まず、瓦屋根の一番のネックはその重さにあります。屋根の重さが重いほど、重心位置も高くなり、不安定さが増し、揺れも大きくなります。東日本大震災の被災地では、瓦の重さによって被害の程度が異なることが分かりました。また、揺れが先端になるほど遠心力が働き、重さの数倍以上の力が加わるため、軽い屋根ほど重心位置が下がり、減震効果が期待できるため、より軽い金属などの屋根材への葺き替えがお勧めなのです。実際に、「瓦屋根から金属屋根への葺き替え工事」は多く施工されており、金属屋根の耐震性が高いことが分かっています。
瓦葺き替え工事を行わずに屋根の軽量化を図りたい場合は、乾式工法を使用することができます。乾式工法は土台に土や漆喰を使用せず、専用金具と木材を使用して防水性に優れた乾式面戸シートで下地を形成する工法です。この工法を使用することで、屋根は軽くなるだけでなく、長期にわたって雨漏りを防ぐこともできます。
「葺き替え工事」とは、既存の屋根材をすべて撤去して、新しい屋根材に葺き替える工事です。大規模な工事になるため工期がやや長くなってしまいますが、この際、普段お手入れの難しい野地板や防水紙といった屋根下地も一緒にメンテナンスを行うことが可能ですので、長期に渡り雨漏りの心配がなくなります。料金の目安は150万～200万円ほどです。築年数が経過しており、屋根・天井から雨漏りをしていてお困りの方は、是非検討してみることお勧めいたします。
金属製の屋根材、特にガルバリウム鋼板は、その軽さが最大の利点です。従来の瓦の屋根は、1平方メートルあたりの重さが約50～60キログラムありますが、それに比べてガルバリウム鋼板は約5キログラム。実に瓦の約10分の1の重さです。また、長い間経年劣化している瓦の屋根は、土葺き工法を採用しており、瓦の下に土が敷き詰められていることが多いです。これが屋根を一層重くしてしまう原因となっています。
そのため、瓦屋根のお住まいで屋根を新しくする際には、台風や地震などの自然災害に備えて、軽量な屋根材に変更することを検討される方が増えているのです。
日本は元々自然災害が頻発する国であり、近年では気候変動の影響も加わり、台風や地震の被害が全国各地で増加しています。どの地域に住んでいるかに関係なく、自然災害に巻き込まれる可能性が高まっています。このような状況を考慮すると、瓦のような「重たい屋根材」から耐震性や耐久性に優れたガルバリウム鋼板のような「軽い屋根材」に変えることは、お住まいの寿命をさらに延ばす手段と言えます。
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