垂木の基本知識
垂木の役割とは?
垂木は、建物の棟木から軒にかけて水平方向に架けられる部材です。主な役割は、屋根の荷重を支えることで、建物の安定性を確保します。また、野地板や防水紙といった屋根下地を止め付ける部材としての役割も担っています。
垂木の材料とサイズ
垂木の材料は一般的に木材が使用されます。木材の種類としては、主に針葉樹(たとえば杉やヒノキなど)や広葉樹(たとえばカバやオークなど)が一般的です。針葉樹は強靭で耐久性があり、耐候性にも優れています。一方、広葉樹は美しい木目や風合いが特徴で、デザイン性に優れています。垂木の材料は、お住まいの気候条件や建物の用途に応じて行いましょう。垂木のサイズは、建物の構造や設計によって異なりますが、一般的には断面寸法が50mm × 40mm以上の角材が使用されます。垂木の縦幅、横幅は屋根材の重量や軒の長さによって変わり、基本的には軽い屋根材であれば細い垂木が、思い屋根材であれば太い垂木が使用されます。葺き替え工事や屋根カバー工事の際、重い屋根材から軽い屋根材への変更ができない理由には、こういった構造上の問題があるためです。
垂木の劣化とメンテナンス方法
ここまでで説明した通り、垂木は屋根にとって欠かせない重要な部位です。そんな垂木が劣化してしまえば、屋根が抜け落ちてしまうなどの重大な被害につながりますし、補修には屋根材・屋根下地を撤去しての大がかりな工事が必要となりますので、そうなる前にメンテナンスを行うのが最善です。
垂木が劣化する原因
垂木が劣化する原因は「雨漏り」や「積雪の重み」です。基本的には傷むことがない垂木ですが、屋根に不具合が生じている場合はその限りではありません。屋根に雨漏りがあり、垂木まで水分が浸食すれば、木材である垂木は腐食してしまいます。また、積雪地帯などでは屋根に積もった雪の重みが原因で垂木に荷重がかかり、歪んだり折れたりしてしまうこともあります。
垂木のメンテナンス方法
傷んでしまった垂木のメンテナンスには大きく分けて「補強」と「交換」の2種類が挙げられます。ただし、よほど腐食が激しい場合や垂木が折れてしまっている場合等を除いて、基本的には「補強」によってメンテナンスします。傷んだ垂木の横に新しい垂木を添えて補強する「抱かせ」と呼ばれる工法が一般的で、この工法は木造で良く用いられる工法で、垂木以外の場所でも補強として使われます。
垂木補強の施工事例:屋根葺き替え
ここからは、実際に街の外壁塗装やさんで行った施工事例をご紹介します。千葉市中央区にて、雨漏り修理のご相談をいただいたお住まいで、垂木の補修から葺き替え工事を行った際の様子です。
屋根材を撤去すると、ボロボロになった屋根下地が現れました。防水紙は破け、野地板・垂木も黒く腐食して耐久性が無くなっていました。
一度、野地板を外してから、既存の垂木の横に新しい垂木を添え、ビス止めして補強します。ビス止めの際、既存の垂木が割れてしまわないよう、最新の注意を払いながらの施工です。
垂木の補強が完了した後は、既存の野地板の上から新しい野地板を重ね張りし、防水紙を設置していきます。その後、新しい屋根材の設置を行えば葺き替え工事の完了です。ボロボロに劣化して油断すると踏み抜いて穴が空いてしまいかねない状態だった屋根が耐久性を取り戻し、綺麗な状態へと生まれ変わりました。
まとめ
垂木は屋根を支える重要な部材です。垂木が傷んでしまうと、建物の耐久性に致命的な影響が出てしまいます。また、屋根材・防水紙等を撤去しての大がかりな工事が必要になってしまいますので、垂木まで傷みが広がらないうちに屋根のメンテナンスを行いましょう。
記事内に記載されている金額は2023年05月19日時点での費用となります。
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