アイカ工業の「ジョリパット」は 外壁に模様やパターンを描ける仕上げ壁材です。直線・扇型などさまざまな模様を現場で施工する外壁材なので、オリジナリティの高い自分だけのデザインが可能です。飾り気のないシンプルな印象でありながら独自性の高いおしゃれな外観を創るジョリパットは、非常に人気のある外壁材のひとつです。耐用年数が長いことも特徴で、定期的なメンテナンスをきちんと行っていれば、50〜60年程度の寿命が見込めます。当記事では、ジョリパットを用いた外壁の寿命を伸ばすための注意点やメンテナンス方法をご紹介します。
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こだわりの外壁だからこそ、
メンテナンスで長持ちさせよう!
工場生産の窯業系・金属製サイディングでは絶対に表せない独創性や意匠性、モルタル外壁では表せないお洒落な風合い。他にはない魅力に惹かれてジョリパットの外壁に決めた方も多いのではないでしょうか?このようにこだわり抜いて選んだ外壁だからこそ、メンテナンスをしっかり行って長持ちさせたいですよね。
ジョリパットを用いたお住まいの外壁塗装においては、現在主流の外壁材である窯業系サイディング・金属サイディング・モルタル外壁とは異なる注意が必要です。他とは違う注意点こそありますが、外壁塗装などのメンテナンスをきちんと行えば、50〜60年の寿命が保てる外壁材でもあります。窯業系サイディングの耐用年数が40年であることからも、意匠面だけではないジョリパットの魅力が伺えますね。こだわりの外壁だからこそ、塗装メンテナンスを定期的に実施し長く綺麗に保ってあげましょう。
独自の魅力を持つジョリパットとは?
ジョリパットは、フランスで生まれた外壁の仕上げ材のひとつです。施工前は柔らかく粘り気があり、モルタルの下地に塗って外壁を仕上げます。
建築用語の中に、乾式と湿式という言葉があります。あまり馴染みのない言葉ですよね。しかし、外壁について理解する上で非常に重要な用語ですので、抑えておきましょう。
乾式工法:工場で規格化・完成された既製品を現場で組み立てる工法。水を使わないため準備や乾燥の時間が不要で、工期の短縮が可能。また、現場の環境や施工業者の技術に品質が左右されにくいのもメリット。
例)サイディング・石膏ボードなど
湿式工法:乾式工法とは逆に、水を使用した材料を用いて現場施工を行う。オリジナリティが高いデザインを表現したり、既製品にはない味が出せるというメリットがある。
例)コンクリート・土壁・漆喰・ジョリパットなど
ジョリパットは湿式工法に当たるので、デザインにこだわりたい、周りと同じは嫌だ、という方には非常にオススメな外壁材です。
ジョリパットの最大の特徴は、やはり自由にデザインを決められる点です。工場ではなく現場で様々な模様やパターンを描くことで、世界にひとつだけの外壁が出来上がります。ジョリパットはカラーが180種類、パターンが100種類以上あり、それらを組み合わせることでこだわりの外壁を実現させることができます。
※アイカ工業HPジョリパットカタログ画像より一部抜粋
※アイカ工業HPジョリパットパターン一覧画像より一部抜粋
サイディングなど他の外壁と同様に、ジョリパットを用いた外壁も日頃のお手入れで寿命が長くなります。定期的に、手洗いでの洗浄を行うことをオススメします。柔らかいブラシを用いて水洗いをするのが基本で、力を入れずに優しく擦って汚れを落としてあげましょう。間違っても高圧洗浄機は使用しないようにしてください。剥がれや劣化の原因になります。 もしも水洗いで汚れが落ちにくい場合は、中性洗剤を薄めたものを使用します。水洗いの際と同じ要領で、優しく擦り洗いをしてあげましょう。洗剤を使用する場合は、洗剤の流し忘れのないよう注意します。
もしも日頃のお手入れでは汚れの落ちが悪くなってきたり、築年数がある程度経過している場合は、外壁塗装によるメンテナンスを行う必要があるかもしれません。ジョリパットの外壁について気になる点がございましたら、街の外壁塗装やさんの無料点検をお気軽にご活用ください!
インターネットの書き込みや塗装業者のお話では「ジョリパットの外壁は5〜8年スパンでの外壁塗装が必要」「耐用年数が長いため10〜15年は外壁塗装なしで大丈夫」のように情報に一貫性が見られません。
どの情報が正しいのかは、はっきり言ってわかりませんよね。より確実な手段は、お住まいの状態を実際に目で確認し、塗装をするべきかどうか判断をすることです。外壁の状態は、立地・環境・日頃のお手入れや新築時の施工状況などに大きく左右されます。ここでは、外壁の状態から判断することのできる塗り替え時期の目安について解説します。
外壁の色褪せ
サイディングなどを用いた他の外壁と同じで、ジョリパットの外壁も色褪せが外壁塗装の目安となります。色褪せは日差しなどが影響してゆっくりと時間をかけて起こります。また、ジョリパット∞のように高耐候性でほぼ色褪せしないものもあります。外壁の色褪せは、気づきにくいものなのです。築10年を経過したあたりで、一度新築時の色を思い出しながら色褪せをチェックしてみてはいかがでしょうか。
撥水性の低下
撥水性が低下している場合は、明らかに外壁塗装が必要なサインです。撥水性の低下は、塗膜の防水性が落ちてくると起こります。雨上がりに観察したり、気になる場合は水をかけて確認するのもいいですね。外壁が水分を弾かずに吸収してしまい、跡になってしばらく残ってしまうようでしたら、防水性が低下している可能性は高いです。
日頃の手洗いで汚れが落ちにくくなった
定期的に行う普段のお手入れで、なかなか汚れが落ちなくなったということはありませんか?もし汚れが落ちにくくなっているのであれば、原因は塗膜の衰弱による防水性の低下です。ジョリパットの塗装には光媒体が使われていることがあります。この場合、汚れにくさは存続しやすいですが、性能の低下によって汚れが落ちにくくなることは防ぐことができません。
コケやカビの発生・繁殖
コケやカビの発生は、ジョリパットの防水性が低下している証拠です。ただし、風通しの悪い湿った環境では、早い段階でコケやカビが発生してしまう可能性があります。防水性の低下によるものか、環境要因によるものかの見分けはつきにくいかもしれません。目安として、特定の部分だけでなく外壁の広範囲にコケやカビが発生している場合は、防水性が低下している場合がほとんどです。外壁塗装が必要と判断して間違いありません。ご自身での判断が難しい場合は、街の外壁塗装やさんの無料点検をお気軽にご利用ください。
クラックの発生
クラックの発生は、外壁塗装が必要と判断しても良いでしょう。他の外壁材と同様に、ジョリパットも雨水の吸収によって膨張します。吸水と乾燥を繰り返すと、膨張したものが収縮するタイミングでクラック(ひび割れ)が発生します。クラックを放置すると、そこからさらに吸水しやすくなるため早めのメンテナンスが必要です。
劣化を放置してしまうと危険
様々なパターンやテクスチャが魅力のジョリパットですが、細かな凹凸があるため、汚れや水が溜まりやすく劣化しやすいです。
この凹凸の部分にできたクラックなどを放置していると、周囲のパターンごと剥がれ落ちることがあります。修復は可能ですが、周りと模様を違和感なく合わせるには高い技術が必要になります。そのため、費用も嵩んでしまうでしょう。
ジョリパットの外壁に前述したような不具合が発生したら、いち早く外壁塗装を行いたいですよね。その前に、信頼に足る塗装業者を見つける必要があります。
サイディングなどの一般的な外壁材に比べて、ジョリパットの外壁塗装には高い技術と知識が必要です。ジョリパットについて詳しく、安心して仕事を任せられる業者を選びましょう。
ジョリパットには適切な水圧による洗浄を
しつこい汚れを簡単に落とす高圧洗浄ですが、ジョリパットには使用できません。ジョリパットは高圧で洗浄してしまうと、パターンの剥がれや吸水による劣化を起こしてしまいます。よって、ジョリパットに適した水圧での丁寧な洗浄が求められます。適した水圧というのは、必ずしも数字で定義できるものではありません。外壁の状態に応じて、プロの目利きが必要になってきます。
絶対にNG!装微弾性塗料や弾性塗料での塗装
ジョリパットは他の外壁材に比べて吸水性が高いです。そのため、外壁塗装に微弾性塗料や弾性塗料を使用してはいけません。これらの塗料は透湿性が低く、ジョリパットの内部の水蒸気がうまく逃げずに塗膜が膨れてしまいます。
ジョリパットは湿式工法ですので、モルタル外壁と同様にクラックができやすいです。そのため、クラックに追従する性質を持つ弾性塗料を使用したくなります。しかし、透湿性が低いので絶対に使用してはいけません。ジョリパットの外壁塗装には、透湿性が高く水蒸気を逃しやすいものを選びましょう。
メーカー規格の専用塗料
ジョリパットの外壁塗装をするにあたって「ジョリパットフレッシュシリーズ」という専用塗料を、メーカーのアイカ工業が販売しています。ジョリパットの特徴を活かすために艶が抑えられており、表面の質感や独特な印象を損ないません。150色近くのバリエーションも特徴で、ご自宅の外観をガラッとイメージチェンジすることも可能です。
仕上がりに塗料特有の艶が出てしまうため、ジョリパットならではの質感が失われてしまいます。
※アイカ工業HPジョリパットカタログより一部抜粋
艶消しの上質な仕上がりが、ジョリパット独特の砂壁の質感を演出します。
メーカー規格の専用塗料でなくても大丈夫?
専用塗料を使わずに、艶のある仕上がりでジョリパットを塗装した方も大丈夫です。メーカー規格の専用塗料以外でも、外壁塗装はできます。ただし、透湿性の低いものは避け、後に不具合が発生しないように気をつけましょう。
信頼できる業者であれば「艶消し・艶ありでの外壁塗装を数種類見積もりしてほしい」と伝えれば対応してくれます。メーカー規格の専用塗料を使用する場合、専用ではないがジョリパットに適した塗料を使用する場合、透湿性の高い艶あり仕上げの塗料を使用した場合と、それぞれの見積もりを作成してくれるはずです。それ以外の工法を勧められる場合は、業者にジョリパットに対する専門知識がない場合があります。
ジョリパットの外壁塗装も街の外壁塗装やさんにお任せください
外壁材の多様化に伴って、使用する塗料や必要な技術も複雑化しています。10年に1度お世話になるかどうかの塗装業者を見極めるのは至難の業かと思います。良い業者とは、一体どのような業者を指すのでしょうか。仕事が丁寧、値段が安い、工期が短いなど、人によって感じ方は様々です。ひとつ明確に言い表すのであれば、専門知識と技術がリンクし、両立できていることが重要ではないでしょうか?
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ジョリパットはモルタル下地に塗る仕上げ材である
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模様やパターンに決まりがなく、オリジナリティの高い仕上がりが期待できる
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日頃のメンテナンスは手洗い洗浄がオススメで、高圧洗浄はNG
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外壁の状態に応じてプロによる外壁塗装が必要で、判断の目安は色褪せやひびなど複数
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ジョリパットの外壁塗装には、専門知識と技術が必要
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ジョリパットに使用する塗料は、透湿性の高いものでなければならない
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メーカーの専用塗料が安心だが、条件を満たせば他の塗料も使用可能