
4年前に屋根の塗装をされているお家でした。
しかし塗装をしてすぐくらいに塗装した塗膜が剥離を起こしていました。
近くで弊社が塗装工事をしているのをご覧になられてまして、お声がけを頂き再塗装のご提案をさせて頂きました。

屋根全体の様子をドローンを飛ばして確認しました。全体的に色褪せしているのが分かります。

近くで確認しました。前回塗装された塗膜が剥離していました。しっかり塗装をしていたら4年程度でこのような状態にはなりません。塗装した塗膜がこのように剥離してしまう原因は以下の2点が考えられます。塗装した塗膜が剥離してしまった原因①シーラーを入れずに塗装している②縁切り工法をしていない①の可能性について塗装工事は通常3回塗料を塗り重ねて仕上げます。その1回目の塗装には、下地と塗料をしっかり密着させる為にシーラー等を塗装します。(※下地の種類や劣化状態によって下地処理の方法は変わります)このような1回目の下地となる塗料を入れないことにより、密着をしっかりさせることができなかったのでは?というのが一つ目の可能性です。

②の可能性について縁切りをせずに塗装をしているという事です。こちらの瓦はスレート瓦という、一枚一枚が非常に薄いタイプの瓦です。スレート瓦を塗装する際の注意点として、縁切りをしっかりする事が大切です。
スレート瓦は元々瓦同士に隙間があります。
その隙間は屋根が呼吸をするのに必要なのですが、縁切りをせずに塗装をしてしまうと写真の様に塗装した塗膜により元の隙間を埋めてしまう事になります。
こうなると屋根が呼吸できなくなり、塗装をしたのに逆に湿気が内部に溜まったりと不具合が起こります。
隙間を確保しながら塗装するという事がスレート瓦の場合は特に重要になります。
スレート瓦のほかに瓦棒という金属瓦が1階にあったのでこちらも塗装が必要な箇所です。また軒天という天井と雨どいも綺麗にし直したいとのことでした。
4年前に塗装をされたのにこのような状態になっているのは、お家の方も非常にショックを受けておられました。この塗装をした会社は現在は廃業しており、対応はしてくれない状態になっていました。このようになってしまった屋根に対して、以下の2パターンのご提案をさせて頂きました。①金属瓦によるカバー工法既存瓦の上から防水シートを貼り、金属瓦を上から乗せる工法です。下地の状態に依存せずに施工できるメリットがありますが、費用が高額になるというデメリットがあります。②既存剥離箇所をケレンしてからの再塗装費用を抑えるなら塗装の方が抑えられます。
既存剥離箇所を出来る限りケレンして捲り、塗装をします。
しっかり再塗装をしても、元の塗膜が剥離を再度起こす可能性があるので、施工保証が出せないというデメリットがあります。
今回はご予算の事もあり、再塗装にて工事の発注を頂きました。
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剥離しているか箇所の塗膜を出来る限り剥がしていきます。かなり大変な作業で、3人で半日もかかりました(:_;)

皮すきを入れて瓦同士の隙間を埋めている塗膜を剥がしていきます。

塗装をしても瓦同士の隙間が確保できるように、タスペーサーという黒い縁切り部材を入れます。タスペーサーが無い時代は塗装をしてから先ほどしたような皮すきを使用した縁切り作業をしていましたが、先にタスペーサーを入れて縁切りできるようになったため作業効率が格段に良くなりました!

屋根は3回塗装塗りで仕上げます。1回目は前回塗装があるお家なので、シーラーではなくフィラーを塗装します。このフィラーは前回塗装がある瓦でも塗料の種類に関係なく、塗装に適した下地を形成してくれます。材料はスズカファインのベスコロフィラーHGを使用します。

こげ茶の色で塗装したので、屋根全体が薄い茶色になります。

瓦棒は鉄です。下地の種類がスレート瓦とは違うので、下地も塗料を変えます。錆止めを先に塗装します。
1回目の塗装をしっかり乾燥させてから主剤を塗装します

2回目3回目の塗装は日本ペイントのファインパーフェクトベストを使用します。
中塗りと上塗りは同じ材料の同じ色で塗装をします。塗り漏れが無いように慎重に作業を進めます。
キレイに塗装できました。屋根の塗装は傾斜があるので常に踏ん張りながらの大変な作業です。職人さんいつもありがとうございます!
今回は屋根と付帯部の塗装工事のご依頼を頂きました。付帯部とは外壁屋根以外で塗装できる箇所の総称です。具体的には、庇・雨樋・雨戸等です。写真は庇(ひさし)を塗装しています。庇は鉄なので先に錆止めを塗装します。

続いて雨戸を塗装します。雨戸は段差になっているので、しっかり隙間に塗料が入るように塗り込んでいきます。

雨戸も2回塗りで仕上げます。1回目に塗装した雨戸を反対側にひっくり返して、上塗りをします。
続いて天井を塗装します。外壁の塗装が無いので、外壁にペンキが飛散しないように先に養生をします。1階全体を養生するのでかなり大変な作業です。

天井は内部の湿気を外に吐き出す役割を果たします。ですので、通常の塗料を塗装してしまうと塗料により天井が呼吸できなくなり塗装をしたのに逆に湿気が内部に溜まってしまうという事があります。ですので天井には天井専用の透湿性の高い塗料を使用する必要があります。透湿性とは、外からの湿気を防ぐが内部の湿気はそとに吐き出すという働きの事です。日本ペイントの水性ケンエースを使用して塗装していきます。
少し黒ずんだ天井もキレイに塗装できました。ここまで終わりましたら、タッチアップ・掃除をして塗装工事は終了です。
4年前にせっかく足場を組んで塗装工事をさせたのに、その塗膜が施工不良により剥離を起こしてしまっていて施主様もかなりショックを感じておられました。
しかしやはりお家を大事にしたいお気持ちと、剥離したままでは見た目も良くないという事で今回はご依頼を頂きました。
同じことにならないように、しっかり下地処理から作業をさせていただきました。
また改めて、塗装工事はやり方や塗料の選択を間違うとこんなにも悪い結果が目に見えて出てしまうのだと改めて実感しました。
ただ塗ってその時だけ綺麗になればいいという物ではないと、次回以降のお家にもさらに責任感を持って工事を進めていく必要がある事も確認しました。
塗装の種類や方法は専門家の調査とご提案が必須です。
お家の事で気になる事がある方はお気軽にお問い合わせくださいませ<m(__)m>
記事内に記載されている金額は2025年06月25日時点での費用となります。
街の外壁塗装やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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