四街道市にお住まいのお客様よりセメント瓦のメンテナンス方法でご相談を頂きました。築22年で一度屋根塗装工事を行ったようですが、今回は葺き替えをご検討中とのことでした。セメント瓦を調べると「塗装が難しいモニエル瓦」や「重たい屋根材」といった印象が目につきます。しかし住宅はその重量に耐えられる設計ですし、正しいメンテナンスを行っていれば30年以上は使用することも可能です。葺き替えをご検討される理由はやはり「屋根軽量化による耐震性向上」の方が多いかは思いますが、葺き替えが本当に必要なのか状態を確認してみたいと思います。


点検を行うのは2階建てで、メインは4つの屋根面が四方に広がっている寄棟です。部分的に雨漏りが起こってしまった場合でも同形状の屋根材で面ごとに葺き替えることも出来、落ち着きのある雰囲気に仕上がるということで人気のある形状です。方角によって経年劣化の仕方が違いますので劣化が目立つ面を参考にしながらメンテナンス方法をご提案させて頂きます。
屋根材はセメント瓦ですが、セメント瓦といっても大きく3種類に分類されます。一つは塗装が難しいといわれるコンクリート瓦です。表面の経年劣化を防ぐ為にスラリー層と呼ばれる着色層がありますので、塗装時にスラリー層の撤去もしくはスラリー層と密着する下塗り塗料を使用する必要があります。2つ目は多くのお住まいで使用されている化粧スレートです。5㎜程度の非常に薄い屋根材で軽量、カラーバリエーションが豊富で安価、屋根カバー工法によるメンテナンスが可能という事で非常に人気の高い屋根材です。3つ目は15㎜程度の厚型スレートです。和形・平形・S形がありますが基本は今回と同様に平形のタイプが多かったようです。

メンテナンス方法は通常の化粧スレートと変わらず塗装による塗膜保護です。スラリー層もありませんので、表面塗膜が劣化してしまうと雨水を吸い込み苔や藻の付着が起こります。更に状態が悪化すると屋根材の耐久性が低下し、雨漏りを起こしてしまいますので定期的な塗装は必ず行いましょう。化粧スレートは毛細管現象を起こす恐れがある為、縁切り(タスペーサーの挿入)が必要ですが、厚型スレートの場合タスペーサーは必要なく過度な塗り込みで隙間を塞ぐような事をしなければ問題ありません。
棟・ケラバ瓦の釘浮きチェック


化粧スレートでは板金が使用されている棟も厚形スレートは瓦が使用されています。下地に向かって釘でしっかり留められていますが、強風や地震により徐々に釘が浮いてしまいます。釘が抜けてしまうと瓦が外れてしまいますので、15年以上経過している場合は一度棟下地の交換を行っておいた方が良いでしょう。
寄棟から少し伸びた半切妻部分のケラバ瓦にも釘の浮きが見られました。ケラバ瓦は強風の影響を受けやすく台風時に一気に捲れ上がるようなトラブルが起きてしまいますので、棟同様に固定補修を行いましょう。
今後の方向性に合わせて施工方法を決めましょう


以前は太陽光温水器を設置されていたようで色が異なる部分が見られました。パネルなどを屋根面に設置しているとその部分だけメンテナンスが出来ませんので、設置・撤去をご検討中の方はタイミングを合わせて補修を行うことをお奨めしております。
点検を行った結果もちろん屋根葺き替え工事は出来ますし、今回は雨漏りの有無や屋根材の様子から棟やケラバの補修を行ってからの屋根塗装メンテナンスも可能です。断定はできませんが、現在の状態は良好ですので塗装メンテナンスでも次回の補修時期まで維持できる可能性も高く期待できます。施工費用や今後お住まいをどのようにメンテナンスをしていくのかを検討して施工内容を決めていきましょう。
次回は屋根と合わせて無料点検を行った外壁の様子をご紹介したいと思います。
記事内に記載されている金額は2019年12月18日時点での費用となります。
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