お住まいに雨樋が必要な理由とは

　雨樋は鼻隠しや垂木といった部材に設置されており、屋根から流れる雨水を集めて地上に流す役割を持っています。雨水の処理は住宅にとって極めて重要で、雨樋に欠陥があれば様々な被害をもたらします。ここからは、雨樋の欠陥がもたらす被害について、詳しく解説していきます。

　また、屋根から流れ落ちた雨水は土を削るほどの威力もあり、住宅周辺の地盤を弱めることもあります。

　雨樋の破損は、外壁の雨漏りに繋がる可能性もあります。屋根から落ちる雨水が外壁を伝って地面に落ちていくので、外壁にひび割れが生じているとその隙間から雨水が侵入して雨漏りに繋がります。また、頻繁に外壁が雨水の影響を受けることで耐久性が落ち、雨染みが起きることもあります。

　このように雨樋はお住まいを守っている、縁の下の力持ち的存在なのです

　積雪が多い地域では、最初から雨樋がない住宅もあります。雪や氷柱の重さにより雨樋が壊れたり、雨樋があると雪降ろしの作業がやりにくくなることがあるためです。

　「じゃあ、雨樋がなくても問題ないのでは？」とお思いになるかもしれません。しかし、最初から雨樋がない住宅は、設計段階で屋根の雨水を適切に処理する方法を考慮しています。既に雨樋がある住宅では適切なメンテナンスを行い、屋根の雨水を適切に排水する必要があります。

　雨樋は前述のとおり、住宅にとって大切な部材です。雨樋の種類は多く、住宅によって形状・部材・素材、取り付けにかかるコストの全てが異なります。お住まいの住宅で使われている雨樋のタイプを理解して、壊れてしまった際の補修方法を理解しておきましょう。

1.    軒樋(のきどい)

　軒樋は屋根の軒に設置されており、屋根から流れ落ちる雨水を処理するための部材です。

　そのため、継ぎ手や曲がりなどの部材で軒樋を繋げて、住宅の形に沿って設置していきます。軒樋の端部には雨樋の品番やメーカーが記載された「止まり」と呼ばれる部材を取り付けます。

　軒樋は雨樋を形成する部材の中で、風や雨による被害を最も受けやすい部材です。軒樋は支持金具を用いて鼻隠しと接合しており、様々な取り付け方法があります。例えば、支持金具には受け金具や吊り金具があり、鼻隠しへの固定方法はつる首や正面打ちや打ち込みなどがあります。お住まいの軒樋はどのタイプかを補修前に把握しておきましょう。

2.    集水器(上合・あんこう)・マス

　集水器(上合・あんこう)・マスは、軒樋と竪樋（たてどい）の接続部に用いられる部材です。屋根から軒樋に流れ落ちた雨水を竪樋に流すために設置します。また、竪樋同士を繋げる部材は寄せ枡といい、負荷が強くかかってしまう部位のため強風などの強い力によって破損してしまうことがあります。

3.    竪樋（たてどい）

　竪樋は外壁に設置されている部材で、屋根の雨水を地面まで流す役割があります。竪樋と軒樋をつなぐための呼び樋、屋根の上に設置される這樋なども含めて竪樋と呼ばれることがあります。竪樋は重力の影響で少しずつ下がっていくので、隙間ができる可能性があります。

　雨樋は屋根や外壁と同様に、暴風や豪雨などによる被害を受けやすい部位です。雨樋が損傷するのはほとんどの場合、経年劣化、自然災害、雨樋にかかる負荷、施工ミスの4つが原因です。

　雨樋を設置して15年以上が経過すると、経年劣化が生じます。塩ビや合成樹脂の雨樋には可塑剤という、部材に伸縮性を持たせるための成分が配合されています。可塑剤は雨水や紫外線の影響で排出されて、伸縮性を失った雨樋は壊れやすくなってしまいます。

　また、金属素材の雨樋にも経年劣化は生じます。表面被膜が紫外線や雨により損傷すると錆びてしまい、穴あきや割れなどに繋がります。

　台風や積雪、雹などの自然災害によっても、雨樋は損傷します。日常的な雨や風では影響はなくても、数10年に1度の自然災害では適切なメンテナンスを施しているにも関わらず壊れることがあります。

　雨樋の取り付け金具を増やしたり積雪カバーを設置するなど、住宅の立地に合わせた対策を実施しましょう。

　雨樋に長い間荷重が乗り続けると、損傷することがあります。公園等、住宅の近くに自然が多い施設があると、雨樋に土や落ち葉が乗ってきます。堆積した土が雨水を吸収したり落ち葉が詰まり排水を妨げると、雨樋の損傷やオーバーフローが起きることがあります。

　雨樋に植物が繁殖することもあるので、小まめに状態を確認して清掃しましょう。

　間違った施工方法によって、雨樋が損傷することがあります。雨樋は雨水をスムーズに排水するため、傾斜をつけて設置する必要があります。施工ミスにより傾斜が足りないと、雨水を上手く処理できずに損傷する可能性があります。

　また、雨樋用の接着剤の使用には注意が必要です。雨樋同士に隙間ができることがあり、接着剤を応急処置として使用することがあります。しかし、接着剤を多用すると雨樋の固定度が高くなりすぎて、壊れてしまうことがあります。

　竪樋と外壁の間隔が空きすぎていると、外れてしまうこともあります。雨樋を補修する際は、起こり得る損傷を考慮して、専門の業者に依頼をしましょう。街の外壁塗装やさんでは雨樋修理の経験・知識も豊富ですので、ご不安なことがあればお気軽にお問い合わせください。

　雨樋のメンテナンス方法にはどのような方法があるのかご存知でしょうか？ここからは、雨樋を長持ちさせるためのメンテナンスについて解説していきます。雨樋の素材ごとに適したメンテナンスを理解しておきましょう。

　可塑剤が排出したり表面被膜が傷んでいる場合は、塗装による塗膜保護が適しています。

　ただし、雨樋の表面が平滑すぎると塗料が剥がれやすいので、ペーパー掛けをして塗装面を粗くする「目粗し」をする必要があります。目粗しをすることで表面に傷をつけ、塗料が触れる表面積を大きくすることができるのです。また、金属素材の雨樋には錆止め塗料を塗布して、酸素や水による腐食を防ぎましょう。

　軽微な漏水程度であれば、シーリング材や接着剤による補修を行います。雨樋自体に損傷がないのに漏水している場合は、どこかに小さな隙間が生じているかもしれません。少しの漏水を防ぎたいのであれば、隙間のある箇所にシーリング材や接着剤を使用して応急処置を行いましょう。

　また、シーリング・接着剤を多用すると雨樋の固定度が高まりすぎて、損傷に繋がるリスクもあります。あくまで応急処置的な対応方法ではありますが、損傷部位によっては足場を設置しなくてもよいため、低コストな補修方法です。

長期間の使用により、雨樋に歪みや割れが生じている場合は交換しなければなりません。

　雨樋本体の交換だけでなく、支持金具を新しくしたり金具の設置間隔の見直しもできます。また、鼻隠しが木材の場合は傷んでいることもあるので、下地材の修理も同時に行っておきましょう。ガルバリウム鋼鈑で覆うことにより、鼻隠しの傷みを予防できます。

　雨樋は一部の部材を取り替えることもできますが、多くの住宅では足場を設置しなければなりません。また、生産が終了した雨樋を設置している場合は、部分的な取り替えができないこともあります。ご自宅に設置されている雨樋の種類を把握した上で、雨樋の取り替えを行いましょう。街の外壁塗装やさんでは無料で点検を承っておりますので、雨樋の種類や状態が気になるという方は是非ご活用ください。

　自然災害で破損した雨樋の補修には、火災保険・共済が適用されます。雨樋自体の交換にかかるコストは元々そこまで高価にはなりません。しかし、高所にある雨樋を補修する場合は、足場の設置が必要なので高いコストがかかります。自己負担を抑えて雨樋を修理するためには、火災保険や共済を使いましょう。

　強風や積雪等の自然災害で住宅が損傷した場合は、復旧工事として火災保険や共済を利用できます。雨樋補修のための足場設置や古い雨樋の廃棄費用も保険の対象なので、自己負担を抑えることができます。

　火災保険や共済は機能性向上を目的とした雨樋の素材や形状変更はできません。保険が適用されるのは、現状回復にかかる工事の費用に対してです。しかし、生産終了して交換用の部材が入手できない雨樋は、全交換の工事ができます。過去に火災保険や共済による補修を行っている場合でも申請できるので、有効活用して雨樋の修理を行いましょう。街の外壁塗装やさんでは火災保険申請の手続きもサポートさせていただいておりますのでご安心ください。

　メンテナンス不良による破損であると判断されると、火災保険や共済の申請ができないことがあります。雨樋に土や落ち葉が溜まっていないかなど、雨樋の定期点検は必ず行いましょう。

　数メートルの雨樋を補修する工事でも、足場の設置費用は20万円近くかかります。いくら雨樋が住宅にとって大事な部分だと分かっていても、少しでも補修費用を抑えたいですよね。

　足場の設置費用を抑えるためには、屋根の修理や外壁の塗装と同じタイミングで雨樋の補修を行いましょう。いずれの作業も足場の設置が必要なので、リフォームをまとめることにより足場の費用を削減できます。しかし、屋根や外壁工事とタイミングを合わせると元々そこまで高価にはなりません、工事費用がかさむ可能性があります。

　街の外壁塗装やさんでは外装工事全般に対応しているため、施工業者が増える心配はありません。外壁塗装と合わせて雨樋や軒天、鼻隠しなど住宅全体のメンテナンスをご検討されている場合は、街の外壁塗装やさんの無料点検をご活用ください。

　雨樋が住宅に与える印象は意外に大きく、色を変えるだけでも雰囲気が全く異なるものになります。カラーシミュレーションにより仕上がりの色を住宅の画像に反映できるので、完成のイメージがつかめない方もぜひご検討ください。