外壁であればやはり気になるところでしょう。2階建てですとなかなか簡単に足場を仮設することもできないですよね。しかし補修に合わせ外壁塗装工事を行う事で、足場の有効活用が出来ました。今後もメンテナンスは必要ですが一先ず10年前後塗装の必要がありませんので、出来る限り綺麗な今の状態を維持するよう心がけましょう。
最後に付帯部塗装です。雨戸は凹凸が多いですが、マジックロンと呼ばれる研磨剤で細かくこすっていきます。この作業で表面の汚れや錆を落とし、表面に無数の傷をつけることを同時に行っています。金属面は表面が滑らかな為、塗料の密着性が良くありません。そこに無数の傷をつけることで塗料の接着面が増え剥がれにくい仕上がりにすることができます。
塗装はスプレーガンで均一に吹き付けます。刷毛でも綺麗に仕上がりますが凹凸に塗料が溜まり汚くなってしまうこともありますので、薄めに均一に吹き付け塗装を行います。
付帯部塗装工事完了です。付帯部には樹脂製・木製・金属製など使用している素材はバラバラですので、それらにあった下地処理と塗装工程が非常に重要です。鉄部は腐食しにくいですが、錆びてしまうと一気に穴あき等の腐食を起こしてしまいますので、錆びて劣化してしまう前に塗膜保護を行いましょう。
お引渡し前・お引渡し時の様子
塗り残しがないか、汚れがないか、色ムラがないかを入念にチェックしタッチアップを行えば塗装工事は完了です。足場を解体し周囲のごみを清掃しお引渡しとなります。2枚の画像を並べてご紹介しますが、同じお住まいの同じ色です。太陽光の当たり方、日の高さなどでまた違う印象を与えますが、お客様のご希望通りの色に仕上がりました。
工事終了後の感想
工事終了後、お客様より「宇都宮店もしっかり対応してくれたが、どの支店もしっかり対応してくれるのね」と嬉しいお言葉をいただきました。塗装工事の最中に2回も台風が通過してしまい希望通りの工期とはいきませんでしたが、大きな事故もなく綺麗に仕上がり良かったです。
今後は施工保証(外壁12年、付帯部3年)につき、隔年定期点検にお伺いさせていただきますので、また気になる点、今回も検討していらっしゃった内装工事等ご検討の事がございましたらお気軽にご相談ください。この度は誠に有難うございました。引き続きよろしくお願いいたします。
工事完了後のアンケート
記事内に記載されている金額は2023年10月06日時点での費用となります。
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