野地板（のじいた）は、
屋根の葺き替え工事や修繕において重要な役割を果たす部位です。一般的に、野地板は屋根の下地部分であり、屋根材が取り付けられる前に敷かれる厚い木材のことを指します。野地板は屋根の強度や耐久性に直接関わり、雨水や外部からの影響を防ぐ役割を担っています。
お住いの屋根のメンテナンスと言えば
スレートや和瓦などの屋根材をメインに考えると思いますが、雨漏りを防ぐにはその下地となる野地板がかなり重要になってきます。野地板は普段全く見えない部位ですが、雨水の浸入を防ぐ防水紙（ルーフィング）が敷かれており、屋根材を固定するために打ち付けているのも野地板なのです。屋根の構造の最も重要な部位を担っているため、メンテナンスの必要性も想像しやすくなってきたのではないでしょうか。
野地板も屋根材や防水紙と同様に、時間の経過とともに劣化が進行します。劣化した野地板は雨漏りの原因となる可能性があります。
屋根から雨漏りが発生している場合、屋根材か防水紙に問題が生じて屋根裏まで雨水が浸入していると考えられます。その際には野地板を経由しているため、雨水が染みてかなりのダメージを受けている可能性が高いです。
雨水が劣化した野地板に浸入すると、さらに下にある居住空間や建物の内部に水漏れが発生する恐れがあります。雨漏りは建物の構造や内部の壁や天井に損傷を引き起こし、さらなる修理や補修が必要となる場合もあります。また、湿気が増すことによりカビや腐敗も発生する可能性があります。
野地板は屋根材に覆われているため、普段は傷んでいるかを目視で確認することも難しいです。雨漏りが発生した際に屋根裏を点検させていただいて、初めて大きな雨染みが発生していたり、腐食が始まっていることを知るケースが多いのです。そのため雨漏りの修繕では屋根材だけでなく、野地板も張り替えなければならないような事例も存在します。
とはいえ、野地板は傷んでいたからと言って手軽にメンテナンスが可能な位置にはありません。もし老朽化した野地板を新しいものへと変えるためには、その上に固定されている屋根材や防水紙も一度撤去しなければならないのです。
そこでオススメなのが、屋根葺き替え工事によるメンテナンスです。葺き替えによって既存の屋根材を撤去する場合、合わせて屋根下地も新しいものを葺き替えることが可能です。必要に応じて既存の野地板の上にさらに被せるような「重ね張り」で強度を上げることもあります。
スレートなどは必ず寿命を迎え、同時期に野地板が傷んでいることが多いです。屋根材と防水紙を新しくするのであれば
屋根カバー工事でも可能ですが、お住い点検時に屋根上を歩いた感触でかなりフカフカとしていた場合、野地板も劣化している危険性が高いため、そのような構造部分の上に屋根を二重に施工するのはお勧めできません。
以前は何本もの板を使用して屋根の構造部を形成し、それぞれの板の間にあえて隙間を作る「バラ板」で野地板部分が形成されていました。隙間を作る理由は小屋裏の湿気が逃げられ、通気の目的で設けられていたのですが、近年では防水紙が進化して湿気による木部の腐食はあまり心配いらなくなりました。
ですので、バラ板のお住いの場合には構造用合板で上から増し張りを行い、屋根の強度を上げるやり方をオススメしております。
野地板は屋根リフォームや修繕において重要な役割を果たす部位であり、そのメンテナンスは建物の耐久性や居住空間の安全性を確保するために欠かせません。劣化した野地板は雨漏りや建物内部への被害を引き起こす可能性がありますが、定期的な点検と適切な工事によって予防することができます。
もし野地板に関する問題や悩みを抱えている場合は、信頼できる屋根リフォーム業者に相談してみることをおすすめします。専門家が建物の状態を的確に判断し、最適な対策を提案してくれます。
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記事内に記載されている金額は2023年05月31日時点での費用となります。
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