今回は千葉市中央区中央にあるビルの防水点検です。天井から雨漏りを起こしており内装リフォームに取り掛かれない事がきっかけで、雨漏りの原因特定と防水補修工事のご相談をいただきました。そこで今回はビルで施工されていることの多い防水と雨漏りを起こしてしまう原因、そして補修方法をあわせてご紹介したいと思います。
ビル屋上の防水シート点検
建物はその用途や高さから呼ばれ方が異なりますが、ビルは高層の商業用施設を指します。ちなみに集合住宅では低層建築物がアパート、高層建築物がマンションに分類されていますが〇階からといった明確な区切りは存在しないようですね。戸建住宅やアパートのような1.2階建程度の建物は木造が多い事に対して、強度が求められる高層建築物にはRC(鉄筋コンクリート造)やSRC(鉄骨鉄筋コンクリート造)が多いです。構造が異なるように防水の種類も、戸建て住宅にはFRPやウレタン防水が多いのですが、RC造等には重量のあるアスファルト防水や伸縮性の高いシート防水が使用されます。
注意していただきたいのが防水の耐用年数はアスファルト防水が若干長い程度で、20年以上劣化しない防水は存在しません。大きく頑丈な建物であろうと定期的なメンテナンスを怠れば雨漏りを起こし耐久性は低下してしまいます。
今回屋上(陸屋根)に施工されていたのはシート防水(耐用年数13年程度)です。合成ゴムやプラスチックで形成された2㎜前後の防水シートを張り重ねることで雨水の浸入を防ぐのですが、伸縮性が高い為揺れの大きい高層建築物やALC外壁にも多く採用されています。一見綺麗で切れも見られない防水ですが、雨漏りの場所からもこの防水面のどこからか雨水が浸入している可能性が非常に高いです。
シート防水は部分的な補修も可能ですがシートの継ぎ目部分が劣化しやすい傾向にあります。部分補修を行うと継ぎ目は増えてしまい雨漏りのリスクも高まりますので、出来るだけ全体的な補修を行った方が好ましいでしょう。またしわや膨れが起きている場合も、今後破れや鳥のついばみで雨漏りを起こす可能性がありますので補修の必要があります。
ドレンは防水面よりも劣化しやすい部位です
屋上は見てわかる通り、通常の屋根とは違い勾配(傾斜)がほとんどありません。雨水はゆっくりと排水口に流れていくのですが、その際に土も流れてしまうと徐々に排水ドレン周辺で滞留してしまいます。すると排水されなくなり防水層を傷め、結果的に雨漏りに発展するケースが非常に多いのです。今回シート防水には劣化がみられませんが、ドレンが錆びて腐食している事が確認でき、雨漏り箇所とも合致します。そこで今回はドレンの補修工事をご提案させていただき、雨漏りが改善されるか状態を見ることといたしました。
立ち上がり頂部の笠木の劣化も要注意!
またこの際に壁の頂部に取り付けられている笠木のシーリング補修もご提案致しました。笠木は階段やバルコニーの立ち上がり壁を保護するために取り付けられていますが、この笠木が原因で壁の腐食や雨漏りを引き起こすことがあります。今回のように板金の場合は、通常継ぎ目にシーリング材が打設されているのですが、劣化することで雨水が入り込んでしまいます。笠木から雨水が入り込むことで壁や室内にまで雨漏りが進行する恐れがありますので、定期的なメンテナンスを心がけましょう。
次回は排水ドレンと笠木シーリング材の補修をご紹介したいと思います。
記事内に記載されている金額は2019年12月18日時点での費用となります。
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