50年経った家ですが一度も外壁を手入れしてません。ひび割れが結構入ってるんやけど今からでも修理出来ますか?とご相談を頂きました。
こんにちは!街の外壁塗装やさん大阪平野店 松本です。
今回はひび割れが多く雨染みが出ていた日本家屋のお家の塗装工事の様子です。
築50年経っており後を継いで住まれるかどうかも決まっていないということで外壁を治すつもりは無かったようですが、ひび割れには気づいていて最近の大雨などで心配になりお問合せ頂きました。
場所は弊社から1分ほどの場所にあり3年前に鉄製階段と波板の交換はさせて頂いておりましたので今回もお世話になることになりました。
それでは見ていきましょう!
外壁モルタルカキオトシには経年によるひび割れが多く入っていました。皆様も一度はひび割れが起きているモルタル壁を見たことがございませんか?
今回のモルタルひび割れの原因は主に吸水によるものです。水を吸うと膨張し乾燥すると収縮します。また冬場は吸水した水が凍結することでも膨張します。ひび割れ→吸水→膨張と収縮→さらにひび割れる、というループに入るとどんどんひび割れが広がり大きく深くなっていきます。大きなひび割れは雨漏りの直接的な原因になるため根元から補修する左官補修が必要となり同時に塗装工事で防水性も持たせてあげます。
こちらは増築部分です。外壁の色がくっきりと分かれているのですぐに分かりますね。
増築部分はもとの建物との間で挙動や振動が起こりやすいのでよく割れが発生します。
ひび割れ左官補修です。
大きなひび割れはサンダーという工具を使ってひび割れ根本から削り取ります。(Uカット)
ひび割れは内部が複雑に枝分かれしていますので表面を補修するだけではひび割れの奥の方までは完全に補修しきれません。
ひび割れの周辺ごと削り取り補修材を根元まで行きわたらせます。
簡易的な補修として表面だけシーリング剤で埋めているお家もございますが、ひび割れが深い場合はしばらくするとすぐに割れてきてしまいます。それはひび割れの奥が割れたまま残っているからです。
また、くっきりと補修跡がのこってしまい仕上がりもよくありません。
今回はUカットで削ることでひび割れを根元から補修しています!!
Uカットの次にシーリング剤を充填し柔軟性を持たせます。柔軟性を持たせることで補修後にひび割れが起こりにくくしています。
次にカチオン樹脂モルタルを充填し強度と固さを持たせます。
このカチオン樹脂モルタルは接着性に優れた下地補修に適した材料です。
カチオン樹脂モルタルのカチオンとはプラスの電気を帯びた陽イオンのことを表しています。既存のモルタル面にはマイナスの電気を帯びた陰イオンが発生しています。
既存のモルタルの陰イオン(-)にカチオンの陽イオン(+)を塗ることで電子的に引きつけあう力が発生します。
「磁石」のようにくっ付くとイメージすると分かり易いと思います。
この特有の接着性を発揮し強固な下地を作ることができます。
欠損部分もきれいに掃除して下地を整えた後にプライマー塗布、エポキシ樹脂モルタルを充填しヘラで押さえて成形します。
このエポキシ樹脂モルタルはダレが生じにくいため厚付けしやすい特徴があります。
こちらのコーナー部分もきれいに整形して形を整えました。
エポキシ樹脂モルタルで厚みをつけながら補修します。このように角を作るのはとても難しいです。
コテの扱い、力加減が繊細で職人の熟練の技が求められます。
次にモルタルを使わずにする補修ですが、微細なひび割れは「微弾性フィラー」と呼ばれるひび割れに追従してくれる下地専用塗料で刷り込みました。
大小のひび割れをそれぞれ適したやり方で補修し終えました。
微細なひび割れ→微弾性フィラー刷り込み
大きなひび割れ→Uカット、カチオン樹脂モルタル充填
ここからは塗装作業です。
今回は長年の紫外線経年劣化により特に西面の色褪せが激しく、表面を擦るとポロポロと取れるくらい脆弱になっていることから通常よりも塗り回数を増やし外壁を4回塗りしました。
通常3回塗りは「下地剤+主剤1回目+主剤2回目」ですが今回4回塗りは「下地剤1回目+下地剤2回目+主剤1回目+主剤2回目」の順番で塗装しました。高圧洗浄後、脆弱になった既存塗膜をまずは表面強度を補うため「浸透性シーラー」と呼ばれる下地材を塗ります。浸透という名の通り外壁に染みこませて塗膜をガッチリ強度を高める効果があります。
この「浸透性シーラー」にも水性タイプと溶剤タイプがありますが、弊社では適材適所で使い分けしております。
今回は施主様との打合せの中で、お隣のアパートに住まれておられる住人様への配慮を考え、シンナー臭を伴う溶剤タイプを避け水性タイプを使用しました。
使用塗料は日本ペイントさんの「水性シリコン浸透シーラー」です。
次に下地補修でも使った「微弾性フィラー」を外壁全体に塗り膜厚をつけ下地を平滑にします。パテ埋めの様に凹凸を埋めるというと想像しやすいかもしれないですね。
また、伸縮性があるため割れの拡大を防ぐ効果もあります。
これで下地調整はバッチリです!!
ここからは主剤の塗り作業です。
お家全体で2色の色分けですのでそれぞれの色を塗装していきます。濃い方のお色は通常のグレーよりも少し青みが加わった特注の色(日塗工75-40B)です。
今回使用塗料はKFケミカルさんのKFシェアルドSiです。
耐候性・耐汚染性に優れた1液水性アクリルシリコン樹脂塗料です。高耐候性を有するアクリルシリコン樹脂塗料を使用し、更に紫外線安定基をハイブリッドさせる事により、2液弱溶剤並みの高耐候性を実現した環境にも優しい塗料です。
この工程を2回行い(外壁3回目、4回目の塗り作業)仕上げとなります。
次に鉄部の塗装です。
錆止め塗布後、鉄部に適した塗料を塗布します。
使用塗料は日本ペイントさんのファインパーフェクトトップです。ラジカル制御塗料型の塗料で鉄部によく使われるウレタン系やシリコン系よりも色褪せがしにくく持ちが良いですよ。
庇もきれいに塗りムラがでないようにローラーで丁寧に塗ります。
次に雨樋です。この塩ビ(塩化ビニル樹脂)タイプは最も多く普及している雨樋です。需要が高いのでいろんな形や長さ色があり豊富な種類があります。
ただ、ほかの種類の樋(銅製、ガルバリウム鋼板製・ステンレス製など)に比べると紫外線や雨風で劣化はしやすいといえます。
ですので塗装前は色褪せが激しく劣化や割れや変形ににより交換になるケースもございます。
今回の雨樋は一度交換されていて比較的劣化が少なかったですが、今後も長持ちしてほしいので2回塗装し表面を厚めにコーティングしました。
使用塗料は雨樋もラジカル制御型塗料で塗装しました。
塗り終えると艶がでて新品みたいにキレイになりました!
最後に木製の雨戸です。
一昔前はよくありましたが最近はスチール製の雨戸がほとんどですね。
雨に打たれても腐食しないように、木部専用の防腐剤入り塗料で2回塗装しました。
使用した塗料超メジャーな木部専用塗料は「キシラデコール」です。表面に膜を張る造膜タイプではなく浸透するタイプとなっており、木材の内部から防腐・防カビ・防虫効果を発揮します。
色の種類も豊富で色は「ウォルナット」で塗りました。既存の色よりもワントーン濃い目の色を選ぶのがキレイに仕上がる色選びのコツです!
以上、平野区加美南の現場でした。
今回の日本家屋の塗装工事は補修や各塗装部位の種類あ多く、手間と時間がかかりましたがペンキ屋としてはとてもやりがいのある建物でした(^^)/
ポイントはやはり下地補修となります。ただ、補修跡がすこし出てしまうことがあるのでそこはご了承ください。全体的に吹き戻し作業をすればかなり補修跡は消せますが完璧に分からなくするとなると左官工事でモルタル壁から作り直す必要があります。費用がかなり上がってしまいますので現実的にそこまでされる施主様は少ないですが、やはりひび割れが増えてからでは補修跡も多くなるのでなるべく早めに治してあげることが得策だとおもいます。
最後にちょっとしたことですが、工事後にプランターや鉢植えを元の位置に戻したところ大変喜んで頂けました!(^^♪
同じモルタル壁でひび割れが気になっている方は是非お気軽にご連絡ください。
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