まるで新築のような輝きさえ得られる外壁塗装。色選びにこだわれば、“センス”のあるオシャレな見た目でイメージチェンジもできます。そこで「ツートン」や「カラフル」な塗装に興味がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、ツートンやカラフルな外壁塗装をするとき、知っておくべき基礎知識をじっくりと説明していきます。
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- 無彩色は色数に含めない!?
- ツートンなどに塗り分けしたい場合、覚えておきたい基本ルール
- 建物の構造によって色を塗り分けるときの境界を決める
- (1)塗り分けの境界を建物の上下間(1階部分と2階部分の間)にするパターン
- (2)建物の出っ張りと引っ込みとなるベランダやバルコニーを使うパターン
- (3)建物の角や窓を活用した垂直方向に塗り分けるパターン
- (4)まとまりがないかも…そんなときはセパレートカラーを境界線へ追加する
- カラフルにしたい場合、覚えておきたい基本ルール
- 街並みとの調和
- (1)多色選びの際は3色までに抑える
- (2)景観を乱す原色は選ばないように
- (3)彩度は控えめに
- (4)薄めの色で優しく景観にも馴染んだ印象に
- (5)濃い色の選択は、ダークで落ち着いたものを
- (6) 「赤」や「青」などを取り入れるときは輸入住宅や洋風住宅を参考にするとよい
- 塗装前にはカラーシミュレーションで必ず確認を
- 世界の外壁塗装事情や歴史的背景について
だいたい10年に1回のタイミングでやってくる外壁塗装は、お住まいをイメージチェンジするの絶好のチャンスです。「ツートンカラーにしたらオシャレになりそう」「今までは地味な印象だったけれどカラフルな色味で明るくしたい」など、既に具体的な外壁塗装の理想がある方もいらっしゃるでしょう。
最近では、ツートンやカラフルの外壁塗装をご希望される方も増えています。そこで、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
「ツートン」と呼ばれることが多いものの、より正しくは「ツートーン(two tone)」です。2色構成のものを指しますが、「バイカラー(bi-color)」とも呼ばれることがあります。また、3色目となるセパレートカラーを使ったケースも「ツートン」と呼ばれるのが一般的です。
お住まいにおいての「カラフル」は有彩色(彩度・色みを持つ色)を多色使用されたものを指します。白や黒をベースにした無彩色は、数色使用されていた場合でもカラフルとしては扱わない場合が多いです。カラフルな外観は個性豊かな仕上がりになりますが、使用色が増えるほどバランスを取るための難易度が上がり美しく見せるためには工夫が必要になります。
無彩色は色数に含めない!?
無彩色とは、白や黒、そしてグレー(白と黒を混ぜてできた色)を総称した色です。カラーコーディネートの決まりにおいて、「白と黒」「グレーと黒」というように無彩色であれば複数色を使っても数えるときは“1色”として考えられています。たとえば「緑」+「白・グレー・黒」の場合、色数は2色です。
また、「白・グレー・黒」はそもそも色数にはならないという、他の考え方もあります。そのため、一般的にはセパレートカラーでは無彩色や、もしくは同系の色が使われるため、「緑」+「黄緑」+「白・グレー・黒」だとしても、2色、ツートンということになるのです。
建物の構造によって色を塗り分けるときの境界を決める
(1)塗り分けの境界を建物の上下間(1階部分と2階部分の間)にするパターン
外壁塗装をツートンにするときに、もっとも選ばれるのが「建物の上階・下階」と水平方向を境界にするスタイルです。
面積の大きな“ベースカラー”を1階部分、次に大きな“アソートカラー”を2階部分、塗る面積が小さな“アクセントカラー”を屋根に…とバランスを考えるとちょっとした調整がいることもあるものの、多くの場合、1階部分と2階部分の境で塗分けることでバランスのよい仕上がりにすることができます。
(2)建物の出っ張りと引っ込みとなるベランダやバルコニーを使うパターン
外壁全体をベースカラーとし、ベランダやバルコニーをアソートカラーとしたツートンにすることもできます。屋根やサッシ枠がアクセントカラーとなります。ベランダやバルコニーの面積が大きいほどインパクトもありますが、違和感のない仕上がりになりやすいです。
(3)建物の角や窓を活用した垂直方向に塗り分けるパターン
少し難易度が高いのが、建物の垂直方向、縦のラインに境界を設けるパターンです。ベースカラーを囲うように縦のラインでアソートカラーを設けると、雰囲気がかなりスタイリッシュになるでしょう。
(4)まとまりがないかも…そんなときはセパレートカラーを境界線へ追加する
これまでのお住まいが1色だった場合、外壁塗装でツートンカラーにするとちょっと違和感を抱いてしまうこともあるでしょう。そんなときは、セパレートカラーを1色追加するだけでより引き締まったデザインにすることができます。
色の変わり目となる境界にセパレートカラーを設けるのは、「色と色のぶつかり合いの解消」はもちろん、色の境目をはっきりさせる配色技法のひとつです。
多くの場合、白や黒の無彩色、そのほか近似色を使います。
セパレートカラーとして幕板を境界に取り付けるのですが、幕板は後付けすることも可能です。
最近の住宅を見ると、さまざまな色が使われていて‟現代風“という感じがしますよね。以前までの建物の場合、外壁の色味は白やグレー、建材は木材や石材、粘土など、すべてが自然から構成されたシンプルな印象がありました。
実はお住まいの地域によっては景観条例によって外壁の塗装色には奇抜で個性的なカラーを使用できない場合があるのです。せっかく塗装をするのであれば他にはない、自分だけのお住まいに仕上げたいところですが、景観を損なう恐れがある場合には制限を設けられてしまうかもしれません。特に趣のある歴史的な街並みなどではより制限が厳しくなる可能性がありますので、色選びの差は十分に注意をしましょう。
それでは、外壁塗装をカラフルにしたい場合、おさえておきたい基本のルールをご紹介します。
(1)多色選びの際は3色までに抑える
“カラフル”とは言っても、あまりにもたくさんの色を使うのはよくありません。
歴史を重んじる地域だけでなく、一般的な住宅街でも、周囲との調和を考えた色選びが大事です。通常、多くの住宅では外観は3色程度にまとめているケースがほとんどです。個性を追求したいところではあるのですが、むやみに色数をたくさん使うのは、落ち着かない雰囲気となってしまうかもしれません。外観では、建物の色だけでなく、外壁など人工的なもので色彩を増やすよりも、植物など自然な色味で彩ると良いと言われています。
(2)景観を乱す原色は選ばないように
原色を選ぶときは、周囲の街並みとの調和を大事にしましょう。たとえば、自動車の色選びなら、華やかな原色も素敵に感じるものですよね。ただ、お住まいの外観に塗るときは、周囲との景観を乱さないような注意が必要になります。原色をどのくらいの面積に塗るか、外観のどこに塗るか、他の色と合っているか…など、バランスを考えながら塗りましょう。
(3)彩度は控えめに
原色でなくても、彩度が高く、一見して「鮮やかだ」と感じる色味は控えましょう。やはり、周囲からは浮き、派手な印象を与えてしまいます。彩度をおさえた色選びが大切です。
(4)薄めの色で優しく景観にも馴染んだ印象に
多色を使用する場合には、薄めの色をお選びいただくと上品です。最近は、温かみのあるピンクが女性に人気があります。原色に近いピンク色となると「派手」と思われがちですが、薄めなら上品で優しい印象に仕上がります。
(5)濃い色の選択は、ダークで落ち着いたものを
濃い色を選ぶときは、“深みのあるより暗めな色”を意識しましょう。たとえば、「緑」という色について言えば、明るい印象の新芽の色と、すでに成熟した濃い色では、「同じ緑色」なのに印象が異なりますよね。濃い色味の方が外壁塗装では落ち着いた雰囲気にすることができます。
(6) 「赤」や「青」などを取り入れるときは輸入住宅や洋風住宅を参考にするとよい
赤や青などのような「ハッキリした色」を外壁塗装に使いたいと希望する方もいらっしゃるでしょう。ただ、これらの色は塗り方によっては、ご自身が意図する完成イメージとはだいぶ異なった方向性になってしまうことも多いです。
たとえば、水色での塗装なら、アメリカによくあるファーストフード店のようになることもあります。赤もまた同様で、一般住宅にむやみに取り入れると景観とマッチしない結果となるかもしれません。そのため赤色や青色を用いて外壁塗装を行う場合はむしろ、輸入住宅や洋風住宅を参考にするのがおすすめです。輸入住宅とは海外の設計思想を取り入れた住宅のことで、周囲の景観とも合いやすい「赤や青」の色味が工夫されています。ただし、その場合も景観条例に抵触しないよう注意しましょう。
いずれの場合でも、塗装前にはカラーシミュレーションで必ず確認を
ツートンやカラフル、どちらを選択するにしても、必ず事前にカラーシミュレーションを利用しましょう。完成イメージと大きな誤差を生まないための優れた効果があるからです。
ただ、すべての外壁塗装業者がカラーシミュレーションをお客様に提供しているわけではありません。なかには、「カラーシミュレーションしなくても大丈夫だ」と言われるケースもあるでしょう。
確かに、人間の目で見たものは、人それぞれ「見え方や感じ方」が異なるものだと科学的にも立証されています。色見本やカラーシミュレーションで見たときでも、人によって見え方が違うのは当然かもしれません。それに、写真で撮影したものも同じです。撮影の技量はもちろん、アングルによっては光の入り込み方が異なります。さらに言えば、晴れ・曇りといった天候にも左右されるのが写真です。これらを総合的に考えると、カラーシミュレーションでイメージを掴んでも、実際の完成したものと”全く”同じとは言えないでしょう。
ただ、仕上がりと一寸の狂いもないものは作成できませんが、それはカラーシミュレーションを使用しない理由にはなりません。カラーシミュレーションを使用することで全体像のイメージが圧倒的に掴みやすくなり、色による見え方の違いもわかりやすくなります。撮影したときの状況と、見え方によって多少の差異はあるものの、カラーシミュレーションによって「どんな風に完成するか」は確実にイメージできます。頭のなかでイメージするよりも、より現実味をおびるのです。大切な外壁塗装だからこそ、カラーシミュレーションを使用して確認していただくことをおすすめします。
お客様が思い描いているイメージを実現させ、外壁塗装を成功させるためには色選びは非常に重要な工程となります。
街の外壁塗装やさんでは、外壁塗装をご相談いただいた方に無料でカラーシミュレーションのサービスをご提供させていただいております。カラーシミュレーションでは様々なツートンカラーのパターンを試してみたり、幕板や雨樋の塗装色を変更することも可能です。外壁塗装におけるご不安な点やご要望など、お気軽にスタッフへご相談ください。
外壁塗装に関するコラム
世界の外壁塗装事情や歴史的背景について
世界的にも有名なカラフルな街並み「ブラーノ島の住宅街(イタリア)」
世界的にも「カラフルな街並み」として知られているのがイタリアのブラーノ島の住宅街です。彩度が高い、鮮やかな色を使い、隣の建物と違った色で塗り分けられています。街全体が美しい色味で彩られ、観光名所としても有名です。
どうしてこのような鮮やかな色の塗装になったかと言えば、この地に住む漁師たちのためという歴史があります。冬になって霧深くなった海では島に戻るのが難しく、無事に島に戻れるようにカラフルな色で自分たちの家を塗装したと言われています。
現在では、厳しい景観条例が定められていて、ヴェネチア市当局の許可による外壁塗装が必要です。これまでの歴史を継承するため、隣家とは違った色で塗装しなければならないという街の規制を守った塗装が行われています。
1960年代にニューヨークから発祥したスーパーグラフィックス
1960年代にアメリカで発祥後、世界中に流行したスーパーグラフィックス。鮮やかな色味でグラフィック処理をされた外観で、華やかな印象を受ける外壁塗装です。あっと言う間に流行したものの、1970年以降になると急激に衰退していきました。日本では、1969年開業の赤坂東急ホテルが代表的でしょうか。2002年に改称され、現在は赤坂エクセルホテル東急と呼ばれています。開業した当初は、外壁塗装の色とストライプの模様から成ったグラフィックデザインを表した「軍艦パジャマ」と広く親しまれた外観です。
また、スーパーグラフィックスの例のひとつとして、防波堤や建築工事中の囲いなどに見られるイラストがあります。現在のデジタルサイネージやプロジェクションマッピングも、広い意味でスーパーグラフィックスと言えるでしょう。