日本の住宅ではサイディング外壁が80%程のシェアを誇っており、中でも窯業系サイディングは圧倒的な人気を博しています。そんなサイディング外壁ですが、最も頻繁にメンテナンスが必要になるのがサイディングボード同士の継ぎ目、いわゆる目地です。サイディングボード同士の継ぎ目やサッシとの取り合い部分には、シーリング材が充填されています。このシーリング材、一般的な物だと3年~5年程度しか耐用年数が無く、外壁で最も劣化しやすい部分となります。目立たない部分ではありますが、シーリングの劣化が原因で雨漏りや外壁材のひび割れといった、建物にとって致命的な不具合を招きます。本記事では、そんな外壁の継ぎ目部分のメンテナンスや劣化症状をご紹介しますので、ぜひご参考ください。
継ぎ目(目地)がある外壁とない外壁
お住まいの外壁材の種類によって、継ぎ目がある場合とない場合があります。中には、継ぎ目があるけど見た目に分かりにくくなっていたり、わざと継ぎ目部分を隠している外壁材もありますので、以下を参考にお住まいの外壁に継ぎ目(目地)があるかないかを把握しておきましょう。
▼継ぎ目がある外壁
・窯業系サイディング
・金属サイディング
・タイル
▼継ぎ目のない外壁
・モルタル
・漆喰
外壁の継ぎ目(目地)に起こる問題
外壁継ぎ目は建物の重要な部分ですが、時間と共にさまざまな問題が生じることがあります。以下では、外壁継ぎ目に関連する主な問題とその原因について説明します。
継ぎ目(目地)の劣化とその原因
外壁の継ぎ目は気候条件や経年によって劣化していきます。主な劣化の原因は次のとおりです。・気候の影響
風や雨、紫外線などの自然要因により、外壁の継ぎ目は徐々に劣化します。
・施工不良
施工過程での不良や不適切な施工方法は、劣化の要因となります。
・シーリング材の品質
近年、DIYの流行に伴ってご自身で補修される方が増えています。そういった方はホームセンター等で補修用のシーリング材を購入される場合がほとんどですが、ホームセンター等で売られているシーリング材は耐用年数が短いものが多く、2~3年程度で劣化してしまいます。
継ぎ目(目地)の劣化が招く被害
雨漏り
継ぎ目の劣化は、建物に雨漏りのリスクをもたらします。ひび割れや亀裂の入ったシーリングの隙間から水が浸入すると、建物内部の構造や壁の中に水が浸み込み、カビや腐食の原因となります。そのまま雨漏りを放置してしまえば、建物の構造に深刻な損傷を与え、寿命を縮めてしまいます。
外壁材の劣化
外壁の継ぎ目に充填されているシーリングは、雨水の侵入を防ぐためだけではなく、外壁材を保護する役割も担っています。外壁材の多くは、自然影響による吸水と乾燥により、わずかですが膨張と収縮を繰り返しています。また、地震等の災害が起こった際には揺れ動くこともあります。こういった外壁材の動きによって、隣り合った外壁材同士が衝突、破損しないよう緩衝材の役割も果たすのです。そのため、シーリングが劣化して機能しなくなると、外壁材同士が接触して破損やひび割れを起こす可能性が高くなるのです。
断熱性の低下
継ぎ目の不備や劣化は、建物の断熱性にも影響を与えることがあります。熱や冷気が侵入・排出されやすくなり、建物内の快適性を低下させるだけでなく、エネルギー効率の悪化も招きます。特に夏や冬等には、冷暖房効率が低下するため、光熱費の増加にもつながります。
外壁の継ぎ目の問題は建物の耐久性や快適性に直結するため、早期の対処が重要です。次のセクションでは、外壁継ぎ目のメンテナンス方法と予防策について説明します。
外壁の継ぎ目の問題は建物の耐久性や快適性に直結するため、早期の対処が重要です。次のセクションでは、外壁継ぎ目のメンテナンス方法と予防策について説明します。
継ぎ目(目地)の点検・メンテナンス
点検方法
前述した通り、外壁だけでなく、建物全体を見ても劣化の早いシーリングですが、どのように点検すれば、被害を未然に防げるのでしょうか。点検方法はいたってシンプルで、目視と触診による点検です。まず、目視についてですが、こちらは継ぎ目に充填されているシーリングにひび割れや劣亀裂が入っていないかを確認します。ただし、2階の外壁などの高所については、地上からでは良く見えないと思いますので、専門業者へ依頼しましょう。街の外壁塗装やさんであれば、無料で点検を承っています。大変危険ですので、ご自身で高所に上って無理に点検されないようにしてください。
続いて、ひび割れや亀裂等、目視で確認できる劣化症状がない場合には、シーリングに触れて弾力性が無くなっていないかを確認します。シーリングは劣化に伴って弾性を失い、硬化していきますので、仮にひび割れ等が無くても、手で触れて弾力が無くなっている場合にはメンテナンスを検討しましょう。
メンテナンス方法
継ぎ目の劣化は、新しいシーリング材を充填することでメンテナンスが可能です。施工方法は「増し打ち」と「打ち替え」と呼ばれる2種の方法が一般的です。・増し打ち
既存のシーリング材の上から新しいシーリング材を充填する方法
・打ち替え
既存のシーリング材を除去してから新しいシーリング材を充填する方法
2種類の方法がありますが、推奨される施工方法は「打ち替え」です。「増し打ち」は、古いシーリングが新しいシーリングごと剥がれてしまう可能性があるためです。そのため、増し打ちで施工するのは古いシーリングの撤去が難しい場合だけに限った方が好ましいです。
まとめ
目立たない部分ではありますが、劣化しやすく、劣化を放置すると重大な被害を招きかねない外壁の継ぎ目。特に、雨漏りなどは内部的に被害が進行し、表面化した際には取返しがつかないほど被害が大きくなっているケースもあります。そうなってしまえば、外壁の張替えなどの大がかりな補修工事が必要になってしまいますので、こまめに状態を点検し、劣化が分かった際はなるべく早くメンテナンスを行うようにしましょう。
記事内に記載されている金額は2023年05月23日時点での費用となります。
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