外壁は建物の外観や保護において重要な要素です。適切な外壁材を選ぶことは、建物の美しさと機能性を確保する上で不可欠です。この記事では、日本で良く採用される窯業系サイディング、金属系サイディング、モルタルといった外壁材の特徴について詳しく説明し、建物に最適な選択をするための情報を提供します。それでは順に、外壁材をご紹介していきます。
窯業系サイディング
現在の日本で最も人気がある外壁材で、そのシェア率は70%超となっています。窯業系サイディングはセメントと繊維質原料から作られる外壁材です。これらの素材を型に流し込み、成型します。製造過程にて、窯で高温で焼かれることから、「窯業系」と呼ばれています。成型して作られるため、デザインやパターンが非常に豊富で、タイル調・レンガ調・石材調など、幅広いデザインの製品が販売されています。
窯業系サイディングのメリット
耐火性・防火性に優れている
主原料がセメントである窯業系サイディングは、耐火性・防火性に優れています。ほとんどの製品が住宅性能表示制度で定められた耐火等級にて2等級以上に分類され、最高等級である4等級である製品も数多くあります。
施工しやすく工期が短い
パネル状に成型された外壁材を張り合わせる施工方法であるため、施工が容易で工期が短く済みます。工期が短く済むということはそれだけ費用も抑えることにもつながります。窯業系サイディングが圧倒的なシェアを誇っている理由は費用が安くコストパフォーマンスに優れているためでしょう。
デザインが豊富
前述しました通り、デザインの豊富さも魅力の一つです。同じ材質とは思えないほど様々なパターンの製品が販売されていますので、お気に入りのデザインが必ず見つかるでしょう。
窯業系サイディングのデメリット
防水性能が高くない
窯業系サイディング自体は主原料がセメントであるため、防水性能が高くありません。防水性能は塗装頼りになってしまいますので、塗装によるメンテナンスが欠かせません。塗装が剥がれてしまうと外壁材が水分を吸ってしまうので、反りやひび割れといった劣化が起こりやすくなってしまいます。反りやひび割れによって隙間ができてしまえば雨漏りにつながりますので、注意が必要です。
目地のシーリングのメンテナンスが必要
パネルを貼り合わせる窯業系サイディングは、パネルとパネルの継ぎ目から雨水が侵入しないようシーリング材(コーキング材)が充填されています。一般的なシーリング材はあまり耐用年数が長くなく、早ければ3~5年程度で劣化してしまいます。劣化したシーリングは硬化し、ひび割れや剥がれが起きてしまいますので、放置してしまうと雨漏りにつながってしまいます。塗装メンテナンスと併せてメンテナンス頻度が高くなりがちになってしまいます。
金属系サイディング
近年、外壁リフォームの際に人気を集めている外壁材です。以前はシンプルなデザインが多く、どれも似たような外観になってしまうためにあまり人気がありませんでしたが、技術が向上した近年では、インクジェット塗装などのおかげでデザインのバリエーションも豊かになり、窯業系サイディングにも引けを取らないようになってきました。錆に強いガルバリウム鋼板が主流ですが、アルミやステンレスなどの製品も販売されています。
金属系サイディングのメリット
軽量で耐震性が高い
外壁材の中で最も軽量であり、耐震性が高い外壁材が金属系サイディングです。外壁リフォームを検討する際、軽量な金属系サイディングを採用すれば、張替えよりも費用の安い外壁カバー工法でリフォームすることができます。
施工しやすく工期が短い
窯業系サイディングと同じく施工が容易なため、工期が短くコストを抑えることができます。
防水性が高い
金属であるため、防水性が高い特徴があります。外壁材が水を吸うことがないので、降雪地帯でも凍害の心配がありません。ただし、金属の大敵である錆には注意が必要です。
金属系サイディングのデメリット
塩害に弱い
金属であるがゆえ、沿岸地域では塩害(錆、腐食)の恐れがあります。めっき成分が進化したおかげで昔よりは塩に強くなりましたが、それでも他の外壁材に比べれば被害にあいやすいでしょう。
小さな傷から錆が広がりやすい
表面に小さな傷ができ、めっきに穴が空いてしまうと、そこから錆が広がりやすくなります。錆を防いでいるのは表面を保護しているめっきですので、定期的に点検が必要です。
モルタル外壁
近年、少しずつ数が少なくなっていますが、まだまだ根強い人気があるのがモルタル外壁です。窯業系サイディングと同じくセメントが主原料であり、そこに水と砂を混ぜて作られます。サイディング外壁と異なり職人が手で塗り上げて仕上げる外壁です。モルタルが日本で普及したきっかけは、1923年に起こった関東大震災です。それまで木造住宅が中心であったため、震災の影響による火災で都心部一体が焼け野原になってしまい、そこから不燃性のモルタルが注目され出したのです。
モルタルのメリット
デザイン性が高い
職人が手作業で塗り上げるモルタル外壁は、デザインの自由度が非常に高いです。コテで様々なパターンやテクスチャを描くことができますし、手作業であるため複数の住まいを同じ模様で仕上げたとしても、それぞれ違う表情に仕上がります。まさしく1点物と言って相違ないでしょう。
継ぎ目ができない
モルタル外壁には、サイディング外壁のような継ぎ目ができませんので、シーリングの補修が要らずメンテナンスの手間がかかりません・
耐火性が高い
不燃性を持つモルタルを使用することで、耐火性の高い外壁に仕上がります。前述した通り、大火災による被害をきっかけに日本国内に普及し始めました。
モルタルのデメリット
クラックができやすい
モルタルはクラックができやすい性質があります。ヘアークラック程度であれば大きな影響はなく、塗装することで補修できますが、構造クラック等が発生した場合には早急な補修が必要になります。
汚れやすい
表面に凹凸がある仕上がりになることが多いモルタルは、凹凸部分に汚れが溜まってしまうので、汚れが目立ちやすくなります。
まとめ
様々な外壁材の種類の中から、日本でよく採用される外壁材3種について、メリットとデメリットを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。どの外壁材が一番優れているということはなく、それぞれに長所がありますので、ご自分が外壁に期待することは何か?ということを良く検討し、最適な外壁材を選んでいただければと思います。
記事内に記載されている金額は2023年06月23日時点での費用となります。
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