まず確認できたのは、軒天（のきてん）部分の汚れの付着です。
軒天は外壁や屋根の隙間からの雨水侵入を防ぎ、建物の通気性を保つ重要な部分ですが、経年によってカビやコケ、排気汚れが付着しやすくなります。
特に日当たりの悪い北側や湿気のこもりやすい箇所では、黒ずみや藻の発生が顕著に見られます。
この状態を放置すると、美観を損なうだけでなく、湿気による腐食の原因にもなります。
早めの洗浄や塗装で保護層を回復させることが重要です。
次に確認されたのは、窯業系サイディングのひび割れです。
サイディングボードはセメント質と繊維質を混ぜて形成された外壁材で、強度はありますが、経年や温度変化による膨張収縮で微細なクラック（ひび）が発生することがあります。
このひび割れを放置すると、そこから雨水が侵入し、
・塗膜の剥がれ
・ボード内部の劣化
・下地の腐食
といった二次被害へと発展する可能性があります。
早期の補修・再塗装による防水性能の回復が不可欠です。
これは、外壁塗装の表面にある樹脂が紫外線によって分解され、顔料が粉状に浮き出てくる劣化サインです。
チョーキングが発生しているということは、
・塗膜の防水性が低下している
・雨水を弾かなくなっている
という状態を意味します。
放置すれば外壁材が直接雨水にさらされ、ひび割れやカビの発生を招くリスクがあります。
この段階での最適な対処法は、高圧洗浄と再塗装による保護層の再構築です。
窯業系サイディングの継ぎ目には、シーリング（コーキング）材が充填されています。
このシーリングが硬化・収縮・ひび割れを起こすことで、雨水の侵入口となり、外壁内部にダメージを与えます。
今回の調査でも、目地のひび割れと剥離が確認されました。
紫外線や気温差による経年劣化が原因で、築10年前後の建物では特に多く見られる症状です。
適切なメンテナンスとしては、
・既存シーリング材の撤去
・プライマー処理
・新しい高耐候シーリング材の充填
が推奨されます。
近年では、変成シリコン系やウレタン系の高耐久タイプが主流となっています。
記事内に記載されている金額は2025年11月12日時点での費用となります。
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